タ ン ポ ポ
(蒲公英)



キク科  多年草
草丈:10〜15cm

 タンポポが花盛りだ。観音崎では一年中タンポポを見ることができるが,春から夏へかけてのこれからが,花の数も多く,瑞々しい美しさがある。観音崎で見ることのできるタンポポには2つのグループがあり,もともと関東・中部地方に生えていたカントウタンポポと,外国から来たセイヨウタンポポがある。

 カントウタンポポは主に昔から変わらない環境(田畑のへりや寺・神社の境内,雑木林のへりなど)に生えていて,観音崎では観音崎自然博物館周辺,特に噴水広場で見ることができる。

 セイヨウタンポポは人によって海外から持ち込まれたと考えられているが,主に開発された環境(道ばた,空き地,駐車場,グランドなど)に生えていて,現在私たちが目にするタンポポの大部分はセイヨウタンポポと言っても過言ではない。

 カントウタンポポとセイヨウタンポポの見分け方は,ご存知の方も多いと思うが,花や葉の形を一見して判る方は相当の植物通で,正直のところ私には全く区別がつかない。

 そこでクイズです。次の2枚の写真はカントウタンポポとセイヨウタンポポですが,1or2のどちらがカントウタンポポでしょう?もしこの2枚の写真で,自信を持って見分けることのできる方がいらっしゃいましたら,ぜひ私にその秘訣をご伝授下さい。 
2004.4.7
1
見分け方
 
 花と葉を一見して見分けることは難しいが,花をひっくり返してみると簡単に見分けることができる。花の下にある外総苞片(がいそうほうへん)と呼ばれる部分がそり返っているのがセイヨウタンポポで,直立してそり返っていないのがカントウタンポポです。

 この見分け方でカントウタンポポを見つけることができるが,都市部や住宅地で見つけることは現在ではなかなか難しいことと思われる。ぜひご自宅の近くに咲くタンポポを調べてみて下さい。

 クイズの答:1.セイヨウタンポポ,2.カントウタンポポ
  

カントウタンポポ
 
セイヨウタンポポ
シロバナタンポポ その1
   
 海上自衛隊・観音崎警備所前から,トンネルを抜け灯台下へ通じる園路周辺は,タンポポの花盛りだ。全てを確認したわけではないが,幾つかチェックしたところ,そのどれもがカントウタンポポであった。

 先日,掲示板でシロバナタンポポが話題になったが,それ以来,観音崎に限らず行く先々で白い花のタンポポを探しているが,未だに見つけることができない。

 ところが,咲き誇るタンポポの中に,一株白っぽいタンポポを見つけ,ついにシロバナタンポポ発見?と思ったが,昨年,西浦賀の愛宕山で見かけたものとは,だいぶ雰囲気が異なる。

 花の色は確かに白っぽいが,全体としてどこか弱々しい感じで,花びらの数も少なそうに見える。どうやら”アルビノ”と呼ばれる,色素を著しく欠いて白化したタンポポのようだ。”アルビノ”は動物の場合は白子と呼ばれ,遺伝的に劣性のケースが多く繁殖力も弱い。
2004.4.18
 
シロバナタンポポ その2
 
 二年前と同じ場所で,シロバナタンポポ?を3株見つけた。周りの黄色いタンポポと比較すると,明らかに白っぽく,”アルビノ”的な弱々しさは感じられない。はたしてこれはシロバナタンポポと言えるのだろうか?
2006.4.24
シロバナタンポポ その3
 
 鴨居八幡神社近くの道端で,シロバナタンポポを見つけた。2004年と2006年に見たものと比べて,あきらかにシロバナタンポポの特徴を備えているように思われる。花は二つ咲いていたが,一つは茎の途中から折れ曲がっていた。他にも生えていないか?付近を探してみたが,見あたらなかった。人が植えたとは思われないので,何処からか種子が飛んできたのだろうか?
2009.3.29
 
タンポポの綿毛
 
 噴水広場を歩いていると,白いものが目の前を横切り舞い上がった。タンポポの綿毛だった。足元を見回すと,あちこちにタンポポの果実ができ,冠毛がのびているのが目につく。そのタンポポの綿毛が強い風にあおられて舞い上がっていたのだ。
 タンポポの綿毛を手に取り眺めていると,子どもの頃,綿毛を口先で吹いて飛ばして遊んだことを思いだした。辺りに人がいないのを幸い,綿毛を口先で強く吹くと,果実は茎から離れ,まるでクモの子を散らすように,風に乗りパラシュートのように遠くへ飛んでいった。
 

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