観音崎今昔写真館

はじめに
二体の観音像
噴水広場は夢の跡
権現洞に落石防護網
アジサイの見所減少
ヤマユリの里



はじめに
  
 本サイト「観音崎の自然&あれこれ」を2002年(H14)に開設してから早21年が経過。その間,観音崎公園および周辺地域の「自然&あれこれ」は大きく変化した。良くなったこともあるが,どちらかと言えば悪くなったことの方が多い。また,変化して欲しいことが一向に変化しないこともある。

 その原因としては,県の慢性的な財政難による予算不足。2006年度(H18)から導入された指定管理者制度の弊害。2019年(R1)に襲来した台風15号・19号による大量の倒木・崖地崩落処理。そして新型コロナによる2020年(R2)から続いた3年間の空白等々が考えられる。これらが重なって2012年度に策定された壮大な「県立観音崎公園再生計画(案)」は,一部が実現されたものの大半が絵に描いた餅のように夢幻のごとく消えてしまったように思われる。
 
 私は数年前から,本サイトを継続することに疑問を持つようになった。サイトに掲載する新しい材料を探して,公園内や周辺地域を散策していると,過去に掲載した記事や写真と現状がマッチしない光景を目にすることが多くなった。園路沿いの崖地に安全対策のため張り巡らされた落石防護網やコンクリートの擁壁。倒木防止のため切り倒された大木の切り株。落枝防止のため腕のように伸ばした枝を切り取られた中高木の無残な姿等々。

 最近は公園内で人身事故が発生すると,公園管理者の管理責任を問われるケースが多くなった。以前だったら自己責任で済んだような案件でも,近年は裁判沙汰になり管理責任を理由に巨額の損害賠償を支払わされる羽目になる。このため公園管理者が「安全第一」に腐心するのも否定できない。しかしながら,安全第一も理解できるが,それが過ぎて「羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)」と思われるケースも少なからず見受けられるのが現状。
 
 
 また,安全対策の他に美観や景観維持のため,園路沿いに生える在来の貴重な山野草や低木類・つる植物等が必要以上に刈り払われ徐々に姿を消している。その結果として,それらの植物を食草とする昆虫や野鳥の姿をあまり見かけなくなった。近年,急速に観音崎の生物多様性が失われつつあるように感じられる。

 安全第一・美観や景観維持も大切だが観音崎の魅力の一つに豊かな自然がある。いたずらに「昔」を美化して「今」を否定するつもりは更々ないが,誇りを持って本サイトを継続できることを願い,観音崎及び周辺地域が抱える様々な問題を本月以降,「今」と「昔」を写真で対比してご紹介したいと思う。

 尚,本稿で言う「昔」とは,それほど遠い昔のことではない。せいぜい10~20年くらい前のこと,時には数年前のことを「昔」として「今」の写真と対比,ご紹介させて頂くこともありますのでこの点ご理解下さい。
2023年4月
  
   

観音崎公園TOP   HOME