ハバノリ
(幅海苔・羽葉海苔)

褐藻類
カヤモノリ目 カヤモノリ科
高さ 5〜20cm
 横須賀市出身で現在札幌にお住まいの”かわち”さんから,掲示板に次のような書込を頂いた。

 「この時期に”はば”という海苔があったと思います。友人の話では、あまり出回らなくなって、値段も高くなったとか。昔の味が懐かしいです。なくなったのは”はば”自体が少なくなったのか、それとも採る人が少なくなったんでしょうか?」


 
私は”はば”についての知識はほとんどなかったが,旬の話題でチョットした思い出もあることから,早速取材してみることにした。
2003.3.8
はば”の思い出…その1
      思い出…その2
      思い出…その3
宮政商店
鴨居のハバノリ
松輪のハバノリ
ハバノリ試作
美味しい食べ方…その1
      食べ方…その2
      食べ方…その3
      食べ方…その4
縁起物「ハバノリ」の摘み取り
“はば”の思い出…その1
 
 10数年前の早春のある日。鴨居の磯でウミタナゴを数匹釣り上げ,帰り仕度をしていた時,磯でなにやら海藻のようなものを採っている土地の老婆を見かけた。

 それとなく眺めていると,観光で訪れたらしい初老の紳士が近づき老婆に話しかけた。
 「何を採っているのですか?」 「はば!」 「”はば”は食べるのですか?」 「海苔のように干してから,火で炙ってご飯のフリカケにしたり,味噌汁に入れたりして食べるの!」 「”はば”は漢字でどう書くのですか?」 「知らないわ!」 話はそれで終わった。

 そして紳士は私を地元の釣り師と見たか,私に「”はば”は漢字でどう書くのですか?」と尋ねた。それまで「はば」の存在すら知らなかった私は「私も知りません。」と答えたが,地元の釣り師を自認する私としては面目なかった。

 家へ帰り,「広辞苑」で”はば”を調べてみたが,残念ながらそれらしき記述はなかった。
 

防波堤の外に広がる鴨居の磯
 ”はば”の思い出…その2
 
 3年前の早春のある日,妻と城ヶ島へ八重咲き水仙を見物に出かけ,人影もまばらな浜辺を歩いていると,磯の大きな岩の上に海苔のようなものを干し,傍らに一人ポツンと座っている老婆を見かけ,気になった私は老婆に話しかけた。
 
 「何を干しているのですか?」 「はば!」 「”はば”はどうやって食べるのですか?」「海苔のように火で炙ってご飯のフリカケにしたり,味噌汁に入れたり,ヒジキのように煮付けにしても美味しいよ!」 「”はば”は漢字でどう書くのですか?」 「知らないわ!」 そこまで話してから,ふと10数年前の光景を思い出し,私がすっかり初老の紳士?になっていることに気付いた。

 私は話をさらに続け 「すみませんが,”はば”を少し分けてくれませんか?」 「まだ生乾きなので売り物になりません!」 「家へ帰ってから自分で干しますので,生乾きでも構いませんが?」 「これで良ければ普通は5枚で1000円だけど,2枚おまけするよ!」 「それでは悪いから5枚で結構です!」 「良いから7枚持って行きなさい!」 「ありがとうございます。」

 珍し物好きの私はご機嫌で家へ”はば”を持ち帰り,その日は天日で干したが,翌朝まだ生乾きの”はば”を火で炙りご飯に振り掛けて見た。すると香ばしい磯の匂いがほのかに広がった。
 

干した“はば”
”はば”の思い出…その3
 
 2年前に観音崎自然博物館のボランティアになり,生展示コーナーの海藻の海水交換作業をしていて,”はば”が正式には”ハバノリ”と言うことを知った。「日本語大辞典」で調べてみると下記の記述があった。

 ハバノリ{幅海苔・羽葉海苔}潮間帯の岩礁上で冬に繁茂するカヤモノリ科の海藻。長さ10〜20cmでササの葉状。香味があり食用。本州以南の温海域に分布。 
 

磯で採取した“ハバノリ”
宮政商店
 
 観音埼灯台・観音崎自然博物館そして私の住む町は「鴨居」と言うが,ハバノリは鴨居近辺で売っているのだろうか?そんな疑問から幾つかの商店を覗いてみたが,残念ながらお目にかかることは出来なかった。

