横須賀市制100周年記念シンボル事業
帆船パレードよこすか2007

 微風快晴の好天に恵まれた2007年5月12日 帆船パレードの主役「日本丸」「海王丸」は誕生の地“浦賀”で穏やかな朝を迎えた。午前11時過ぎ,海上自衛隊の特務艇「はしだて」が入港すると,岸壁の人々の動きが慌ただしくなった。「はしだて」は賓客の洋上における接遇や災害発生時の医療・給食・指揮支援などを任務とする特殊艇だ。まもなくして「海王丸」が出港。続いて特務艇「はしだて」,最後に「日本丸」が浦賀港を後にしてスタート地点の浦賀沖へと向かった。
浦賀港出港風景
 

浦賀港

海上自衛隊・特務艇「はしだて」入港

「海王丸」出港

特務艇「はしだて」出港  

「日本丸」出港
帆船パレード
   
 「日本丸」の出港を見送った後,咸臨丸フェスティバル会場の屋台で焼きそばを購入。お薦めビューポイントの観音崎へとバイクを飛ばした。12時10分頃,観音埼灯台下磯に到着。周辺では数十名の先客がカメラを構えている。浦賀沖には帆船が集結しているがまだ動きは見られない。

 “腹が減っては軍は出来ぬ”とばかりに,先ずは焼きそばを取り出し空腹の足しに。12時30分近くになって,パレードが動き出した。特務艇「はしだて」を先頭に「日本丸」「あこがれ」「海王丸」「ドーントレッダー」と続き,その周辺を数十隻のヨットが伴走している。 

観音埼灯台下磯付近

浦賀沖に帆船集結

特務艇「はしだて」
 「日本丸」が目の前に近づき,予期せぬ出来事が起こっていることに気づいた。帆を広げ始めているのだ。「あこがれ」「海王丸」は既に展帆を終了している。普段,大型帆船が浦賀水道を通過する時は,航路上の制約から,帆走せずに機走することになっていると聞いた記憶がある。

 事実,帆船パレード2003の時,参加した「日本丸」「あこがれ」は展帆していなかったので,少々残念な思いをしたものだ。ところがその時,ロシアの帆船「パラダ」はそのルールを知ってか知らずか?展帆して美しい姿を披露してくれた思い出もある。恐らく今回は,海上保安庁が特別な計らいをしてくれたのだろう。理屈抜きで英断に拍手したい。

練習帆船「日本丸」

大阪市のセイルトレーニング帆船「あこがれ」

スペインで建造された極地探検用帆船「ドーントレッダー」

練習帆船「海王丸」
帆船パレード・パノラマ
   

巡視艇「すがなみ」から見た帆船パレード
  
 帆船パレードが観音崎沖を通過後,帰宅して30分ほど休憩。本来ならば,パレードが猿島沖でUターンして,再び観音崎沖を通過するのを見物したいところだが,そうはいかない事情があった。

 海上保安庁が募集した,巡視艇「すがなみ」乗船体験航海に当選。14時30分からの航海に乗船する幸運に恵まれていたため,この日は嬉しいハードスケジュールになっていたのだ。14時過ぎ受付・乗船。受付順が早かったこともあって,上部甲板の見晴らしの良い場所を確保できた。
 定刻の14時30分少し前に浦賀港を出港。丁度,帆船パレードを終えた「日本丸」「海王丸」の帰港時刻と重なるため,洋上ですれ違う可能性がある。期待に胸をふくらませ沖合に出ると,2隻の押し船に守られるように帰港する「日本丸」や「あこがれ」「はしだて」と次々にすれ違った。
 最後に出会った「海王丸」は,ヤードと呼ばれる横棒の上に豆粒のような白い人影が見えた。カメラでズームアップして見ると,セイル(帆)をヤードに固縛する作業をしているらしい。私は高所恐怖症ではないが,それでも足がすくみそうな作業だ。もし,“体験作業”に招待されてもご遠慮したい気がする。
 体験航海は観音崎沖でUターン,帰港の途についた。途中,再び「海王丸」に出会ったが,ヤードの上には人影は見られず,セイルの固縛作業は終了したようだ。後部マストの上にはためく日の丸が,やけに大きく鮮やかに見える。浦賀港へ帰港すると,先着の「日本丸」が接岸作業をしていた。30分ほどの短い体験航海だったが,実に楽しい思い出に残る航海だった。

「日本丸」接岸作業

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