利尻・礼文・サロベツ と観音崎の花
2017.6.28〜7.1某旅行会社のシニア向けツアーで「利尻・礼文・サロベツ」へ行ってきた。ツアーの目玉は利尻富士と日本最北端の島の絶景,そして広大なサロベツ原野。それに加えて海鮮料理・温泉とレブンアツモリソウ等の高山植物。 ツアー出発の数日前,添乗員から「折りたたみ傘では役に立たないこともあるので,レインコートを必ずご持参下さい。」との電話が入った。念のため,ツアー滞在中の稚内地方の天気をピンポイント予報で確認すると4日間とも「曇り時々晴」で風もさほど強そうではない。訝しく思いながらも傘に加えてレインコートを持参。これが大正解であることを思い知らされることになった。 ツアー初日。羽田空港から稚内空港へ2時間のフライト。稚内空港到着近くになって機体が急旋回,ふと窓外を見ると雲海の上に利尻富士が私達を歓迎するかのように頭を出していた。幸先がいいぞ!年甲斐もなく期待に胸が膨らんだ。 |
着陸後,休憩もそこそこにバスで稚内港へ移動。フェリーで利尻島の鴛泊港(おしどまりこう)へ1時間40分の船旅。曇り空のため日本海の美しい夕陽は拝めず。利尻島へ近づくにつれて霧が濃くなり利尻富士も見られず。鴛泊港上陸後バスでホテルへ直行したが,道中,利尻富士が雲の合間から時折チョットだけ数秒間姿を現す。雲はそれほど厚くはないがその流れは驚くほど速い。 三泊四日のツアーでビューポイントを巡るのは実質2日目からの3日間。その間は雨こそ降らなかったが,濃霧と強風に見舞われて眺望はままならず,ビューポイントではレインコートを着たままのことが多かった。それでも時折青空がのぞき霧が薄れ利尻富士の裾野が見えることはあったが,ツアーの最後までそれより上は姿を現すことはなかった。利尻富士と島の絶景を期待してツアーに参加した人には気の毒な結果に終わってしまった。 |
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その点,利尻富士もさることながら高山植物と海鮮料理・温泉がお目当ての私達夫婦にとっては,ほぼ期待通りの楽しいツアーとなった。高山植物の宝庫といわれる礼文島の桃岩展望台コースを歩いた時も濃霧と強風に見舞われたが,案内人の花ガイドさん曰く「この時期のこの濃い霧が高山植物を育んでいるのです。花の写真は晴天よりもこのような気象条件の方が写りが良いのですよ。」の言葉に励まされ,ミストシャワーのような濃霧を浴びながら,沢山の花の写真を撮った。 帰宅後,撮りためた47種の花の写真を整理していて,人が住む日本最北端の島に咲く花とはいいながら,私の住む暖地・観音崎で目にする花にどこか似ている花々が多いことに気づいた。そこで戯れに利尻・礼文・サロベツの花たちに似た観音崎の花々を探し出して対比してみることにした。その結果は下記の通りで,学問的にはあまり意味も価値も無さそうだが,娯楽的な観点からご高覧頂ければ幸いである。 ついでながら,今回のツアーで体験したあれこれを余 談としてまとめてみましたので,ご用とお急ぎでない方はこちらもユックリとご笑覧頂ければ幸いです。 |
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利尻・礼文・サロベツと観音崎の花 | |||
同名・同科・同属 | 異名・同科・同属 | 異名・同科・異属 | 同じ仲間なし |
4種(9%) | 22種(47%) | 10種(21%) | 11種(23%) |
利尻・礼文・サロベツの花 | 観音崎の花 | ||
名 前 | 名 前 |
アカネムグラ | ヤエムグラ | |
イブキトラノオ | オオイヌタデ | |
ウメガサソウ | イチヤクソウ | |
エゾカラマツ | アキカラマツ | |
エゾカンゾウ | ハマカンゾウ | |
エゾスカシユリ | スカシユリ | |
エゾチドリ | ||
エゾツツジ | ヤマツツジ | |
エゾノシシウド | アシタバ | |
オオウバユリ | ウバユリ | |
オオカサモチ | アシタバ | |
オオハナウド | ボタンボウフウ | |
オニシモツケ | シモツケ | |
カキツバタ | キショウブ | |
カマヤリソウ | ||
カラフトホソバハコベ | ハコベ | |
キクバクワガタ | オオイヌノフグリ | |
ギンラン | ギンラン | |
コバイケソウ | ||
サイハイラン | サイハイラン | |
シラゲキクバクワガタ | カワヂシャ | |
シロヨモギ | ヨモギ | |
ジンヨウイチヤクソウ | イチヤクソウ | |
スズムシソウ | コクラン | |
センダイハギ | シナガワハギ | |
チシマアザミ | トネアザミ | |
チシマギキョウ | ホタルブクロ | |
チシマフウロ | ゲンノショウコ | |
チシママンテマ | シロバナマンテマ | |
バイケイソウ | ||
ハクサンチドリ | ||
ハマエンドウ | ハマエンドウ | |
ハマナス | ハマナス | |
ハマベンケイソウ | ||
ヒオウギアヤメ | シャガ | |
マルバトウキ | ボタンボウフウ | |
ミソガワソウ | ニガクサ | |
ミヤマオダマキ | オダマキ | |
ミヤマキンポウゲ | トゲミノキツネノボタン | |
ヤナギトラノオ | オカトラノオ | |
ヤマブキショウマ | ||
ヨツバヒヨドリ | ヒヨドリバナ | |
レブンアツモリソウ | ||
レブンウスユキソウ | ハハコグサ | |
レブンキンバイソウ | ||
レブンシオガマ | ||
レブンソウ |
アカネムグラ (茜葎) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ヤエムグラ (八重葎) |
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イブキトラノオ (伊吹虎の尾) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
