未年にちなんで
「羊あれこれ」
| 2015年,平成27年の干支は未(羊)。そこで観音崎と周辺地域及び我が家にある羊にちなんだあれこれを思い浮かべてみたが,「辰年」 「午年」の時のようには,これといったものが浮かんでこない。羊を飼っている所は無し,羊にちなんだ事物のある神社仏閣も無し。一度は諦めかけたが年末になって思い直し,思いつくままに並べあげてみた。ご笑覧頂ければ幸いです。 |
| 絵 馬 |
| 土 鈴 |
| 羊 雲 |
| 植 物 |
| お年玉切手シート |
| 青函連絡船「羊蹄丸」 |
| 羊 羹 |
| 大 看 板 |
| 「未」と「羊」のつく漢字 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() 川崎大師参道のお店で2003年に購入した土鈴 |
|
|
| 秋,観音崎公園・花の広場の芝生の上で仰向けになり,広大な青空にぽっかり浮かぶ羊雲を眺めていると,大草原に遊ぶ羊の群れを眺めているような雄大な気分になる。 | |
![]() 2003.9.23 |
|
![]() 2003.9.23 |
|
|
|
|
|
| シダ植物の「シダ」は漢字では「羊歯」,または「歯朶」と表記され,これらは中国からの伝来とされるが,その由来については,羊の歯に似ているからとする説や,(歯ではなく)羊の角のように巻いている様子からとする説,または歯形のような葉で枝垂れているから,などと諸説あるものの,どれも正確にはわかっていない。……フリー百科事典・ウィキペディアから 観音崎公園は都市近郊にありながらシダの種類が多く,2002年に神奈川県土木事務所が実施した調査では71種類のシダが確認されている。その中で,数も多く最も大きいのがアスカイノデ(明日香猪の手)。春3月中旬〜4月中旬頃の芽吹き時には,まるで熱帯のジャングルにでもいるような気分にさせてくれる。アスカイノデの写真を改めて眺めてみると,どことなく羊のように見えてくるから不思議だ。 |
|
![]() 2002.3.24 |
|
![]() 2014.4.9 |
|
|
|
| キキョウ科のつる性多年草。晩夏から秋にかけて花をつけ下向きに咲く。茎や根を切ると乳液が出るため漢名は「羊乳」。朝鮮では代表的な山菜として,根はキムチや揚げ物にし,若芽も食べる。また,高麗人参と同じような効能があるといわれ,天然のツルニンジンは漢方薬として高価で取引されている。 それを知ってか不心得者が,観音崎に自生していたツルニンジンを盗掘,今や消滅寸前の状態にある。2008年,幸いにして盗掘を免れていたツルニンジンが見事な花を咲かせ,大量の種子をつけた。私はそれを採取,種を蒔き,鉢植えにして育てているが,2014年9月初めて花が咲き,種子を採取することに成功した。これを更に増やして,観音崎の適所に戻す日を夢見ている。 |
|
![]() 2008.10.9 |
|
![]() 種蒔2年後の白い根 2010.12.19 |
|
![]() 我が家のベランダで咲いた花 2014.10.3 |
|
|
|
| アケビの漢名は「羊開口」。何故羊開口なのかは,あれこれ調べてみたが定かでない。実の割れた形が口を開けた羊に形が似ているからなのだろうか?観音崎にはアケビ,ミツバアケビ,ゴヨウアケビ,ムベ4種類のアケビの仲間が自生しているが,盗掘や管理員の無知・無理解等が原因で,何れも減少の一途を辿り,今や消滅寸前の状態にある。 | |
![]() 2003.10.8 |
|
![]() 2011.4.4 |
|
|
|
