ムラサキケマン キケマン
(紫華鬘)

(黄華鬘)


ケシ科     越年草
花 期 3〜5月
草 丈 (紫) 20〜50cm
(黄) 40〜60cm

 観音崎園地から東京湾海上交通センターへ通じる坂道の途中で,ムラサキケマンとキケマンが混在して咲いていた。観音崎公園ではこの2種類のケマンが,ほぼ同時期に開花するが,混在して咲いていることは珍しい。ムラサキケマンは主に林縁部の園路沿いに,キケマンは海岸部の園路沿いにそれぞれ自生,住み分けているようにも見える。

 ムラサキケマンとキケマンの若葉は,一見したところセリに似て,お浸しにでもすれば美味しそうな感じがするが,ケシ科の植物だけあって毒草だというから見かけによらない。うっかり食べると眠気を催したり,酩酊状態になる程度ならまだしも,時には呼吸麻痺や心臓麻痺になることもあると言うから恐ろしい。
2006.4.7

2006.4.7
ムラサキケマン(紫華鬘)
     
 ムラサキケマンは半日陰の林縁部に生えていることが多い。群生していると,レンゲのような雰囲気がある。観音崎園地から東京湾海上交通センターへ通じる坂道の園路沿いや北門第2砲台跡付近等々園内各所で見ることができる。

2006.4.7

2005.4.8

2005.4.13

2005.5.22
キケマン(黄華鬘)
    
 キケマンは海岸部の園路沿いに生えていることが多い。林縁部にも生えているが,日当たりの良い潮風が当たるような場所にも生えている。主に観音崎園地から観音埼灯台の階段登り口付近にいたる園路沿いで見られる。

2006.4.7

2006.4.7

2005.4.13

2006.4.7

2008.5.18
名前の由来
 ケマン(華鬘)は仏像や堂塔のいただきにつける花飾り。もとインドの風俗で,糸で多くの花をつづって首や身体の飾りとしたのにはじまり,仏前を荘厳するのに用いるようになった。インドでは多く生花を用いるが,中国・日本では金・銀・銅などの造花が用いられる。…小学館「世界原色百科事典」…そのケマン(華鬘)に似ていることからムラサキケマン,キケマンと名づけられた。

 尚,ケマンソウ(華鬘草)はケシ科の多年草で,別名タイツリソウ(鯛釣草)と呼ばれ,園芸店で見かけることもあるが,観音崎には残念ながら自生していない。

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