オオイヌタデ (大犬蓼) |
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ウメガサソウ (梅笠草) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
イチヤクソウ (一薬草) |
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エゾカラマツ (蝦夷唐松) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
アキカラマツ (秋唐松) |
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エゾカンゾウ (蝦夷萱草) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ハマカンゾウ (浜萱草) |
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エゾスカシユリ (蝦夷透百合) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
スカシユリ (透百合) |
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エゾチドリ (蝦夷千鳥) |
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エゾツツジ (蝦夷躑躅) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ヤマツツジ (山躑躅) |
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エゾノシシウド (蝦夷の猪独活) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
アシタバ (明日葉) |
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オオウバユリ (大姥百合) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ウバユリ (姥百合) |
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オオカサモチ (大傘持) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
アシタバ (明日葉) |
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オオハナウド (大花独活) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ボタンボウフウ (牡丹防風) |
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オニシモツケ (鬼下野) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
シモツケ (下野) |
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カキツバタ (杜若) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||||
キショウブ (黄菖蒲) |
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カマヤリソウ (鎌槍草) |
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カラフトホソバハコベ (樺太細葉繁縷) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ハコベ (繁縷) |
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キクバクワガタ (菊葉鍬形) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
オオイヌノフグリ (オオイヌノフグリ) |
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ギンラン (銀蘭) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ギンラン (銀蘭) |
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コバイケイソウ (小梅尅吹j |
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サイハイラン (采配蘭) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
サイハイラン (采配蘭) |
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シラゲキクバクワガタ (白毛菊葉鍬形) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
カワヂシャ (川萵苣) |
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シロヨモギ (白蓬) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ヨモギ (蓬) |
