ヒルザキツキミソウ
(昼咲月見草)


アカバナ科  多年草
草丈:30〜50cm

 観音崎公園の花の広場の一角で月見草が咲き始めた。しかしながら,月見草と言っても本物ではなく,早朝の開花直後は白く月見草に似ているものの,次第に薄いピンク色に変化して,2〜3日は日中も萎まずに咲くことから,ヒルザキツキミソウと呼ばれる北米原産の帰化植物で大正時代に渡来,アカバナ科マツヨイグサ属の仲間である。5月上旬から3月上旬頃まで昼間楽しむことができる。

 尚,本物の月見草は観音崎ではお目にかかれないため,私は2003年9月,千葉県の農園から苗を購入,開花の連続写真を撮影した。同じツキミソウでも開花時間が夜と昼と全く正反対なのも興味深い。
2005.5.20
本物の月見草
 
 観音崎には本物の月見草は生えていない。ところが,一年前まで私がそうであったように,メマツヨイグサの黄色い花を月見草と思いこんでいる人が多い。本物の月見草は江戸末期にメキシコから渡来した帰化植物であるが,繁殖力が弱く幻の野草と呼ばれるほど,野生の状態で観察できる場所は稀である。

 一度本物の月見草を見たいものと思っていたところ,2003年8月上旬インターネットで千葉県の農園で栽培していることを知り,早速申し込んだが「台風10号通過後のフェーン現象による高温の影響で花芽が枯れてしまったので,2〜3週間ほどお待ちいただきたい。」との連絡があった。

 9月になり三週間が過ぎても送られてこないため諦めかけていたところ,9月14日宅急便で5株の月見草の苗が届き,農園へお礼のメールを入れると,折り返し「夕方5時頃からツボミを注意して見て下さい。」とのメールがあった。

 3株の苗をプランターへ移植,17時頃ツボミの様子を観察したが変化が見られなかったので,一時間後の18時過ぎに再度様子を見にいったところ,ツボミがかすかに開き白い花の部分が覗いていた。

 私は慌ててカメラと三脚を取り出し,月見草の開花状況を連続写真に収めることにした。食事をしたりテレビを見ながら最初は30分毎に,ほぼ満開となった20時以降は適当な時間に撮影して自動スライドショーにしてみました。

 月見草の花言葉は「浴後の美人}と言われているが,満開となった後,時間の経過に連れ白い花びらがピンク色に染まっていく姿は,花言葉にふさわしい風情があった。ところがその浴後の美人も翌朝になると,見る影もなくしぼみはじめ,「花の命は短くて…」を実感した。
2003.9.14

花暦TOP  植物たちTOP  HOME