午年にちなんで
「馬あれこれ」
今年,2014年(平成26年)の干支は午(馬)。観音崎とその周辺地域及び我が家にある「馬」にちなんだあれこれを物色してみた。いざ探してみると,思いの外いろいろなものが見つかり,昨年末にスタートしたこのページ作りも大幅に年を越し,ついに成人の日を迎えてしまった。今年一年が良い年でありますように! | |||||||||
2014.1.13 | |||||||||
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馬頭観音堂の境内には,お堂の観音様の原型とも思われる小さな観音像を中心に「馬頭観世音」と刻まれた石塔が12基奉納されていた。時代は江戸から昭和まであり,いずれも馬力屋さん等の馬に関連した職業の人が奉納したようだ。現在でも競馬の騎手やフアンが訪れることもあるという。昨年,横浜の有名な馬主が必勝祈願に訪れ,持ち馬がビッグレースで見事優勝したと聞いた。 | |
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西叶神社の説明板 |
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鴨居・八幡神社の破魔矢 |
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神社や寺院の絵馬掛けに奉納されている絵馬の絵柄は,今年は干支が「午(馬)」のこともあって馬が多く見られるが,いつもの年は,その年の干支やその寺社に因んだ文字や絵が描かれている。それなのに何故「絵馬」というのだろう? 奈良時代,寺社に祈願する人は神の乗り物としての生きた馬を奉納していたが,馬は高価で奉納された寺社の側でも世話が大変なため,次第に木や紙,土で作った馬の像で代用するようになり,平安時代には板に書いた馬の絵,更に室町時代になると馬だけでなく様々な絵が描かれるようになったという。……要旨:フリー百科事典・ウィキペディアから引用 |
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西叶神社の説明板 |
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源頼朝公の肖像画 |
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幼児向け紙の絵馬 |
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ツツジ科の常緑低木。和名の由来は,葉にアセボトキシンという毒素がアリ,馬が食べるとしびれを起こし,酔ったような状態になることからつけられた。アセビは万葉集にも登場する日本古来の植物。 | |
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ウマノスズクサ科のつる性多年草。和名の由来は,葉の形が馬に似ていて,実が馬の首にかける鈴に似ていることからつけられた。観音崎に生えているのはウマノスズクサより葉が大きいので,オオバウマノスズクサと呼ばれている。ウマノスズクサの葉や茎はジャコウアゲハの幼虫の食草となる。 | |
ジャコウアゲハの成虫 |
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ウマゴヤシ(馬肥)はクローバーの俗称で,マメ科の越年草。江戸時代に牧草用として南ヨーロッパから渡来した帰化植物。飼料として馬に与えると良く肥えることからついた名前。 | |
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キンポウゲ科の多年草。和名の由来は根生葉を馬の蹄に見立てたものと言われるが,葉の形は実際には似ていないというのが,衆目の一致するところ。個々の葉ではなくロゼットの形状を指すという見解や,「鳥の足形」が誤って「馬の足形」と伝わってしまったという説がある。……フリー百科事典・ウィキペディアから引用 ウマノアシガタにはキンポウゲ(金鳳花)の別名がある。黄色い花弁に光沢があり,陽が当たると金色に輝いて見える花を見ているとキンポウゲの方が,この花に相応しいような気がする。 |
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2011.5.5 |
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セリ科の多年草。食用になるミツバに似ているが,葉に香りがなく食用にならないので,馬に食べさせる程度という意味で名付けられた。 | |
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マメ科の落葉小低木。高さは50〜90cm程度だが,茎や根が丈夫なので,馬の手綱を繋いだことからこの名前がつけられた。下の写真は観音崎で11年前撮影したものだが,数年前に行われた急傾斜地の崩壊防止工事のため消滅してしまった。現在は別の場所で,高さ10cm程のコマツナギが生えているのを確認しているが,小さすぎるためとても馬を繋ぐことはできそうもない。 | |
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カワハギ科の海水魚。カワハギに似ているが,体型が細長く顔が馬のように長いことが名前の由来。私が10年くらい前まで海釣りを趣味にしていた時,カワハギは滅多に釣れなかったが,ウマヅラハギは比較的簡単に釣れた。地元の人達はウマヅラハギを釣り上げても馬鹿にして,海に投げ返していたので私もそれに習っていた。 それもあって,ウマヅラハギの写真は一枚も手元になく,やむを得ずカワハギの写真を面長にして代用させていただくが,改めてウマヅラハギについて調べたところ,「味はほぼカワハギと同じで,肝が大きく美味」と書いているサイトも多いのには驚かされた。 |
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和名はタツノオトシゴ(竜の落とし子)だが,別名はウミウマ(海馬),ウマノコ(馬の子),ウマノカオ(馬の顔),リュウノコマ(竜の駒),ウマヒキ(馬引き),リュウグウノコマ(竜宮の駒),ウマウオ(馬魚)等々,馬にちなんだ名前が多い。また,中国ではハイマー(海馬),英語ではシーホース(Sea Horce)と呼ばれている。 | |