 家内にこの話をすると,東浦賀にある酒屋さんで”はば”と言うカンバンを目にしたことがあるという。早速バイクを飛ばしてみると,確かに立派な?カンバンがあり,何故かお餅と並んで5枚1,380円消費税を含めると1,449円で売られていた。

 店番をしていた奥さんに尋ねたところ,このハバノリは三浦半島の剣崎近くの”松輪”という漁村で仕入れたもので,毎年冬から早春にかけて販売しているが,土地のお年寄りには今でも人気があり結構売れると言う。そこで一年で何枚くらい売れるのか尋ねたところ税務署と勘違いされたか教えて貰えなかった。

 尚,”松輪"は”関鯖”より美味しいと食通に知られる”松輪の鯖”の水揚げされる松輪港のある漁村である。

 3年前城ヶ島で7枚1,000円で買ったことを思い出し,割高ではあったが早春の磯の香りを思い出し買って帰ると,妻が呆れ顔で私を見た。
 
 東浦賀で購入したハバノリをけんちん汁とフリカケにして食べてみると,味そのものは特別なものではないが,けんちん汁に入れたハバノリはワカメよりシャキシャキした歯触りがあり,フリカケはお茶漬けにすると磯の香りがした。いずれも早春の素朴な海辺の味で高級料理ではないが,それを知る人にとっては懐かしい味と言える。

 もし,このページをご覧になった方でハバノリの美味しい食べ方をご存知の方がありましたら,メールでご連絡いただければ幸いです。 
  
鴨居のハバノリ
    
 松輪で相当量のハバノリが生産されているのに,鴨居で何故生産されていないのか?そんな疑問から観音崎と鴨居の磯を改めて調べてみた。

 観音埼灯台下付近と観音崎自然博物館裏付近の磯を覗いてみると,岩に少量付着していることが確認できたが,とても採集して海苔にすることは考えられない程度の量であった。

 そこで,鴨居港内から防波堤の外に広がる磯を調べてみると,素人の私にもハバノリが生育・繁殖する条件・ヒントのようなものが浮かび上がってきた。

 下の写真の防波堤の手前には砂浜まで磯があるが,砂浜に近い磯にはハバノリがまったく付着していない。そして防波堤の切れ目の潮が流入する場所に近づくに従い付着量は増え,防波堤の外で付着量はピークに達し,さらに波の荒い岩礁の先端部に行くと減少する。

 その量は,根気よく時間をかけて採集すれば10枚や20枚のハバノリを生産することはできると思うが,とても販売するだけの数量を確保することは困難である。
  

防波堤の内側から見た鴨居の磯
 

このような岩に付着量が多い
  

褐色の海藻がハバノリ
松輪のハバノリ
 
 昨年,東浦賀でハバノリを販売している宮政商店の奥さんから,それを剣崎灯台のある三浦市の松輪から仕入れているとの話を聞いていたので,2004年1月7日,物好きにも現地へ出かけることにした。

 しかしながら,ハバノリは表向きの理由で,実のところは食通の間で「関サバ」に勝るとも劣らないと評判の「松輪のサバ」を刺身か〆サバで味わってみたいと言うのが本音である。

 松輪港に着いて車の中から辺りを見回したところ,道路沿いにノリらしきものが干してあり,ハバノリでは?と思い車を降りて確認したところ,残念ながら普通の青ノリであった。

 ハバノリを求めカメラ片手に周辺をフラフラしていると,小さな食料品店の前で私の様子を訝しげに見ている店の奥さんらしき人を見かけ,ハバノリのことを尋ねてみた。

 すると奥さんは「一軒先の家でハバノリを作っている」と言いながら,店をほったらかしにしてその家へ案内,主人に「お客さんだよ!」と声をかけてくれた。

 主人にハバノリを分けて欲しいと告げると,5枚単位で売ってくれるというので5枚を注文,代金を払いながらいろいろと尋ねてみた。

 主人の話によると……
 ハバノリは養殖していないので全て天然物。
 採取する場所は松輪港防波堤の外に広がる磯。
 採取は小遣い稼ぎに漁師の奥さんがする。 
 防波堤内や波が穏やかな場所にはあまり生えないし,生えても味が落ちる
 ハバノリの食べ方は
  ・火であぶり,手で揉んでご飯にふりかけ,醤油を少しかけて食べる。
  ・お茶漬けにする。
  ・小田原や千葉方面ではお雑煮に入れる。
  ・みそ汁やけんちん汁の具にする。  
2004.1.7
  