| ギシギシの名前の由来として,葉の形が羊の蹄(ひづめ)=爪に似ているからという説があるが,漢名の文字通りで正直のところしっくりこない。ギシギシは万葉集に漢名の「羊蹄」を古名の「し」と読ませて詠われている。漢字二文字を平仮名一文字で読ませるところが面白い。 珍妙な名前の由来として,花穂をしごいて取ろうとすると「ギシギシ」と音がする,果実を振ると「ギシギシ」と音がする,茎をすりあわせると「ギシギシ」と言う音を発するから等々諸説ある。私はまだ試したことはないが,果実がぎっしりとついたその様は,確かに振れば「ギシギシ」と音がするような気がする。 |
|
![]() 2004.5.29 |
|
![]() 2009.6.12 |
|
|
| ひつじ 1967年 (昭和42年) |
|
![]() |
|
| ひつじ鈴 1979年 (昭和54年) |
|
![]() |
|
| のごみ人形羊鈴 1991年 (平成3年) |
|
![]() |
|
| 陶人形/宝珠の羊 2003年 (平成15年) |
|
![]() |
|
| ひつじ人形 2015年 (平成27年) |
|
![]() |
|
|
| 平成24年3月25日(2012),私は浦賀水道を南下する青函連絡船「羊蹄丸」を目撃した。青函連絡船は青函トンネルの開通に伴い,昭和63年(1988)終航後,廃止された筈? | |
![]() |
|
|
| 「羊羹」と書いて「ようかん」と読む。当たり前のことだが,「羊」は兎も角,「羹」とは一体何だろうか?私は恥ずかしながら,これまで羊羹を口にしたことはあっても,「羹」の意味は知らず,考えたことすらなかった。 改めて調べてみたところ,「羹」は音読みでは「カン」「コウ」,訓読みでは「あつもの」とあった。例えにある「あつものにこりてなますをふく」を漢字で書くと「羮に懲りて膾を吹く」。ある失敗に懲りて,必要以上に用心をすることの例えだが,その「あつもの」が「羹」だという。私はこれまで「熱物」と書くと思い込んでいたが間違っていたようだ。 しかしながら,「羮」は野菜・山菜や羊肉を入れて作られた中国の熱い吸い物で,意味は「羹」=「熱物」となるようだ。「羮」が冷めて羊肉のゼラチンが固まり,煮凝り状態になった物が羊羹の原型で,それが鎌倉時代〜室町時代に禅僧によって伝えられ,時代を経て現在の羊羹になったという。従って,羊羹は未年に相応しい食べ物ということになる。 |
|
![]() |
|
|
|
| 西叶神社へ参拝した帰途,西浦賀の裏道を歩いていると新年挨拶の大きな看板?が目に入った。普通,店舗や施設の新年挨拶にはA4かA3サイズの用紙が使用されているが,西源材木店の店頭に飾られたそれは畳十畳くらいはあると思われるものだった。商品の材木を並べて立てかけ,カラースプレーで絵と文字を書いたと思われるが,なかなか見事な出来映えだった。 | |
![]() |
|
|
|
| 未年の「未」は,まだ枝が伸びきらずにいる木の部分を描いたもの。『漢書 律暦志』では,「昧曖(まいあい)」の「昧」と解している。これには,果実が熟しきっていない未熟な状態を表すという説と,「暗い」の意味で,植物が茂り,暗く覆っている状態を表しているという二通りの解釈がある。 …中略… これを「ヒツジ」としたのは,無学の庶民に十二支を浸透させるため,動物の名前を当てたものであるが,順番や選ばれた理由は定かではない。…「語源由来辞典から引用」 「未」には未開・未完・未決・未婚・未熟・未定・未納・未満・未来・未発達・未承認等の言葉がある。一方,「羊」がつく漢字も多く義・祥・翔・羨・鮮・善・美等々,比較的良い意味を持つ字が多い。「未」がつく言葉と「羊」がつく字を見比べてみると,そこには何も関係が無いように思われる。「語源由来辞典」にあるように「無学の庶民に十二支を浸透させるため,動物の名前を当てたものである」というのは事実のようだ。 「群」の字に羊が使われているように,羊は穏やかな動物で,同じ行動を取り群れをなして暮らすことから,家族の安泰を示し,いつまでも平和に暮らすことを意味しているといわれている。 |