ツ ワ ブ キ
(石蕗)


キク科  多年草
花 期:10〜12月
草 丈:30〜80cm

 
 晩秋,観音崎を歩くと,いたるところでツワブキの鮮やかな黄色い花に出会う。ツワブキはキク科の常緑多年草であるが,春先の若い茎(葉柄)は熱湯でゆで灰汁抜き,しょう油で煮付けると,若干ほろ苦い味がするが酒のツマミにもってこいである。

 我が家では10数年前に友人から分けて貰った1株が,年々増えて親せき知人にも株分したが,それでも現在6株が狭い庭のあちこちで黄色い花を咲かせ,毎年春には旬の味を楽しんでいる。

 ツワブキはバイタリティーのある植物のようで,若い茎を春先に1〜2回収穫しても,枯れることなく新芽を出し,秋には黄色い花を咲かせてくれるので,私はツワブキを漢字で”強蕗”と書くものと思いこんでいた。

 ところが,このページを作るにあたり,確認のため事典やネットで調べてみると,ツワブキは葉が厚く艶があることからツヤフキ(艶蕗)と呼ばれ,それが訛ってツワブキとなったとあり意外であったが,漢字でなぜ”石蕗”と書くのかの説明は見あたらなかった。

 しかしながら,下の写真の三枚目をご覧になるとお解りのように,その生育場所はほとんど崖のような傾斜地で,まるで石の中から生えているように見えるものが多い。そこから”石蕗”と言われるようになったのではと私は思う。

 自然豊かと言われる観音崎からも,アシタバやタラノキのように食用になる植物や美しい草花が,いろいろな理由で徐々に姿を消しているが,ツワブキは例外的な存在で,キャラブキ用に新芽を摘み取られても,枯れることなく再び新芽が芽生え繁殖する。生命力の強い植物だと思う。
2003.11.14
  
  
 
種 子 
 

2004.2.19

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