浦賀ドック
レンガ造りドック 横須賀市へ無償寄贈!

  
  
      
  
 黒船来航の地で,近代造船発祥の地でもある浦賀には,通称「浦賀ドック」と呼ばれる住友重機械工業(株)浦賀工場があった。江戸幕府の軍艦奉行,後に明治政府の農商務大臣になった榎本武揚が主唱して,明治30年(1897年)に設立した浦賀船渠(株)が前身で,100余年の伝統を誇る造船所である。

 ところが,その由緒ある浦賀ドックがペリー来航150周年に当たる2003年3月末,歴史的使命を終えて閉鎖された。跡地の利用方法は現在のところ白紙であるが,その歴史的価値を考え世界遺産に申請して跡地全体を保存する案や,ドックを中心とした施設の一部を野外産業博物館とする案,公園とする案等々,さまざまな案が浮上している。

 いずれにしても,工場閉鎖後直ちに施設を取り壊し更地とすることはあっては成らないことで,フランス積(正式名称:フランドル積)のドックを中心に何らかの形で,保存されることを切望する。
2003.3.31
   
   

フランス積のドック壁面
   

フランス積の塀
   

塀拡大図
乾ドック『世界的価値』
  
工場見学・スナップ
   
 2010.3.28,浦賀船渠(株)時代からの貴重な産業遺産であるレンガドックやポンプ室を説明付きで紹介する「産業遺産紹介ツアー」が行われた。
   
   
   
   

   

ドック排水ポンプ
レンガ積体験
     
 ドックはフランス積(正式名:フランドル積)という方法で造られている。見学会当日,工場の片隅にはその体験コーナーが設けられ,子ども達がレンガ積みに挑戦していた。
   
    
 
レンガ造りドック 横須賀市へ無償寄贈!
 
2020.12.12発行 読売新聞朝刊 横須賀版
わがまち空から
 
   

浦賀ドック駅前周辺と一体的利活用へ
市と住友重機械が3月に協定
  
 横須賀市の上地克明市長は、2024年2月22日の横須賀市議会定例会で浦賀ドックを活用した地域活性へ向けて、住友重機械工業(株)と浦賀駅前周辺を含めた土地利活用に関する協定を3月中旬に締結すると発表した。渡辺光一氏(自民党)の一般質問に答えた。両者間の調整に一定のめどがついたことから、2021年に同社から無償譲渡されたドライドック部分とともに、「協定締結後は2者で事業者公募の準備を進め、新たな土地利用に向けてスピード感を持って取り組んでいく」と上地市長は述べた。

 1899年竣工の浦賀ドックは、国内屈指の造船所として2003年の閉鎖まで約1千隻の艦船の製造・修理を行い、地域発展に影響を与えた。

 2021年3月には、国内では浦賀にのみ現存するレンガ造りのドライドックを含む約2万7千平方メートルを同社が市へ無償で寄付。ドック周辺をメイン会場に、同年から始まった観光イベント「MEGURUProject」などを通じて、地域住民を中心に”浦賀再生”への期待が高まっていた。
事業者公募へ準備
「海洋都市横須賀の実現に向けた重要拠点」「市内の歴史や観光周遊の中核的な集客交流拠点」に--。市は官民連携による同地の再整備をめざし、活用案や事業手法などを探る調査を21年に実施。しかし、寄付地だけでは敷地規模が足らず、「駅前エリア一帯での将来像や開発方針が見えない」などの理由で、開発に参画する意向の企業はいなかったという。

 今回の協定では、寄付地以外の7万9千平方メートルに及ぶ同社所有地も一体的に利活用を検討していくことから、先の課題解消に一歩前進。上地市長は「(同社と)長く信頼関係を培い、やっと形が見えてきた。大きく動く」と手ごたえを語った。締結後は2者で協議し、24年度から事業者公募を行う予定としている。
2024.3.1発信 「タウンニュース横須賀版」

住重→横須賀市への寄付地
  

横須賀市議会・事前説明資料流用

2024年(R6年)5月20日発行  ヨコスカ新聞空撮写真流用
 

2024年(R6年)6月20日発行  ヨコスカ新聞空撮写真流用

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