ウラギンシジミ
(裏銀小灰蝶)
チョウ目 シジミチョウ科
前ばね長さ:20〜22mm
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観音崎公園・花の広場の片隅で,これまでお目にかかったことのない美しいチョウに出会った。羽を広げて休んでいるように見えたが,その羽は黒地のビロードに茜色の紋様,シックな中に妖艶な雰囲気が漂ってくる。 家に帰り昆虫図鑑であれこれ調べ,それがウラギンシジミのオスであることを知ったが,私は羽表の色と紋様に惑わされ,不覚にもその名の由来である羽裏の写真を撮り忘れていたことに気づいた。 |
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2002.9.20 | |
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それ以来,羽裏の写真を撮りたいものと気にかけていたところ。1年後,昨年とほぼ同じ場所で,2mほどの高さの葉に留まっているウラギンシジミに出会うことができた。 銀白色に輝く羽裏を見てそれがウラギンシジミであると直感,数枚の写真を撮ったが,私の目線より30〜40cm高い位置に留まっていたため,今度は羽表の写真を撮り損なってしまった。 パソコンに取りこんだ画像を昨年のものと比較すると,少し開いた羽表の色が少し異なり,今年のウラギンシジミは黒地が白みがかって紋様も白いことに気づいた。その違いについて調べたところ,今年のものはメスであることが判明した。 |
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2003.9.26 | |
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久しぶりにウラギンシジミのオスに出会った。昨年も一昨年も初秋に出会った記憶があるので調べたところ,一昨年が9月20日,昨年が9月26日であった。 チョウは春から夏にかけて数多く見られるのが普通であるが,ウラギンシジミは見かけたことがない。何故か気になり,以前読んだ横須賀市自然・人文博物館編「三浦半島 自然と人文の世界」にウラギンシジミのことが載っていたことを思いだし読み直してみた。 それによれば「ウラギンシジミの故郷は東南アジアのモンスーン樹林帯である。小粒だが頑丈なボディーで,はるばると北上を続けてついに日本に到着した。」とある。どうやらナガサキアゲハ・ムラサキツバメの先輩格のようである。 ウラギンシジミは成虫のまま越冬するが,厳しい寒さに耐えられず命絶える仲間も多いようで,幸い生き延びた少数のチョウが春先に産卵,更にその二代目が夏に産卵,初秋の頃になってようやく数多く見られるようになるという。私が出会ったウラギンシジミは三代目で,このチョウが種の命を守ると言う大役を担うようだ。 |
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2004.9..23 | |
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ウラギンシジミのメスに出会った。羽化して間もないのか身体全体が若々しい。頭をこちらに向け道路上で羽を休めていたので,取りあえず数枚写真を撮り,反対側に回り込もうとした途端に逃げられてしまった。 | |
2009.10.22 | |
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最近,ウラギンシジミに出会うことが多くなった。銀白色の羽を輝かせながら,忙しなく飛び回る姿は,直ぐにそれと判る。観音崎や周辺地域を散歩すると,1日に3〜5頭出会うことも珍しくない。私の目が慣れたこともあるが,温暖化の影響で絶対数も増えていると思われる。 飛び回るウラギンシジミを目で追いかけていると,やがて疲れて木の葉の上や路上に舞い降り羽を休める。直ぐに羽を広げることもあるが,閉じていることが多い。寒い日には身体を温めるためか,羽を広げて日向ぼっこしている姿も良く見かけるようになった。秋から初冬にかけての風物詩のような存在になりつつある。 |
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2009.10.28 | |