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ジンヨウイチヤクソウ (腎葉一薬草) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
イチヤクソウ (一薬草) |
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スズムシソウ (鈴虫草) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
コクラン (黒蘭) |
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センダイハギ (仙台萩) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
シナガワハギ (品川萩) |
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チシマアザミシ (千島薊) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
トネアザミ (利根薊) |
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チシマギキョウ (千島桔梗) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ホタルブクロ (蛍袋) |
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チシマフウロ (千島風露) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ゲンノショウコ (現の証拠) |
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チシママンテマ (千島まんてま) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
シロバナマンテマ (白花まんてま) |
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バイケイソウ (梅尅吹j |
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ハクサンチドリ (白山千鳥) |
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ハマエンドウ (浜豌豆) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||||
ハマエンドウ (浜豌豆) |
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ハマナス (浜茄子) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||||
ハマナス (浜茄子) |
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ハマベンケイソウ (浜弁慶草) |
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ヒオウギアヤメ (檜扇菖蒲) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||||
シャガ (射干) |
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マルバトウキ (丸葉当帰) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ボタンボウフウ (牡丹防風) |
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ミソガワソウ (味噌川草) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ニガクサ (苦草) |
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ミヤマオダマキシ (深山苧環) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||||
オダマキ (苧環) |
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ミヤマキンポウゲ (深山金鳳花) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
トゲミノキツネノボタン (棘実の狐の牡丹) |
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ヤナギトラノオ (柳虎の尾) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
オカトラノオ (岡虎の尾) |
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ヤマブキショウマ (山吹升麻) |
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ヨツバヒヨドリ (四葉鵯) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ヒヨドリバナ (ヒヨドリバナ) |
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レブンアツモリソウ (礼文敦盛草) |
