クロサギ
(黒鷺)



コウノトリ目  サギ科  留鳥
全長:62.5cm

 
 観音崎園地の磯で沖行く船を眺めていると,30m位離れた岩場の上に,一羽の黒っぽい感じの鳥がフワリと舞い降りた。クロサギだった。観音崎とその周辺ではアオサギコサギを時々見かけるが,クロサギは珍しい。一年に1〜2回お目にかかる程度である。

 日の当たる小さな岩場の上を歩き回り,時々立ち止まっては鋭い眼光で水面を凝視している。足下を洗う波を全く気にもかけず,エサのカニか小魚を狙っているようだ。ところが突然,大きな波が襲いかかりクロサギは驚きあわてて飛び去ってしまった。 
2005.12.16
 飛び去ったクロサギの行方を目で追いかけていると,一旦,沖合へ出たクロサギは途中でUターン,今度は200mほど離れた岩場の上へ舞い降りた。その岩場は山陰にあるため日が当たらず,午後3時頃なのに薄暗い。

 写真を撮るには条件が悪いため帰ろうかと思ったが,その岩場は陸続きで,クロサギまで10m位の距離まで接近できる可能性があるため,気を取り直し移動することにした。

 20m位離れた場所から見るクロサギは,先ほどまでとは別の鳥かと思われるほど雰囲気が異なる。首を長く伸ばしたシルエットのような姿はツルのようにも見える。

 私は欲を出し,より鮮明な画像を撮るため10mくらいまで接近することにした。ソロリソロリと抜き足差し足で近づいたまでは良かったが,不覚にも大きなクシャミを一発してしまった。驚いたクロサギは慌てて飛び立ち,今度は遠くへ飛び去り,私の視界から消えてしまった。

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