ソナレマツムシソウ
(磯馴松虫草)

マツムシソウ科
多年草
花 期:9〜11月
草 丈:15〜20cm



 ソナレマツムシソウのソナレとは磯馴れ(磯になれる)の意味。その名の通り海岸に生育し,高原に咲くマツムシソウと違い,背が低く葉が厚いのが特徴。昔はうす紫色の可憐な花が季節になると県内の海岸で見ることができた。
 
 ところが,波による浸食や護岸工事等で生育適地が減少。成長が遅く,芽が出てから2年たって花が咲く二年草で,しかも海岸のガケ地のような不安定な環境に生育するというマイナス要因も重なり,1995年には神奈川県の絶滅危惧種に指定され,三浦半島では滅多に見られなくなり,観音崎周辺からも姿を消していた。

 
観音崎自然博物館では1993年頃からソナレマツムシソウの保護増殖を開始。最初はわずか20粒程の種からのスタートでしたが,館員とボランテアの努力により,今では約2,000株ほどに増え,観音崎一帯に再び根付かせようと夢みている。
2004.9.28
 昨年,その一部が博物館裏の海岸保護地へ試験的に移植され,一時は美しい花を咲かせていたが,何者かに持ち去られたり,ハチジョウススキに侵食されたりして,残念ながら今年はその姿を見ることができない。観音崎一帯に昔のような状態で復元するのが館員とボランティアの夢,近い将来その夢が実現することを期待したい。

何者かが持ち去ろうとして?掘り起こされた株

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