  
 松輪港の防波堤の外は,予想以上に美しくも荒々しい景色が広がっていた。この日は天気が良く波も比較的穏やかであったが,東京湾内の波とは明らかに違って,岩礁に打ち寄せる波の高低差が大きいようである。

 波が打ち寄せると水没,引くと水面上に現れる,ハバノリはそんな場所を好んで生えるようで,あちこちの岩肌にハバノリを採取したと思われる跡が残されていた。 
  
  
  

茶褐色の海藻がハバノリ
 岩礁地帯から漁港に戻り,港内にある漁業関係者経営のレストランで食事をしたが,期待の「松輪のサバ」は最近あまり水揚げされないとかで,お目にかかることが出来なかった。

 帰途,三浦名物のダイコン畑を横目に見ながら車を走らせていると,道ばたの車庫の前にハバノリを干している家を見かけた。近代的なモダンな家だが,周辺はダイコン畑で,ハバノリは漁業関係者以外は採取できないことを考えると,半農半漁のお宅」と思われる。 
  
ハバノリ試作
    
 今回は残念ながら松輪のサバを味わうことが出来なかったが,ハバノリに関してはそれなりに収穫があった。帰宅してから観音崎や鴨居の磯のハバノリの生長具合が気になり,1月9日鴨居の磯へ出かけてみた。

 鴨居港防波堤外に広がる岩礁には,青ノリが付着して滑りやすく危険である。へっぴり腰で恐る恐る波打ち際を見て回ったが,ハバノリは多少付着しているものの,松輪に比較して量も少なく生長も遅いようである。

 2〜3週間もすればある程度生長すると思われるので,見よう見まねで干し海苔作りに挑戦してみたいと思う。私でも一枚や二枚は作れるのではないかと楽しみである。 
2004.1.9
  
  
 朝方,比較的天気が良かったので,ハバノリ作りを思い立ち鴨居の磯へ出かけた。潮はそれほど引いていなかったが,ハバノリを採取するにはほどほどの条件で,一枚や二枚分は簡単に収穫できるものと思っていた。

 ところが既に誰かが採取したか,暖冬気味のため生育が悪いのか,原因は判らないがハバノリがほとんど見あたらない。1月9日磯を観察した時よりむしろ少ないくらいである。

 それでも諦めきれずに,アオノリ等が付着して滑りやすい岩の上を,へっぴり腰で用心深く歩き回り,30分程でようやく一握りのハバノリを採取することが出来た。

 家へ帰り海水を入れたポールの中で,砂やアオノリ等の異物を取り除き,海苔巻きを作るノリ簀の子の上に広げ天日干しにしたところ,3〜4時間後に雲が広がり完全に乾燥させることはできなかったが,松輪で買い求めたハバノリとほぼ同じ状態になり,一人で悦に入っている。

 それにしても,量の少なさや採取して天日干しにする苦労等を考えると,五枚一袋のハバノリが東浦賀で昨年1,449円だったものが今年1,764円,ろくびいさんの情報によると逗子では2,800円で売られている値段も,それほど高いものに思えなくなるから妙なものである。ハバノリは最早庶民の味ではなく,季節限定の高級食材になってしまったようだ。
2004.2.9
  

乾燥前

乾燥後
美味しい食べ方…その1
 
 掲示板にG3さんから下記コメントを頂いた。
 
コメント :   「はば」の話題のきっかけになった、かわち氏のメッセージ。文中に出てきた友人は私です。宜しくお願いします。「はば」は軽くあぶって適当にほぐしてご飯にのせ、少し醤油をかけて食べるのが好きです。
  
 食べることにかけては探求心旺盛な私は,早速,残っていた”はば”で試食したところ,単に振り掛けて食べた時に比較して,醤油を少しかけただけで格段に美味しく感じた。

 栽培技術や保存・輸送手段の発達により,食材から季節感が失われつつある昨今,地域限定・季節限定の”はば”はある意味で最高の贅沢品かもしれません。 
美味しい食べ方・・・その2
 
