ハンミョウ
(斑猫)



コウチュウ目  ハンミョウ科
体長:20mm

 観音崎公園のふれあいの森を歩いていると,目の前を一匹の虫が横切り,3〜4m先の歩道に舞い降りた。見ると体長は2cmほどであまり大きくないが,オオキンカメムシのようにカラフルで,タマムシのような輝きを持つ美しい虫である。私は”ハンミョウ?”と直感した。

 これまで,この美しい虫を図鑑で見たことはあるが,実物に出会ったのは初めてで,ワクワクした気分で先ずはカメラをズームアップ,数枚の写真を撮り,虫を驚かさないよう少しずつ接近,いろいろな角度からの拡大写真を撮ることにした。
2005.5.9
 私が徐々に接近している間にも,ハンミョウは忙しげに歩道の上を動き回っていたが,飛び立とうとはしない。それを幸い更に数枚の写真を撮り,1m位に接近したところで,私の気配を察したかハンミョウは飛び立ってしまった。

 ところが,ハンミョウは人なつこく警戒心が薄いのか,飛び立っても遠くへは行かず,3〜4m先の歩道に着地する。そして私は再び徐々に接近しながら写真を撮る。1m位に接近したところでハンミョウが飛び立つ。これを数回繰り返したが,ハンミョウにはこのような習性から「ミチオシエ」の別名があることを後で知った。 
 
 ゴールデンウィーク明けで森を訪れる人もなく,自分でも数え切れないほどシャッターを押して帰宅したが,パソコンに取り込んだ画像を改めて数えてみると,なんと62枚もあり,我ながら呆れてしまった。

 その中から数枚の画像を選びホームページへ掲載することにしたが,顔の部分がはっきり写っている画像に私は一瞬凍りついてしまった。宝石のように美しい体色には相応しくない,どう猛?凶暴?な顔で一見カマキリに似ている。 ハンミョウは昆虫類を食べるためそのアゴが発達,ご覧のような顔になったようだ。

 体色が宝石のように美しいとか,顔がどう猛?凶暴?だとか,ハンミョウに言わせれば,余計なお世話!迷惑千万!に違いない。ハンミョウは漢字で「斑猫」と書き,獲物を追いかけ捕らえる姿が猫科の動物に似ていることから名づけられたようだが,この顔を見るとなんとなく納得した気持ちになる。 
 

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