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レブンウスユキソウ (礼文薄雪草) |
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(観音崎の花) | ||||||||||||
ハハコグサ (母子草) |
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レブンキンバイソウ (礼文金梅草) |
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レブンシオガマ (礼文塩釜) |
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レブンソウ (礼文草) |
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撮影地による分類 | |||||
利尻島 | 姫沼 | オタトマリ沼 | 仙法志御崎公園 | 利尻島計 | |
7(15%) | 1(2%) | 1(2%) | 9(19%) | ||
礼文島 | お花畑 | 高山植物園 | スカイ岬 | 元地海岸 | 礼文島計 |
20(43%) | 10(21%) | 3(6.5%) | 2(4%) | 35(74.5%) | |
豊富町 | サロベツ原生花園 | 豊富町計 | |||
3(6.5%) | 3(6.5%) | ||||
合 計 | 47(100%) |
余 談 |
利尻富士の歓迎? |
神秘的な水平線 |
束の間の利尻富士 |
利尻島 |
礼文島 |
礼文島・香深港〜稚内港 |
サロベツ原生花園 |
最北端の地・宗谷岬 |
国境の町「稚内」 |
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ツアー初日。羽田空港から稚内空港へ2時間のフライト。稚内空港到着近くになって機体が急旋回,ふと窓外を見ると雲海の彼方に利尻富士(利尻山)が私達を歓迎するかのように頭を出していた。幸先がいいぞ!年甲斐もなく期待に胸が膨らんだ。 | |
14:45 |
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空港到着後,休憩もそこそこにバスで稚内港へ移動。フェリーで利尻島の鴛泊港(おしどまりこう)へ1時間40分の船旅。曇り空のため日本海の美しい夕陽は拝めなかったが,鴛泊港到着の15分くらい前,東側の水平線が青白くまるで蛍火のように光っているのが見えた。その美しい光景に驚き反射的に西側を見ると,黒い空と海に挟まれた水平線が神秘的に光り輝いていた。 | |
ツアー中3回お世話になったフェリー 16:05 |
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日本最北端の宗谷岬 16:30 |
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東側の水平線 17:54 |
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西側の水平線 17:54 |
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利尻島へ近づくにつれて霧が濃くなり利尻富士は見られず,鴛泊港上陸後バスでホテルへ直行したが,道中,利尻富士が雲の合間から時折チョットだけ数秒間姿を現す。雲はそれほど厚くはないがその流れは驚くほど速い。このバスの中から眺めた利尻富士が,ツアー最後になろうとはそのときは露ほども思わなかった。 | |
18:26 |
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18:29 |
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18:29 |
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※礼文町観光パンフレットから一部削除・加筆の上転載 |
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ツアー二日目。ホテルから最初の目的地の仙法志御崎公園へバスで移動中,人面岩の近くでオオハナウドの群落を見かけた。続いて寝熊の岩と呼ばれる黒い大きな岩が現れた。確かに大きな熊が海辺で寝そべっているようにも見える。そうこうするうちに仙法志御崎公園に到着。 ところが目的地に到着したものの,濃霧のため利尻富士の裾野すら見えない。この公園は利尻富士の展望スポットになっているらしく,添乗員さんはここでツアー参加者の集合写真を撮る予定にしていたようだが,諦めて次のスポットのオタトマリ沼で撮ることになった。 結局ここではハマナスとエゾキスゲの群落が見物となったが,自然の状態に人間が多少手入れ保護しているような雰囲気があり,管理員さんには敬意を払いたいが,素直に感激できなかった。 |
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オオハナウド群落 08:43 |
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寝熊の岩 08:44 |
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ハマナス群落 09:27 |
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エゾキスゲ群落 09:28 |
