リュウゼツラン
(竜舌蘭)

キジカクシ科 常緑多年草
花    期 7〜8月
草    丈 1〜2m
原 産 地 メキシコ
センチュリープラント
 
 100年に一度花が咲くと信じられていたことから,英語ではCentury Plantと呼ばれる珍しい花が観音崎で6株も咲いている。100年はオーバーにしても,40〜50年に一度花を咲かせ結実すると,養分を使い果たし枯死する珍しい植物である。

 日本ではその葉の形状が,竜の舌を連想させることから竜舌蘭と呼ばれ,成長した花茎は高さ10m近くに達する。リュウゼツランは以前,ヒガンバナ科に分類されていた。それもあって花のツボミは,心なしかヒガンバナに似ているが,花そのものはお世辞にも美しいとは言い難い。しかしながら,長い花茎の枝先に咲く黄色味を帯びた花房は,秋田名物の竿灯を連想し壮観である。

 メキシコの有名な酒テキーラは,このリュウゼツランの葉の絞り汁から蒸留されるが,枯死する前に葉を収穫してテキーラを造ったら,などと考えるのは酒飲みのサガと言うものであろうか?

 観音崎京急ホテルの周辺に植栽されているリュウゼツランは正式にはアオノリュウゼツランと呼ばれる種で,狭義には,葉に斑入りの種をリュウゼツランと呼ぶようだ。
2003.8.8
  
台風一過
 
 台風一過,青空が広がり暑さが戻ってきた。昨日は台風の影響で,横須賀も強風が吹き荒れたため,リュウゼツランのことが気にかかり,観音崎へ出かけてみた。

 不幸にも不安は的中,竜舌蘭は6株全部が,花茎の根元から折れ,無惨にも斜面に横たわっていた。40〜50年に一度花開き,結実すると枯死する運命にありながら,結実を前に枯死することになろうとは………

 尚,観音崎京急ホテルには,今回開花したものとほぼ同時期に植えられた株が10株くらい残っているので,来年以降も開花がおおいに期待出来る。今年は開花を知るのが遅きに失した感があるので,来年は6月頃から注意して観察するつもりでいる。
2003.8.10
枯死対策
 
 ふれあいの森からの帰り道,なにげなく観音崎京急ホテルのミニ・ゴルフコースを見ると,1株のリュウゼツランが長い花茎を伸ばしていた。長さは既に5〜6m位はあるかと思われる。

 観音崎京急ホテルの周囲には,南国情緒を醸し出すため,沢山のリュウゼツランが植えられ,一昨年は6株が見事な花を咲かせた。ところが,直後に通過した台風のため花茎は根元から折れ,親株も半ば枯死状態となり,いまだに無惨な姿をさらしている。

 近くにいた庭園管理の方にお尋ねしたところ,昨年も今年も数株が花茎を伸ばしかけたが,花を咲かせてしまうと枯死する心配があるため,早めに花茎を切断したとのこと。珍しい花を咲かせてやりたいが,枯れてしまっても困るので,止むを得ずそのような方法をとっているらしい。

 現在,花茎を伸ばしている株も,様子を見て切断するかも知れないとのことで,命乞いをしたいところだが,管理のご苦労話を聞くと何も言えず,この写真をホームページに掲載させていただくことを簡単にお話しして引き下がってきた。
2005.7.5
 
 

2003年花を咲かせ半死?状態のリュウゼツラン
 

2004年花茎を切断したリュウゼツラン
完全に枯死した株
 
 2003年に花を咲かせたリュウゼツランは,残念ながら完全に枯死してしまった。
   

2007.5.28

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