「河童との出会」

童話「ヴァイオリンを弾く河童と絵の好きな少年と」
作者(音楽家) : 小宮 佐地子
 それは,飯塚羚児先生のお話の中の河童との出会いです。「河童は,私のかわいい友達ですよ!私が病院のベットで寝かされていた時に,かわいい河童が毎晩,かぼちゃを叩いて現れ,面白い話をして元気づけてくれたんですよ!」と,元気になられた飯塚先生は楽しそうに話されました。
 そんなに楽しく,元気をくれる河童なら,きっと多くの人々に夢や希望を与えてくれると思い「ヴァイオリンを弾く河童の絵」をお願いしたところ,飯塚先生は,早々に希望通りの絵を描いて下さいました。

 その絵には,山の動物たちが河童の弾くヴァイオリンに,うっとりと耳を傾けている様子が描かれていました。その絵を見ているうちに思い浮かんだ物語を飯塚先生にお話ししたところ,12枚の挿絵を描き添えて下さり,童話「ヴァイオリンを弾く河童と絵の好きな少年と」が誕生しました。飯塚先生86歳の時のことでした。
 当時,飯塚羚児先生のアトリエは防衛大学近くの小原台にありましたので,その山の上から,観音崎周辺を舞台に,挿絵を描いて下さいました。下の絵がその一枚で,観音崎にあるマテバシイの林の中から,河童が浦賀水道方面を眺めているところです。海の彼方に先生が得意とされた帆船が,豆粒のように小さく描かれているのが印象的です。

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