 掲示板に「千葉っ子」さんから,ハバノリの美味しい食べ方のご紹介があった。

 我が家の羽場海苔の美味しい食べ方紹介します。羽場海苔、あおのり、焼き海苔を軽くあぶり揉み解して鰹節と混ぜ合わせます。このふりかけをお雑煮に山盛りかけて食べます。

 大根や人参、さといも、ごぼう、油揚げなどを煮込んだ澄まし汁に焼餅を入れたお雑煮にかけると、磯の香りがたまらなくおいしい、千葉の九十九里風の我が家伝統料理?です。

 でも、最近羽場海苔が手に入らず、羽場海苔なしで食べる事も多く、子供達も物足りなさそうです。


 時期的にもタイムリーな話題で,私は早速,ハバノリを販売している東浦賀の宮政商店へバイクを飛ばした。

 店の入り口には昨年と同じように,カサ立に”はば”の看板が貼りつけられていた。今年も松輪のハバノリは健在のようだ。中に入り値段を見ると,5枚で1,750円の値札が貼られ,普通の海苔に比べ少々割高ではあるが,季節限定・地域限定の稀少商品だけに,これも当然か?と思いながら,お雑煮にかけて食べたい誘惑に惹かれ買い求めてきた。

 我が家伝統のお雑煮は,鶏肉と鳴門にミツバを入れただけのシンプルなもので,千葉っ子さんのお雑煮とはだいぶ趣が異なる。そこで1月4日になって,お節料理で残っていたニンジン・サトイモ・ゴボウ・シイタケを具に加え,煮込んだ澄まし汁に焼き餅を入れ,軽くあぶったハバノリをタップリかけてみた。

 すると期待通り,心地よい磯の香りが漂い,澄まし汁がしみ込んだハバノリは,青ノリより少し肉厚で歯触りも良く,九十九里風?の素朴なお雑煮を味わうことができた。
2004.12.29
美味しい食べ方…その3
 
 2009.2.3掲示板に「清水のかもめ」さんから,ハバノリを生で食べますとの書き込みをいただいた。

 はばのりは当地では軽く洗って生のまま二杯酢か三杯酢で食します。酒の肴には最高です。早い時期のものは柔らかくてとくにうまいですよ。残念ながら今年は不作?のようです。

 生のまま?本当に生のまま食べるのだろうか?それとも,生のものを茹でてから食べるのだろうか?ものは試しと,好天に恵まれた翌4日午後4時頃,久しぶりに鴨居の磯へハバノリ取りに出かけた。4日は立春。風もなく青空の広がった鴨居港の浜では,ワカメ干しが最盛期を迎えていた。本格的な春の訪れが近いことを感じさせる。

 家を出る前「潮時表」で確認したところ4日は長潮,干潮は6時頃。潮の条件はあまり芳しくなかったが,潮は思いの引いていた。ハバノリは鴨居港内の磯には生えていない。港外の磯へ行きハバノリを探してみたが,干上がった岩に多少ついているものの,生で食べられるような良質のものは見あたらない。 
2009.2.6
 
 冬から春にかけての岩場は,アオサやアオノリ等の海藻が付着して滑りやすい。一歩一歩,足下を確認しながらよちよち歩きでハバノリを探したが,生で食べられそうなものは見つからない。あきらめかけたその時,5m程先の干上がっていない小さな岩に,ハバノリらしき海藻が波に揺れているのを見つけた。

 海に落ちないよう岩伝いに近づいて見ると,紛れもないハバノリだった。これまで見たこともない良質なものだ。宝物でも見つけたような気分で,一握りほどのハバノリを収穫。意気揚々と帰宅した。上機嫌な私の顔を見て家内は訝しんだが,ハバノリと知り呆れ顔になった。 
  
  
 夕食前,二通りのハバノリ料理?を作ってみた。一つは単に水洗いしただけのもの。もう一つは,熱湯で1分ほど茹でたもの。いずれも鮮度が良いせいか美味しそうだ。取りあえずそのまま少し食べてみたが,シャキシャキした心地良い食感はあるものの,ほとんど味が感じられない。

 そこで,生ショウガを摺り下ろし,青じそドレッシングを振りかけてみた。何も加えず食べるのと比べて味わいがあるが,生のままより,1分ほど茹でたものの方がより美味しいと感じた。いずれにしても,手の込んだ料理と異なり,素朴な早春の酒の肴といった感じで,この日の酒は何時にも増して美味しかった。

 蛇足ながら,ハバノリは漁業関係者以外の採集が禁止されてる場所があります。この点,充分ご注意下さい!
 

