クルーズ客船
クイーン・エリザベス
(Queen Elizabeth)

総トン数 90,900トン
全  長 294.00m
全  幅 32.30m
乗客定員 2,068名
就  航 2010年10月
船  籍 バミューダ
運航会社 キュナード・ライン
特  徴 横浜初入港。
3代目クイーン・エリザベス
横浜市港湾局HPから転載
 待望の3代目「クイーン・エリザベス」が2014年3月16日深夜,横浜に初入港した。クイーン・エリザベスの海面からの高さは56.6mあるが,横浜ベイブリッジの満潮時における海面からの高さは55mのため,通常はくぐることができない。そこで苦肉の策として,満潮時より2m潮位が下がる大潮の最大干潮時を狙って深夜の入港となった。在港は17日のみで,同日深夜の干潮時には出港するという。本来ならば,本船が浦賀水道通過時に写真を撮りたいところだが,入出港時とも深夜のため断念,横浜まで遠征することにした。

 本船は普段飛鳥Uなどが使用している横浜港大さん橋国際客船ターミナルの新港側岸壁(C・Dバース)に接岸するので,横浜市営地下鉄の関内駅から撮影スポットの赤レンガ倉庫へ徒歩で直行。午前11時過ぎ到着。ところが,逆光気味のため思うような写真が撮れない。午後になれば順光になるので,早々にシーバスで山下公園へ行き,中華街で昼食を済ませてから,山下公園〜象の鼻防波堤〜大さん橋〜象の鼻パーク〜赤レンガ倉庫へ戻ってくることにした。
2014.3.17
 
シーバスに乗って
 
山下公園〜横濱中華街〜山下公園
 
 微風快晴,初夏のような陽気とクイーン・エリザベスに誘われてか,ウィークデーにもかかわらず,山下公園や横濱中華街は人人人の波。人気料理店は長蛇の列なので敬遠,横丁にある小さな料理店で格安のランチ定食を食べて腹ごしらえ。再び山下公園へ戻り,象の鼻を経由して大さん橋へ向かった。途中,人を恐れずエサを求める冬鳥のユリカモメが観光客に大人気だった。
   
象の鼻堤防
 
 13時45分頃,象の鼻堤防に到着。間近に見る女王様の船尾は大きく立派だ。船全体が角張っていて,塗装色が黒を基調としているためか,女性的な優美さより,男性的な逞しさを感じた。できることなら,船首がこちらを向いていたら良かったのだが。
 
くじらの背中
 
 14時頃,大さん橋の通称「くじらの背中」へ移動。広場には溢れんばかりの見物人が訪れ,ガードマンが交通整理。一方通行になっていて,クイーン・エリザベスの接岸している新港側から入り,山下側から帰るよう誘導していた。間近に見る女王様は流石に巨大で,その迫力に圧倒された。船首からは逆光となるため思うような写真が撮れなかったのが惜しまれる。
 
象の鼻パークから
 
赤レンガ倉庫
 
 15時頃,赤レンガ倉庫に帰着。11時到着から既に4時間経過していた。順光で見るクイーン・エリザベスは,逆光で見たそれよりは美しかったが,山下公園側に接岸した場合に比べて,アングルや距離の撮影条件が悪く,女王様の魅力を十分に写し撮ることができなかったのが,返す返すも残念だった。
 
余   談
  
 今回,クイーン・エリザベスは通常では横浜ベイブリッジをくぐれないため。苦肉の策として,満潮時より潮位が下がる大潮の最大干潮時を狙って深夜の入出港となった。近年,橋の下を通過できない大型外国客船が続々登場している。現在,世界には10万トンを超えるクルーズ客船が建造中を含め69隻あるという。2009/10年に寄港したクイーン・メリー2と2013年5月に寄港したボイジャー・オブ・ザ・シーズはやむを得ず大黒ふ頭の貨物用岸壁に接岸させたが船会社や船客には不人気だったという。「ミナトヨコハマ」としては,何らかの対策が急がれる。
  

読売新聞2013.5.8朝刊から転載

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