ボタンボウフウ
(牡丹防風)


セリ科  多年草
草丈:60〜100cm

 
 観音埼灯台下の海岸園地の磯で,ボタンボウフウという風変わりな名前の海岸植物が花盛りだ。アシタバやカリフラワーに似た白い地味な花で,花瓶に挿す気にもならないのか,手折る人もいないとみえノビノビと咲いている。

 これまでボタンボウフウは牡丹暴風と書くものと私は思いこんでいたが,調べてみると牡丹防風が正しいようだ。それにしても防風林の防風にしては草丈も最大で1m前後,これでは防風林の役をなさないのではとも思ったが,葉が牡丹に似ていて風邪薬に利用されるところから牡丹防風と名づけられたと言う。私の思いこみはあまりにもトンチンカンなので我ながら救い難い。
2005.8.14
 
 
 
 
 
 観音崎園地先の岩場でボタンボウフウを見つけた。比較的良く行く場所なので,これ迄気づかなかったことが不思議なほど美しい姿をしている。土などほとんど見当たらない場所で生き生きと白い花を咲かせ,葉もみずみずしく茹でれば食べられそうな感じすらする。辺りには潮風に強いイソギクやハマナデシコなども生えているがいずれも苛酷な条件のためか,貧弱で小さなものばかり。大きな植物は全く見当たら無い。
 2020.7.7
   
 
新  芽
    
 ボタンボウフウの若葉や根は食用にもなるので食用防風とも呼ばれるそうだが,同じセリ科のアシタバほど一般的に知られていないのが幸い,摘み採られることなく繁殖しているようだ。アシタバはその薬効等があまりにも知られすぎ,新芽が出るたびに摘み採られ,観音崎一帯からほとんど姿を消してしまった。ボタンボウフウがアシタバの二の舞とならないことを願いたい。

 観音崎は自然が豊かなこともあって,山菜採りの感覚でアシタバ・タラノメ・アケビ採り等を楽しんでいる人を時々見かける。観音崎の動植物は都市近郊に住む人々の共有財産で,採集が禁止されていることを声を大にして呼びかけたい。
 

2004.4.19

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