生のまま

1分間ほど茹でたもの
美味しい食べ方…その4
 
 2009.2.14島根県出雲市在住のmatodomeさんからメールを頂戴した。

 初めまして、ハバノリを当地ではカシカメと呼んでいます。ここ近辺の物はもう少し幅が狭い様な気がします。食べ方は似た様なものですが、岩ノリとハバノリなど何種類かの海藻と混ぜ板状に干したものがあります。焙って食べますが岩ノリだけより磯の香りが強くご飯に振りかけたり、熱湯をかけ醤油を適量落として食べます。軽く干したハバノリを真水で戻しアブラで炒め砂糖と醤油で味をつけます。驚くほど柔らかくなります。

 
ハバノリの食べ方について,これまで各地からいろいろな情報を頂いたが,油炒めにして食べるのは初耳。早速,試したいと思ったが,その後,2月としては異例とも言える悪天候続き。久しぶりに青空の広がった3月2日,イソイソと鴨居の磯へ出かけ,小一時間ほどかかって,ようやく一握りのハバノリを採集することができた。
 
 
 家内の夕食の支度が終わった後,早速,二通りの料理を作ってみた。
 1.matodomeさんから教えていただいた「砂糖と醤油で味つけ」
 2.醤油,鰹節,昆布,砂糖等々の入っている「つゆの素で味つけ」

 温めたフライパンにサラダ油を敷き,褐色のハバノリを入れると,一瞬にして美しい若緑色に変化。更に炒め続けて,濃緑色から黒ずんできたところで味つけ,出来上がりとした。

 ビールを飲みながら食べ比べた感想は…
 「砂糖と醤油で味つけ」したものは素朴な磯の味。「つゆの素で味つけ」したものは岩のりの佃煮に近い味わいがした。いずれも酒の肴としては結構いける。今度は日本酒で味わってみたいと思っている。
 

 「つゆの素」           「砂糖と醤油」
縁起物「ハバノリ」の摘み取り
  
 私は毎朝5時前後からラジオ体操の始まる前の6時20分頃まで,寝床の中でNHKラジオ第1放送をウトウトしながら聞く習慣がある。今朝もいつものように聞き流していると「ハバノリ」という言葉が耳に入り思わず目が覚めた。ニュースは数分で終わってしまったが,NHK千葉放送局の「千葉県のニュース」として下記内容が紹介されていた。

 私が住む三浦半島の対岸にある房総半島の鴨川市で,正月の縁起物として食べるハバノリの摘み取りが行われたというニュースだった。それを聞きながら,12年前,掲示板に千葉っ子さんからハバノリの美味しい食べ方のご紹介を頂いたことを思い出した。

 千葉県の房総半島で正月の縁起物として雑煮などに入れて食べる「ハバノリ」の摘み取りが,鴨川市で行われました。

 ハバノリは,冬から春先にかけて日の当たる岩肌や波打ち際に生える海藻で,磯の香りが強く独特の苦みが特徴で,鴨川市の天津地区では冬に2回摘み取りを行っています。

 房総半島ではその名前から「1年間ハバが効くように」と願いを込めて,正月に乾燥させたハバノリを雑煮などに入れて食べる習慣があり,新年を告げる味として知られています。

 この冬は海水温が高かったため量は少ないものの,柔らかく良質なのりが多いということです。16日はハバノリが取れる岩場におおよそ80人が出て,10センチから20センチほどに育ったハバノリを手で摘み取っていました。

 60代の女性は「ことしは暖かかったためあまり生えていないということでしたが,寒くなってきたことや海が荒れたため柔らかいノリになりました。ご飯にのせて食べたいです。」と話していました。ハバノリの摘み取りは,来年1月16日にも行われる予定です。
2016.12.17

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