クロコガネ


コウチュウ目 コガネムシ科
体長:17~22mm


 観音崎公園に隣接する「観音崎ニュータウン」にお住まいのyablinskyさんから掲示板に「 昨日、夕方、7時頃、花の広場を通りかかると、コガネムシの仲間が大群で木や草にとまって交尾していました。あんなに集まっているのは初めてみました。」との書き込みをいただいた。

 珍し物好きの私は,早速夕方,花の広場に出かけ辺りを適当にブラブラ探してみたが,一向にそれらしき虫は現れない。帰宅後,掲示板に「コガネムシの大群はどの辺にいたのでしょう?」と書き込みを入れると
「場所は花の広場のニュータウン側の入口近くの木や草です。暗くなり始めたころからたくさん飛んできました。池のまわりにもたくさんいました。今日もいるかどうかは虫次第ですが・・・・」とのご返事をいただいた。その上,6月29日夕方5時半頃,携帯電話で撮影したコガネムシらしき虫の写真を二枚メールで送信して下さった。
2006.6.29
 日が暮れて,辺りが薄暗くなるのを待ちかねて,午後7時少し前,花の広場の入口に到着。辺りを見回していると,ハゼとマテバシイの若木の上をそれらしき虫が飛び交っているのを発見。日が傾くに連れてその数を増し,あちこちでカップルが誕生。ハゼやマテバシイの葉に止まり交尾が始まった。辺りが薄暗くなった為,その数は定かではないが,大群とは言えないまでも相当の数と思われる。子孫を残す為,必死にカップルを求め交尾する姿は,クサフグの集団産卵同様神秘的で感動すら覚える。 

ハゼの葉にクロコガネの群れ

マテバシイの葉とクロコガ
 名前を調べる為,まだカップルが見つからず飛び回っていた虫を三匹捕獲。帰宅後,昆虫図鑑で調べたところ「クロコガネ」であることが判明。ご用済みのクロコガネは暗い夜空へ解き放した。

 日本では今,「少子高齢化」が大きな社会問題になっている。結婚しない若い男女。結婚しても子供をつくらない夫婦。その結果,日本はなんと65才以上の老年人口の割合が世界最高になる一方,15才未満の年少人口が最低になったと新聞報道が伝えている。

 クロコガネの集団交尾,クサフグの集団産卵,これらの写真を日本の若い男女はどう見るだろうか?子孫を残そうとするクロコガネやクサフグの姿は,単なる快楽を求める行為と異なり,神聖で崇高な行為と私には思える。

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