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バスに乗ること15分足らずで2番目の目的地オタトマリ沼に到着。ところが霧はますます濃さを増し,利尻富士どころか沼の対岸すら見えない。沼ではウミネコらしきカモメが空しく騒いでいるだけ。オタトマリ沼に立ち寄った記念に家内を公園の大看板の前に立たせ写真を撮ったが,本来は背後にある筈の利尻富士の姿は濃い霧の彼方。さすがに添乗員さんも集合写真の撮影を諦めて次の目的地の姫沼へ向かうことになった。 | |
09:44 |
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09:46 |
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50分ほどで3番目の目的地姫沼に到着。姫沼は周囲約1kmほどの小さな沼だが,霧は晴れ時折青空ものぞき,対岸までハッキリと見える。オタトマリ沼とのあまりの違いにただただ驚くばかり。しかしながら,利尻富士は裾野がわずかに覗いているものの,それより上は依然として深い霧の中。 利尻富士が姿を現せば,鏡のように穏やかな水面に逆さ富士が見られるという。添乗員さんの説明もどこか空しい。それでもここではレインコートを着用せずに沼を周回する散策路を30分ほどで一周することができた。 周回中,散策路のそこかしこで高山植物を見かけ写真に納めたが,一つ大失敗を犯すところだった。帰宅後,パソコンに取り込んだ画像を整理していて,歩き始めてまもなく撮ったアザミの花が,下向きであまり元気無さそうに感じたので,パソコンのゴミ箱へ捨ててしまった。 ところがその後,礼文島の花ガイドさんから頂いたガイドブックを眺めていて,それがチシマアザミで下向きに咲くのがその特徴であることを知った。私は慌ててゴミ箱を漁りようやく見つけ出し元へ戻して事なきを得たが,私の常識がいかに浅はかであることを思い知らされた。 |
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10:54 |
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11:01 |
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利尻島ツアーの締めは二色生ウニ丼の昼食。濃霧で溜まったストレスもウニ丼で癒やされ,食後,店の裏にある磯へ下りてみた。海はベタ凪。磯近くの海面には正真正銘の利尻昆布の林がユラユラと揺れている。いつしか霧も晴れ水平線までクッキリと見える。ところが私の背後にあるはずの利尻富士の姿はない。地形の関係だろうか? 海の右手沖合では漁師がウニ漁をしているようだ。磯舟と呼ばれる小舟に乗った漁師が一人,足で櫂(かい)を巧みに操り,箱メガネで海中を覗きながら網でウニを一つずつすくい上げる。利尻島伝統の漁法だとテレビで見た記憶がある。一見まどろっこしい漁法のように思われるが,乱獲を防ぐための先人の知恵なのだろう。 しばらくボーッとして沖合を眺めていると,左手の磯に大きな鳥が舞い降りてきた。鳥はセグロカモメのようで口にウニのようなものをくわえている。セグロカモメは翼を広げると135〜150cm位になる大型のカモメ。冬になると越冬のため観音崎周辺の海にも飛来する冬鳥。顔は強面だが意外と人懐こい鳥で,鴨居港で漁師や釣り人からおこぼれを頂戴している姿を時折見かける。 セグロカモメがウニを食べるところを写真に撮りたいと思ったが,バスの出発時刻が迫ってきたので,大慌てで店の前に止まっているバスへ戻った。利尻昆布を食べて育ったウニ,それを捕食するセグロカモメ,それを焼き鳥にしたらさぞ美味しいのでは? |
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利尻昆布の林 11:53 |
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磯舟のウニ漁 11:54 |
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セグロカモメがウニを捕食 12:00 |
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13時5分利尻島・鴛泊港発のフェりーで礼文島・香深港へ約45分間の船旅。利尻富士がわずかに裾野だけのぞかせ見送ってくれたが,最後まで美しい全貌は現してくれなかった。航海中は海霧のため船外に何一つ見えない。礼文島に近づいてようやく香深港が見えてきたが,濃霧のため港内も霞んで見える。先が思いやられる。 | |
利尻富士の裾野がお見送り 13:11 |
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礼文島・香深港 13:43 |
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※礼文町観光パンフレットから一部削除・加筆の上転載 |
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香深港に着くと待機していたバスに乗り桃岩展望台近くの駐車場まで直行。そこからプロの花ガイドさんの案内でレンジャーハウスを経て桃岩展望台迄歩くことになったが,濃霧に強風が加わり,雨ではないがまるでミストシャワーを浴びるような天候だ。寒さはそれほどではないものの,足腰に不安を抱える私としてはいささか厳しい状況だったが,桃岩展望台迄のコースはこのツアーの目玉中の目玉。ここで落後したらツアーに参加した意味が無い。意を決して展望台まで歩くことにしたが,家内も同じ心境だったらしい。 花ガイドさんの「この時期のこの濃い霧が高山植物を育んでいるのです。花の写真は晴天よりもこのような気象条件の方が写りが良いのですよ。」の言葉と次から次へと現れる高山植物の花々に励まされ,濃霧も強風も気にならなくなり,ひいては足腰の痛みすら忘れて写真を撮り続け,展望台まで無事上りそして下山することができた。駐車場まで歩きバスに乗り座席に着いたところで,腰に若干違和感を覚えたが,安堵感が勝ったのかそれほどでもなかった。 |
