ア セ ビ
(馬酔木)
別名:アシビ・アセボ・アセミ
ツツジ科 常緑低木
樹高:1.5〜4m
観音崎公園”ふれあいの池”から”いこいの水辺”に通じる水路のほとりでアセビの花が咲いていた。アセビは漢字で馬酔木と書き,葉や茎にアセボトキシンという有毒成分を含み,牛馬が食べると中枢神経が麻痺,酔ったような状態になったのがその名の由来という。 | |
2005.3.18 | |
二年前,私はこの木につけられた名札にアセビとあるのに気づき戸惑った。それまで「馬酔木」はアシビと読むと思いこんでいたので,植物図鑑で正式名を調べてみると矢張りアセビとあった。 私が若い頃,銀座か新宿か忘れたが「馬酔木」という喫茶店があり,その店の名をアシビと読んだ記憶がある。”アセビとアシビ”どこがどう違うのだろうか? |
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「アセビ」と「アシビ」を講談社の日本語大辞典で調べてみると アセビ:ツツジ科の常緑低木。山地にはえる。葉は小形で密に互生し,革質。早春,白いつぼ状の小花が咲く。葉に毒素(アセボトキシン)がある。牛馬が食べるとしびれを起こすという。葉を煎じて殺虫剤とする。中部東北地方南部以南に分布。アシビ。アセミ。アセボ。バスイボク。 アシビ:@→アセビ A短歌雑誌。伊藤左千夫を中心に創刊。正岡子規の写生道を守り「アララギ」の基礎を築いた。 B俳句雑誌。水原秋桜子が主宰,昭和新興俳句の拠点となった。 どうやら植物学的には「アセビ」,文学的には「アシビ」,そして化学的には「アセボ」と理解すれば良さそうだが,「馬酔木」という漢字を何故「アセビ」「アシビ」「アセボ」と読むのか,辞典やインターネット等でいろいろ調べてみたが,残念ながら不明である。どなたかご存知でしたら,ぜひ掲示板に書き込みいただければ幸いです。 尚,余談になるが,アセビは万葉集にも登場する日本古来の植物で,万葉集の頃はアシビと読んでいたらしい。歌人や俳人の雑誌がアシビとしたのも,その辺から来ているようだが,私個人の好みとしても,「汗」を連想するアセビやアセボよりも,語感の美しいアシビに軍配をあげたい。喫茶店・洋風居酒屋・レストラン等の店の名を,ほとんどがアシビと読ませるのも,案外そんなところから来ているのかもしれない。 |
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アセビないしアシビの名の由来について,札幌のかわちさんから掲示板に「人間が口にすると足がしびれたようになるので”足しびれ”が転化したもののようですよ。」との書き込みをいただいた。 馬が食べると酔ったような状態になることから「馬酔木」と漢字で書き,人間が食べると足がしびれたようなようになるので「足しびれ」と呼ばれ,それが転化してアセビないしはアシビとなり,「馬酔木=アセビorアシビ」と結びついたようである。 |
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観音崎公園ふれあいの森の外れ,走水神社近くの民家に隣接する公園入口付近で,アセビの群落をみつけた。群落と言っても植栽されたもので,大きなものでも高さは50〜70cm位で,全体に苗木のような大きさである。 数は約100本あり,その内約80%が”ふれあいの池”のほとりと同じ赤紫色だが,残り20%は白い花が咲いていた。赤紫のアセビはその語源もあってか若干毒々しい感じもするが,白いアセビはまるでスズランのような清潔感があり,葉や茎に毒素があるとは信じられない雰囲気がある。 |
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2005.3.25 | |
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走水神社に隣接するふれあいの森の入り口付近で,アセビの葉が美しく輝いていた。淡く橙色に染まったアセビの葉は,まるで紅葉しているように見えるが,どこか瑞々しく,紅葉とは一味違った感じがする。 | |
2007.4.24 | |