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形や色が馬糞に似ていることからこの名があるが,味は美味しいらしい。観音崎周辺の磯でもバフンウニを見かけるが,小粒なものがほとんどなので,食べたことは無い。 | |
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和名は馬の蹄(ひづめ)に似ていることに由来する。馬蹄螺の他に馬貝・馬の爪貝・船貝・爪貝・唐人笠等の異称がある。観音崎周辺地域ではシッタカ(尻高)と呼ばれている。 | |
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我が家の本棚はバラエティーに富んでいる。サザエさんや手塚治虫の漫画と並んで,司馬遼太郎の著書が数多く納まっている。20数年前,司馬遼太郎に魅せられて,朝晩の通勤電車の中や寝床に入ってから,睡眠薬代わりに愛読した名残で,下の写真の他にも「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「菜の花の沖」等もあったはずだが,いつの間にやら何処かへ埋もれてしまったようだ。 司馬遼太郎の本名は福田定一(ふくだていいち)。ペンネームの由来は中国前漢時代の歴史家で,「史記」の著者司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)から来ている。司馬氏は中国の氏の一つ,司馬は元々軍事を司る官職のことで,この司馬の職にあった者の子孫が司馬の氏を使うことが多い。……要旨:フリー百科事典・ウィキペディアから引用 これは私の推測だが,中国前漢時代以前の戦いにおいては,馬が重要な役割を果たしていたと思われる。その馬を司る,すなわち管理することが司馬氏の職務だったのだろう。司馬遼太郎は自分がどんなに頑張っても司馬遷に遼(はるか)に及ばないからこのペンネームをつけたと謙遜しているが,司馬遷をより遼(はるか)に優れた歴史書を後世に残したいと願ってつけたのかもしれない。 |
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箱根ガラスの森美術館へ行った時のこと,イベントとして馬頭琴のコンサートが開催された。馬頭琴がモンゴルの民族楽器であることは知っていたが,その演奏を聴くのは初めて。これは後で知ったことだが,馬頭琴は「草原のチェロ」と呼ばれる弦楽器。但し,弦の本数はチェロの4本に対して2本と少ない。 その音色は「草原のチェロ」と呼ばれるだけあって低音の響きが素晴らしく,モンゴルの大草原を吹き渡る風のような趣がある。どこか哀愁を帯びた調べは郷愁を誘い,音楽無知な私もすっかり魅了されてしまい,演奏者・賽音吉雅(SENJIYA)さんのサイン入りCDまで購入してしまった。 |
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2016.5.18 | |
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我が家の菩提寺は京急・品川駅から数えて二つ目「新馬場駅」のすぐ隣にある。新馬場駅は以前,目黒川を挟んで北馬場駅と南馬場駅に別れていたが,1975年統合されて新馬場駅となった。江戸時代,北馬場と南馬場一帯は東海道の品川宿で,幕府の命により,公用の旅人に対して一日当たり馬百匹,人足百人を無償で提供する義務があり,それに従事する馬小屋があったため付けられた地名という。 | |
新馬場駅北口(旧北馬場側) |
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新馬場駅南口(旧南馬場側) |
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駅のホームは目黒川を跨いでいる |
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菩提寺は旧南馬場駅,現在は新馬場駅の南口の隣にある。昨年暮,菩提寺に墓参の折,駅構内の広告看板に,駅から徒歩で3〜4分くらいの本覺寺という寺院に「馬頭観音」が祀られているとあるのを見かけた。 新年の干支は午(馬)。これもなにかのご縁と墓参の帰途立ち寄ってみた。我が家の菩提寺は日蓮宗だが,本覺寺は天台宗の立派な寺院だった。私は無神論者では無いが,宗教・宗派にほとんどこだわりを持っていないので,境内に入り参拝させていただくことにした。 馬頭観音はおそらく小さなお堂に祀られているのだろう?一人で勝手に境内をウロチョロ探してみたが,それらしきお堂は見あたらない。その内,お寺さんの飼い犬がワンワン大きな声で吠えだした。あまりに吠え続けるので閉口していると,寺務所からご住職らしき人が現れ,私を咎めもせず犬をなだめだした。 私が恐る恐る来意を告げると,ご住職は鉄筋三階建ての建物を指さし,そこが馬頭観音堂だと言われた。私の想像とは異なり,あまりに立派なので驚いたが,中に入って写真を撮って良いものかお尋ねした所,私を怪しげな者と思って吠え続ける犬をなだめながら,快くご承諾いただいた。 建物内に入ってすぐ目の前,大きなガラスで仕切られているが,体色の赤い観音様を中心に黄金色に輝く仏像が数体並んでいた。ところが馬頭観音らしき像が何処にも見あたらない。建物を出て,未だに吠え続ける犬をなだめているご住職に馬頭観音の場所を再確認した。ご住職は微笑みながら,馬頭はお堂正面の体色の赤い観音様の頭上にあると言われた。 |
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私は再び観音堂に入り,改めて体色の赤い観音像を見ると,確かに頭上に馬頭がついていた。恥ずかしながら,私は馬頭観音には全く無知で,馬の顔をした観音様と思い込んでいたのだから,我ながらなんとも救いがたい。 | |
馬頭観音には,「馬頭観音菩薩」「馬頭観世音菩薩」「馬頭明王」など様々な呼称があり,衆生の無知・煩悩を排除し,諸悪を毀壊する菩薩。他の観音が女性的で穏やかな表情で表されるのに対し,馬頭観音のみは,不動明王に似て,目尻をつり上げ,怒髪天をつき,牙を剥きだした忿怒相をしている。このため「馬頭明王」とも称し,菩薩部ではなく明王部に分類されることもある。像容は前述のような忿怒相で体色は赤,頭上に馬頭をいただいているのが特徴。……要旨:フリー百科事典・ウィキペディアから引用 | |