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センダイハギの大群落 14:57 |
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桃岩展望台間近 15:23 |
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バイケイソウの群落 15:25 |
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お花畑を後に元地海岸へ。平成27年4月に貫通した約1,489mの新桃岩トンネルのお陰で約30分で到着。元地海岸ではかってメノウの原石が採れたことからメノウ浜とも呼ばれていたようだが,今ではほとんど見られなくなったようだ。私も一応ガイドさんの案内で探してはみたものの,見つかるのはせいぜい米粒大の代物で,早々に探すのを止め元地海岸のもう一つの見どころ地蔵岩へと向かった。 地蔵岩へ浜伝いに歩いて行くと,浜のあちこちにリンドウのような青い美しい花が咲いているのが目に入った。まるで大きなメノウを見つけたような気分だ。これ迄見たことがない植物で,葉が多肉質なことから私は外来植物かと思ったが,念のため近くにいた添乗員さんに尋ねたところ,東北から北海道の海岸に生えるハマベンケイソウという在来植物であることが判った。 浜伝いには他にもハマナスやエゾカンゾウ等の海岸植物の群落もあるが,それらの植物は特に人間が保護しているような形跡もなく,好き勝手な場所でありのままの姿で咲いているように思われる。植栽されたり保護されて咲いている花を見慣れた目には何故か新鮮に映る。 数分で地蔵岩の展望場所へ到着。その名の由来は,高さ約50mの巨岩を海から眺めると,お地蔵さんが手を合わせて拝んでいるように見えることに由来するようだ。地蔵岩周辺には荒々しい奇岩が点在,夕陽のビューポイントのようだが,曇り空のためそれは見ることができなかった。今回のツアーはよくよく絶景とは縁が無いように思えてきた。 |
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ハマベンケイソウ |
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ハマナス |
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地蔵岩 17:06 |
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ツアー三日目。最初の目的地はスカイ岬。「スカイ」というカタカナを見た時,私は空のSkyを思い浮かべたが,漢字では澄海と書くという。空と海とでは大違い。知らないということは恐ろしい。海が穏やかな時は沖縄のような美しい澄んだブルーの海が見られるらしい。 しかしながら,この日はあいにく強風が吹き荒れ,足をしっかり踏ん張らないと吹飛ばされそうな悪天候。眺めはそれほど悪くないが,水平線が霞んで見える。海は白波が立ち,小さな入り江にカモメたちが沢山避難していた。澄海の名前とはほど遠い雰囲気だったが,エゾカンゾウやチシマフウロ,エゾノシシウド等の花々があちこちで群落をつくり,スカイブルーを見られない無念な心を癒やしてくれた。 |
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8:36 |
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8:40 |
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8:40 |
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8:44 |
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バスへの帰り道。漁師建屋の傍に奇妙なものがぶら下がっているのが目に入った。魚の干物のようだが,干してはみたものの取り込むのを忘れ数日間たったため,腐ってカビが生えたような雰囲気で,見るからに薄気味悪い代物だ。近くに漁師さんがいればお尋ねしたいところだったが,誰もいないためその場を後にした。 それが何物か?その謎は香深港フェリーターミナル前の土産物店で偶然知ることになった。店頭に置かれた粗末な段ボール箱に入れられた奇妙な売り物。箱には「ぬかほっけ」と手書きの名札が張られている。その売り物は例の薄気味悪い干物らしきものにそっくりだ。店の奥さんに尋ねたところ,「ぬかほっけ」は礼文島伝統の特産品で自家製だという。奥さんに頂いた説明書によれば,鮮度の良い香深産のホッケの頭を切り落とし,内臓を取り除き水洗い,糠と塩で一定期間(期間不明)漬け込んだ後,1ヶ月程度自然風に晒して天日干し乾燥させ,更に燻製をかけて仕上げるという。見かけによらずなかなか手の込んだ代物だ。 下手物m(_ _)m好きの私は早速買うことにしたが,大きさは大小あり,価格は量り売りだという。そこで一番大きそうなものを2匹注文したところ,奥さんは「大きいのより中くらいの方が美味しいのよ!」と優しく微笑んだ。意地汚い私もさすがに恥ずかしく,奧さんに選択をお任せすることにした。奧さんはまるで自分の買い物でもするかのように丁寧に品定めしてくれている。その優しい心遣いと横顔を眺めていてその姿が礼文島の美しい花々と重なり合って見えたのは私の思い込みのせいだろうか?(*^_^*) 奧さんが選択している間に,何時の間にか数人の人だかりができた。いずれも私と同年輩の酒が好きそうな男性観光客だ。『これが「ぬかほっけ」か!』と嬉しそうな顔をしている人もいる。知る人ぞ知る存在のようだ。結局,奧さんは中ぶりの物を2匹選んでくれたので,量って貰うと値段は思いの外安かった。その値段を聞いて安心したのか「オレも!」「私も!」と何人かの人から注文が入った。私はもちろんサクラではないが,結果的にはその役割を演じていたようだ。 |
