ト ビ
(鳶)
タカ目 タカ科 留鳥
全長:♂約58.5cm ♀約68.5cm
観音崎園地の浜から東京湾海上交通センターの上空を見上げると,これまで見たこともない異様な光景に驚かされた。曇り空に何百羽と数え切れないほどのトビが空高く群舞している。私はヒッチコック監督の「鳥」という,鳥が人間を襲う遠い昔のホラー映画を思い出した。 観音崎一帯にはトビが多く,数十羽単位で群舞する光景はよく見かけるが,数百羽単位の群舞は初めてである。下の写真はそのときのもので,黒いゴミのように見えるのがトビ,全天を覆うように群舞していたトビの数は,この約3倍はあったと思われる。因みに,下の写真を拡大して数えてみたところ,約100羽のトビが写っていたので,このとき私が見たトビの総数は約300羽もいたことになる。 |
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2004.12.29 | |
2005.1.24 |
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生け簀のイワシを狙うトビ 2004.11.15 |
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2004.12.8 |
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ヒッチコック映画に出てくる鳥はカラスだったと記憶しているが,腰越の浜で,夕日を背に獲物を狙っているトビの姿は,そのときの映画を思い出させる雰囲気があった。 | |
2004.11.3 | |
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走水神社の裏山を歩きながら,何げなく空を見上げると,一羽のトビが何かくわえて飛んでいた。デジカメでズームアップしてみると,大きな枯れ枝を鷲づかみならぬトビづかみ?にしていた。 巣作りを始めたのだろうか? トビが飛び去るのを眺めていると,近くを飛んでいた一羽のトビが,枯れ枝を奪おうとして襲いかかった。襲われたトビは驚き枯れ枝を放してしまった。枝が落ちた辺りは住宅地。誰か怪我でもしなかっただろうか?少々心配になった。 |
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2007.3.14 | |
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花の広場の片隅に生えている木の天辺に,二羽のトビが留まっていた。夕日に照らされた二羽はいかにも仲むつまじげだ。カップルなのだろうか?永岡書店の「野鳥ガイドブック」によると,トビの全長はオスが約58.5cm,メスは約68.5cmとあるので,写真左がオス,右がメスということになる。 | |
2011.1.17 | |
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「トンビに油揚げ」という諺があるが,観音崎のトビも油断がならない。海岸や広場でノンビリ弁当を広げていると,上空にいつのまにやらトビが集まり,あっと言う間に唐揚げなどをさらわれてしまうことになる。 近所に住むお年寄りは,なんと焼イモをさらわれたと話していた。私も三年前,アメフラシの卵塊ウミソウメンをアイスクリームのカップに入れ写真を撮ろうとしていたところ,カップごとさらわれそうになったことがある。 人間の視力は,良いと言われる人でも1.0〜2.0だが,トビの視力は8.0〜10.0位に相当すると聞いたことがある。高い上空から弁当の中身を見分けるくらいは朝飯前で,観音崎に限らず,トビの多い場所で弁当を広げる時は,くれぐれも上空にご注意されたい。 そんな油断ならないトビに,おもしろ半分エサを与えている人を時々見かける。観音崎のトビはいまのところ,弁当のおかずは横取りするが,人を襲ったという話は聞かない。しかしながら油断は禁物で,トビには絶対にエサを与えないようにして頂きたい。 |
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2004.12.17 |
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2004.9.1 |
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2004.9.1 |
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2004.10.17 |
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2004.9.1 |
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私は子どもの頃からトビのことをトンビと呼んでいた。正月に鳥の形をした凧を揚げていたが,それはトンビ凧と言い,トビ凧とは言わなかったし,「トンビに油揚げ」とは言うが,「トビに油揚げ」とは言わないと思う。更に,三橋美智也さんの”夕焼け空が真っ赤か♪ トンビがクルリと輪を描いた♪”という懐メロも思い出深い。 ”トビとトンビ”どこがどう違うのか?永岡書店発行「野鳥ガイドブック」の豆知識欄にこんな記載をみつけた。 ”トンビとトビは同じもの。しかし隠語でトンビは小泥棒のこと。トビは粋な鳶職のことである。そのせいか,トンビという呼び方には間の抜けたような感じがある。” |