アシダカグモ
(脚高蜘蛛)
クモ目 アシダカグモ科
体長:♀20〜30mm
♂15〜20mm
見られる時期:一年中
玄関の明かり採り用ガラスに,なにやらマシュマロに似た物体がへばりつき,その上部周辺にクモが巣でも張ったのか,ゴミのようなものが沢山付着しているのに気づいた。ティッシュペーパーで拭き取ろうと近づいてみると,ゴミのようなものが動く気配を感じた。最近,老眼が進み細かいものを見るのは苦手だが,そのゴミは小さなクモのように見える。 |
2006.7.13 |
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妻に声をかけ,虫メガネを持ってきて貰い,改めてマシュマロを覗いてみると,孵化したばかりと思われる小さなクモが数匹へばりついていた。更に,明かり採りのガラスに付着しているゴミのようなものを覗いてみると,これらも全て,孵化したばかりのクモの子だった。 妻にそのことを話すと,血相を変えてスプレー式の殺虫剤を持ってきた。クモの子には気の毒だったが,これらが全て成虫なったことを考えるとゾッとして,さすがに私もその気になった。しかしながら,その前に記念写真?をと,呆れる妻を尻目にデジカメを取りに二階へ駆け上がり,数枚の写真を撮った。 |
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撮影後,スプレーを噴霧する直前になって,この日が盆の入りで,夕方には迎え火をたく予定になっていることを思い出した。クモとは言いながら,盆の入りに数十匹,ヒョッとすると百匹を超えるかもしれない命を絶つことは,あまりにも殺生な仕打ちで気が進まない。 そこでなんとか穏便な方法で我が家から退去してもらう為,先ずはマシュマロをティッシュペーパーで静かに掴み取り庭へ捨てた。続いて数十匹の子グモたちを拭き取ろうとしたところ,一瞬のうちに四方八方へと逃げ出し,まさに「蜘蛛の子を散らす様」になってしまった。私はあわてて,近くにあった庭箒で子グモたちをガラスから剥ぎ落とし,玄関外へ掃き出したが,取り逃がした子グモも十匹はくだらないと思われる。 |
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パソコンに取り込んだ画像を拡大し,昆虫図鑑のクモとあれこれ比較してみると,体長5〜6mmの子グモたちは,どうやらアシダカグモのようだ。アシダカグモの成虫は体長15〜30mm,脚の長さを入れると10cmを超えるものもある大形のクモだが,子グモはまだ愛らしいところがある。 |
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我が家には時折,アシダカグモの成虫が出没する。脚の長さを入れると10cm前後のアシダカグモが,天井や壁に出現すると妻はパニック状態に陥り,私はハエ叩きを持ち出し,それを追いかけ回す羽目になる。 アシダカグモに関しては,これまで単に薄気味悪いクモとして,目の敵にしてきたが,今回改めて昆虫図鑑の注釈を見ると,「家の内外にすむ大型のクモです。夜行性で,ハエやゴキブリをよくとらえます。」とあり,認識を新たにしたが,アシダカグモの不気味な姿は,毒グモのタランチュラを連想し,あまり気持ちの良いものではない。 |
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昆虫図鑑の「ハエやゴキブリをよくとらえます。」というコメントに興味を持ち,「アシダカグモ」をキーワードに検索してみると,検索結果として表示されたページの大部分が,アシダカグモに好意的であるのにまず驚かされた。 曰く,「ゴキブリ食いの達人」「究極のゴキブリハンター」「ゴキブリの天敵」「歩くゴキブリホイホイ」等々,アシダカグモがいかにゴキブリに対して有益であるかを力説するページが多かった。そのうえ,アシダカグモはその姿に似合わず,タランチュラのような毒は持たず,人を襲ったり,噛みついたりもしないので,安心してつきあえる存在のようだ。私に限らず多くの人は,その外見だけで,先入観や偏見を抱きがちである。それがいかに愚かなことか,アシダカグモは教えてくれたような気がする。 |