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8:49 |
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2番目の目的地はスコトン岬。以前は宗谷岬と共に「最北端の地」を名乗っていたが,測量の結果,宗谷岬が北緯45度31分22秒,スコトン岬が北緯45度27分51秒,僅か3分31秒の差で宗谷岬が「最北端」と判明したため,以来スコトン岬は「最北限」を名乗るようになったという。しかし,日本が領有権を主張する択捉島が返還されれば,同島のカモイワッカ岬北緯45度33分28秒が最北端になるようだ。最北端と最北限の意味はどちらも同じと思われるが,スコトン岬の人々の無念さを考えれば野暮な詮索は止めておいた方が良さそうだ。 スカイ岬からスコトン岬までは約20分。従って,気象条件はほぼ同じだが,風は少し和らいでいた。岬の先端の先にトド島が霞んで見える。レブンシオガマやオオハナウドの群落が散在しているのが嬉しい。駐車場近くに最北限のトイレがあったので記念に立ち寄らせて貰った。 |
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9:15 |
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9:16 |
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9:21 |
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9:30 |
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高山植物園を最後に島内観光を終え,12時25分香深港発のフェリーで稚内港まで約2時間の船旅。今回3回目の船旅だが一番の長時間。海上には濃霧が発生して眺望は期待できない。その上風が強く波が高い。その為,利尻島へ向かう時の船尾甲板ベンチ席は利用でず,2等船客用のフェリー1階中心部に設けられたオープンスペースの利用を考えたが,床の上に足を伸ばして座ることはできても,寝転べるような雰囲気ではない。腰の悪い私には2時間その姿勢を保つのは拷問に等しい。差額を払って一等船室へグレードアップすれば問題は解決するがそれも勿体ない。 そこで考えついたのがフェリー1階の船首部に設けられたオープンスペースの利用。利尻島へ向かう時に様子見したところでは,そこは船客が少なくほとんどの人が寝そべって足を伸ばしていた。旅慣れた人やバスの乗務員,添乗員などが多いように見受けられた。何故ならその場所は機関室の上に設けられているため騒音や振動がありその上ピッチングが激しい。幸い私も家内も船酔いしないのでそこに決めることにしたが,彼女は下手な抵抗は無駄と思ったのか,渋々私に着いてきた。 そのスペースは予想通り空いていた。私は早速リュックを枕に床へ仰向けになり足を伸ばした。家内は暫くためらっていたが,女性を含めてほとんどの人が私と同じような姿勢か寝転んでいたので私に背を向け寝転んだ。一息ついた頃になってエンジンの振動と騒音が床から直に伝わってくるのが気になりだした。「ガタガタゴトゴト」どこかで経験したような感覚だ。マッサージチェアーだ! 船が港外へ出ると振動と騒音に更にピッチング・ローリングが加わった。このままでは家内が悲鳴を上げて逃げ出しかねない。そこで一計を案じた。彼女は最近ハンモックを欲しがっていたので,「振動と騒音はマッサージチェアー,ピッチング・ローリングはハンモックと思えば良い。」それを伝えると苦笑いしながら満更でもない顔をしている。それにしても型破りなマッサージチェアーとハンモックだ。 そう自分に言い聞かせると振動・騒音・ピッチング・ローリングがあまり苦にならなくなり,むしろ心地よくさえ感じられるようになったから不思議なものだ。人間気の持ちようなのだ。それからしばらくして,旅の疲れが出たのかいつの間にか眠りについていた。ふと目覚めて時計を見ると1時間が経過していた。隣からはスヤスヤと家内の気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。熟睡しているようなので声をかけなかったが,彼女は疲れるとイビキをかくこともあるので,今度はそれが心配になってきた。 再びいつの間にかうたた寝。気がつくと船は宗谷岬を回り稚内港へ入港する寸前だった。慌てていまだに居眠りをしている家内に声をかけ下船の準備をしたが,超大型マッサージチェアーとハンモックのお陰で,二人共すっかりリフレッシュできたようだ。14時20分頃,ほぼ予定通り稚内港に到着。フェリーターミナル待合室の壁面に利尻富士の雄大な写真があったので,交代でその前に立ち記念写真を撮り稚内港とお別れした。 |
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香深港フェリーターミナル待合室のゆるキャラ |
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稚内港フェリーターミナル待合室の壁面 |
