観音崎公園
ゴミは持ち帰ろう!

夏の忘れ物!
2007.8.20
 
外国人が海岸清掃
 2005年6月12日(日)午前10時過ぎ,観音崎園地へ行くと,大きなテントが二張り設営されていた。辺りには外国人らしき人たちが多数たむろしていて,中には大きなゴミ袋を下げた人も見うけられる。

 バーベキューを楽しんだ後にしては,時間的に早すぎるし,その形跡も見られない。それとなく透明なゴミ袋の中身を見ると,空き缶やペットボトルの他に,発砲スチロールの切れ端や木片のようなものも混じっている。
    
 しばらく立ち止まり,彼らの行動を眺めていると,やがて,大きなゴミ袋を抱えた一人が,観音崎バス停付近へ向かった。あの大きなゴミ袋をどうするのだろうか?物好きにもその後について道路に出ると,道端に「ビーチクリーンアップごみ集積場所」の幟旗を立てた小型トラックが一台駐車していた。

 ゴミの積み込み作業をしていた日本人運転手に尋ねたところ,彼らは横須賀米軍基地に勤務する人とその家族で,有志が集まり,月に一回,横須賀周辺の海浜清掃をしているとの話であった。この日は9時頃から作業を開始,約一時間でこれらのゴミを拾い集めたようだ。

 日本人観光客やバーベキューをした連中が放置したゴミ。それを横須賀米軍基地のアメリカ人が清掃する。なんとも皮肉な光景だ。再び観音崎園地へ戻り,テントの周辺で談笑している人達の前を通り抜け,海岸園地方面へ向かったが,私が散らかしたゴミを清掃して貰ったような感じで,なんとも後ろめたい気分だった。
  
 観音崎の自然は豊かで美しい。ところが,浜辺や草むらには,心ない観光客が残したゴミが散乱していることが多い。横須賀米軍基地のアメリカ人の他にも,地元のボランティアや公園管理の作業員が定期的に清掃しているが,ゴミを放置していく人は後を絶たず,イタチごっこの感がある。
   
 観音崎では観光客が放置するゴミと共に,海流によって運ばれるゴミも深刻な問題だ。誰が何処で捨てたのか?信じられないようなゴミも時々漂着する。
   
 放置されるゴミをゼロにするには?残念ながら,私には名案が浮かばない。なにしろ「ゴミを持ち帰ろう」の立て看板の下にゴミを放置したり,「バーベキュー禁止」の立て札の前で堂々とバーベキューをする連中を見ると絶望的な気持ちにさえなる。

 ところが昨年,観音崎自然博物館の磯の観察会に訪れた小学生の中に,珍しい子どもを見かけた。多くの子ども達が,アメフラシやカニといった磯の生物を観察したり戯れている中,磯に落ちている空き缶等のゴミを,持参したビニール袋に拾い集めている。後で尋ねたところでは,「ゴミ」の問題を自由研究のテーマに選んだようだ。

 二年前,地元の鴨居小学校の子ども達が「鴨居の海は きれいか?きたないか?」調査・研究して発表したことがある。「学校での教育」「家庭でのしつけ」はゴミ問題解決のキーポイントになると思われる。
   
 昨年のゴールデンウイーク,たたら浜へ下りる階段踊り場の手すりに「ゴミを捨てないで下さい」「SAVE The EARTH」と書かれた手作りの看板がぶら下がっていた。誰が作ったものか定かではないが,文字やイラストの等の感じから,高校生から大学生くらいの若者が作ったと思われる。次代を担う若者や子ども達の間に「自然を守ろう!」「地球を守ろう!」の意識が芽生え,その輪が広がって行くことに期待したい。
   

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