神奈川県立観音崎公園
観音崎砲台跡
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平成17年(2005)年5月7日(土)「観音崎砲台群を訪ねて」と題する東京湾海堡フアンクラブの見学会が開催された。総勢13名が参加。幹事の仲野正美講師のご案内により,観音崎に残された,日本の近代化遺産とも言える砲台跡を見学した。 私にとって観音崎の砲台跡は見慣れた存在で,時にはフィールドレンジャーとして,小中学生や生涯学習等の団体さんをご案内することもある。ところが,砲台跡に関してはその場所を知っている程度で,それぞれの砲台にどのような砲が据えられ,どのような役割を担っていたのか等々,ほとんど何も解っていないことを今更ながら痛感,今回の見学会参加となった。 |
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見学会から13年が経過した今年平成30年(2018)は明治元年(1868)から起算して満150年に当たる。近年,群馬県の富岡製糸場や長崎県の軍艦島等が世界遺産として登録され,各地にある明治以降の近代化遺産が脚光を浴びていることは記憶に新しい。 私の活動フィールドである観音崎を含む横須賀市内及び隣接する横浜市内には,それら遺産に遜色のない日本の黎明期を象徴する遺構が数多く存在するが,これらを世界遺産に登録申請しようとする動きは残念ながら今のところ感じられない。そこでその起爆剤となることを期待して,微力ながら観音崎公園内にある砲台跡群を改めて掘り起こして見ることにした。 尚,下記砲台の内,北門第四砲台・南門砲台・旧第三砲台・北門隠顕砲台は2005年の見学会ではそれぞれ事情があって見学できなかった砲台で今回追加したものです。 |
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※観音崎砲台群の内,旧第三砲台跡・第四砲台跡は海上自衛隊管理地のため, 見学会等の特別な場合を除き普段は立ち入りが禁止されている。 |
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(注) 1.案内図は2005年5月東京湾海堡フアンクラブ主催の「観音崎砲台跡群を訪ねて」と題する見学会の折に配布された資料にカラー文字部分を追加して転載,また,下記2〜5及び各砲台の任務については配付資料をほぼそのまま転載させていただきました。 2.加は加農砲(カノン)の略,カノン砲は砲身長く,砲弾初速が大きく敵艦側を射撃適す。遠距離もこの砲,24加-2は24センチ口径のカノン砲が2門設置されていたことをさす。 3.榴は榴弾砲の略,榴弾砲はカノン砲に比べ砲身が短く,口径の12.3から20倍位のまでのもの,従って初速がカノン砲に比べ大きくなく,上向け発射し,敵艦の甲板を打ち抜く砲。 4.臼は臼砲の略,榴弾砲より更に砲身が短い口径の12.3倍以下のもの。比較的近距離に於いて敵の頭上から,弾丸を落下させるもの。 5.速加は速射加農砲の略,発射速度の大きい砲。即ち一定時間内に多数の発射ができる。 6.フランスは砲台関連構築物のレンガの積み方がフランス積,イギリスはイギリス積の略。 ※下図参照 |
学研プラス発行・原剛監修「日本の要塞」から引用 |
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フランス積 | イギリス積 | ||