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稚内港からバスでツアー三日目・最終目的地のサロベツ原生花園へ。広大なサロベツ原野の中を一直線に貫く国道40号線を走るバスからの眺めは雄大だ。しかしながら,晴れていれば見えるはずの利尻富士の姿は霧のため残念ながら何処にも見当たらない。 サロベツ原野は利尻島・礼文島と共に「利尻礼文サロベツ国立公園」を構成する北海道最北端の湿原。稚内 市の南約40kmに位置する泥炭湿原で, その中心部の高層湿原など2,560ヘクタ ールがラムサール条約湿地に登録されている。かつては東西8km,南北27km,面積11万4,600ヘクタールの広大な湿原だっ たが,1960年代以降の大規模開発で急速に減少したという。 因みに,私が活動拠点としている県立観音崎公園の面積は70.4ヘクタール,東京ドーム4.7ヘクタールの約15個分の面積を誇る神奈川県下最大級の都市公園だが,サロベツ原野はその約36倍,東京ドームの545個分に相当することになるから,その広大さはただただ驚くばかりだ。 私達は時間的な制約もあって所要時間20〜30分ほどの内周約800mの木道を一周したが,見られた植物は5種類ほどで期待外れ,それでもカキツバタの瑞々しい美しさとコバイケイソウの群落が数多く散在するのが印象に残った。できることなら,所要時間30〜40分ほどの外周約1kmの木道をノンビリ一周できたら,より多くの植物に出会えたかも知れない。 |
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国道40号線 |
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サロベツ湿原センター 15:30 |
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かって湿原から泥炭を採掘するために使用された浚渫船 |
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内周コースから眺めた外周コース |
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カキツバタ群落 |
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コバイケイソウ群落 |
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ツアー四日目・最終日の最初の目的地は日本最北端の地・宗谷岬。稚内温泉内のホテルを8時40分に出発。20分ほど走ったところで牧場が現れた。「宗谷黒牛」「宗谷岬和牛」のブランドで売出し中の黒牛を飼育している宗谷岬牧場だという。牧場の面積は1,800ヘクタール,さすがに北海道の牧場はスケールが大きい。見渡す限り牧場の中を貫く道路をひた走り宗谷岬に近づいた頃,オランダ風の建物が現れた。 バスガイドさんの話では,その建物はレストランで宗谷黒牛のステーキを目玉として提供しているらしい。建物の周辺では黒牛たちがノンビリと草を食む姿が見られる。その姿を眺めながら新鮮なステーキを頂く。何とも複雑な光景だ。私は魚の活き造り・姿造りは大好物だが,黒牛の生き造りには食欲がわかない。日本へ訪れた欧米人の多くが,魚の活き造り・姿造りを気味悪がる心理に共通するものがあるように思われる。 |
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宗谷黒牛の広大な牧場 |
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宗谷黒牛のステーキを提供するレストラン |
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9時20分頃,宗谷岬に到着。早速,日本最北端の碑の前で記念撮影したいと思ったが,観光客で混み合っていたので,駐車場脇にある土産物店らしき青い建物をクローズアップで撮影。続いて,江戸時代後期に樺太(サハリン)が島であることを確認し,間宮海峡を発見した探検家・間宮林蔵の銅像の前に立ち,家内にカメラを渡し,畏れ多くも私が同じポーズをして,写真に撮って貰おうとしたところで事件が発生した。 彼女曰く,モニターを見てもファインダーを覗いても黒い画面に文字や記号が表示されるだけで,画像が現れないと言う。彼女がシャッターボタンと共に他のボタンにも触れてしまったようだ。私は思いつくままにあれこれボタンを押してみたが,ますます深みにはまりついにはブラックアウト。その後も電源のオン・オフを繰り返したり,電池を入れ直したりしてみたが全く反応なし。カメラの取説を持参すれば良かったのだが,それも怠っていたため結局ギブアップしてしまった。 日本最北端の地での記念撮影ができないことは返す返すも残念なことだったが,考えようによってはそれがツアー最終日だったことは不幸中の幸いともいえる。この日も曇りで海霧が発生。宗谷岬では樺太どころか国後島さえ見えず。次に行ったノシャップ岬でも晴れていれば間近に見られる筈の利尻島と礼文島の姿もなかった。 写真が撮れないならば,岬の風景を目に焼き付けておこうと駐車場周辺を見回してみたところ「日本最北端」の文字があちこち目についた。「食堂最北端」「最北端のラーメン店」,最北端の土産物店では「日本最北端到達証明書」,近くのガソリンスタンドでは「日本最北端給油証明書」を発行。近くには「日本最北端の郵便局」もあると聞く。私は最後に「日本最北端のトイレ」に立ち寄って宗谷岬を後にした。 |
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Yahoo!地図に加筆転載 |