アオダイショウ
(青大将)


有隣目 ナミヘビ科
体 長 100〜200cm
胴 径 5cm
真冬に出現!
 
 朝8時頃,私と同じ団地にお住まいのYさんがお見えになり,鴨居郵便局近くの崖地の下に,4〜5日前からヘビが現れていると教えて下さった。私がホームページであれこれ紹介しているのをご存知で,わざわざ知らせてくれたようだ。

 場所は郵便局前の道路から右折して,鴨居プール方面へ通じる道路の左側,崖地の崩落防止フェンスのコンクリート上とのことで,観音崎自然博物館へボランティアへ行く途中,寄り道してみた。

 体長1.5〜2mくらいのアオダイショウで,4〜5日前から天気の良い日に現れ,まるで日向ぼっこをするようにそこでじっとしているいう。ほとんど動こうともしないので,近づいて良く見ると,冬眠の疲れからか,少しやせ細り,肌の色つやも悪く,弱々しい印象をうけるが結構迫力はある。 
2006.1.24
 翌25日,同じ場所へ行ってみると,アオダイショウはトグロを巻いていた。寒いのか頭はトグロの中に埋めているので,どこに頭があるかわからない。寒ければ地中にいれば良いものを,何故冬眠を止めて地上に現れたのだろうか?


雌雄?の青大将
 
 観音崎自然博物館近くの崖地の下で,今が見頃のコバノタツナミの写真を撮ろうとカメラを構えていると,頭上でなにやらガサゴソ音がする。ふと見上げると2m位はありそうなアオダイショウが2匹うごめいていた。アオダイショウは無毒なので一安心したが,あまりにも大きく不気味なので,恐る恐るよく観察してみると,どうやらその文様から無毒のシマヘビの雌雄とわかった。もつれ合い絡み合いながらスルスルと崖地を登って行く様は,何とも異様な光景だった。

 今年は何故かヘビに縁があるようで,先日出会ったとぐろを巻いたマムシといい,今回のシマヘビといい少々薄気味悪いが,普段あまり見られない姿のヘビに接しなんとも複雑な心境である。
2005.4.24
我が家の庭にマムシ?
 庭木の剪定をしようと猫の額ほどの我が家の庭を眺めていると,千両の茂みの中に何やら蛇のようなものが見えた。近づいてみると紛れもなく蛇の尻尾だった。その上,蛇の胴にはマムシのような文様がある。我が家は住宅街の中にあるが,近くには竹林等の昔ながらの自然が若干残されている。マムシ?

 ビックリ仰天しながらも先ずは冷静にと自室に戻りカメラを持ち出し,マムシを写真に納めた。最初に尻尾から撮ったがマムシは全く動かない。少し大胆になって反対側に回り込み胴体の写真を撮ったが,頭の部分は残念ながら千両の葉に隠れていてどうにもならない。
2016.8.8
 もしマムシならば私や家内だけでなく,偶に遊びに来る子や孫達が咬まれる恐れもある。捕獲してマムシ酒にでもしょうか?とも考えたが,恐ろしさが先に立ち手づかみにすることはできない。あれこれ思案の末,バーベキューの時に使ったトングを思い出した。子供達も巣立ち,ここ数年バーベキューをしていなかったが,記憶を頼りに物置をあれこれ物色したところ,三種類のトングが出てきた。その中から,先端に三つの刃がついているトングが掴みやすそうだったのでそれを使うことにした。……写真のトング

 念のため,厚手の長袖シャツを着込み,ジーンズに革靴を履き,軍手をして完全武装。家内は何事が起こったのか目を白黒。マムシらしき蛇がいることを告げると驚きながらも,怖いもの見たさで私の後についてきた。その間10分?ほど経過していたが,マムシは写真を撮った時の状態のまま居座っていた。

 胴体の見える方へ行きいざ掴もうとすると,家内は恐ろしくなったのか家の中へ。何とも薄情なやつだ。トングを胴体中央へそっと近づけ一気に鷲づかみにした。狙いは的中,トングはしっかりとマムシを掴んで放さない。しかしながら,相手も必死の抵抗を試みる。鎌首をもたげ牙をむき胴体をよじる様子はマムシそのもの。用意したビニール袋を左手で開き,トングを袋に近づけた途端,右手が若干緩んだのか,マムシはスルリと逃げてしまった。
 捕り逃がしたことを家内に告げると「どうするの?」と尋ねてきたが,どうしようも無い。先ずは蛇が本当にマムシなのか,その正体を確認する必要がある。画像をパソコンに取り込み写真を拡大,ネットで検索するといろいろ有力な情報がヒットした。「日本の陸地に生息する蛇の種類は36種。その中で本土と呼ばれる北海道・本州・四国・九州の四島に生息する蛇は8種類のみで,他の28種類は奄美・沖縄等の亜熱帯気候の島々に生息している。」由。
 
 その8種類とは,アオダイショウ・シマヘビ・ジムグリ・シロマダラ・タカチホヘビ・ヒバカリ・ニホンマムシ・ヤマカガシ。その8種類について,その特徴を調べれば,我が家の蛇の正体がわかる筈。そこで,それぞれの蛇の体色・模様・活動時間帯・生活環境等について比較したところ,アオダイショウとニホンマムシ(以下,マムシと略)以外の6種類は明らかに該当しないことが判明した。
 
名  前 特          徴
アオダイショウ(青大将) 無毒・昼行性・人家周辺で見られる・樹上性の傾向
シマヘビ(縞蛇) 無毒・淡黄色の体色に4本の黒い縦縞模様・あまり木に登らず,地表を素早く動く
ジムグリ(地潜) 無毒・平地から低山地の森林,草原,水辺等に棲む・地中や石の下に良く潜る
シロマダラ(白斑) 無毒・森林の林床付近に棲む・夜行性・遭遇することは少ない幻の蛇
タカチホヘビ(高千穂蛇) 無毒・夜行性・鱗には虹色の光沢・森林等に生息
ヒバカリ(日計・日量) 無毒・平地や低山地の森林に生息・薄明薄暮性だが雨天時には昼間も活動
ニホンマムシ(日本蝮) 毒蛇・全長に比して胴が太く短い・淡褐色の体色に銭形模様がある
ヤマカガシ(山楝蛇) 毒蛇カエルが主食で里山の渓流近くや,水田,畑,河川,林などに生息
要旨:アウトドア4趣味に関する総合情報サイトから転載
 残るはアオダイショウとマムシ。しかしながら,私がこれまでに出会ったアオダイショウには上記写真のような模様は無かったように思われる。矢張りマムシか? それでも諦めきれずアオダイショウとマムシの見分け方について調べてみるとアオダイショウの幼蛇にはマムシのような模様があることが判った。捕獲しようとしたヘビの体長はおそらく1mは無いと思われる。アオダイショウの幼蛇かもしれない?その情報に力を得て,更にネットで検索を続けたところ「アオダイショウの幼蛇がマムシに似ている?」という有力な情報がヒットした。それ以外にもアオダイショウの幼蛇がマムシに似ているという情報が続々。その見分け方についてはいろいろあるようだが,整理すると下記のようになる。
 
アオダイショウ(幼蛇) ニホンマムシ
模 様 背中の模様が一列で,ハシゴ状で細かい 背中の丸い模様が二列で,銭形状で大きい
体 形 細長くスラッとしている 太短く寸詰まり
尻 尾 なだらかに細くなっている ツチノコの尻尾みたいに急に細くなっている
頭・顔 少し丸みがある 鼻先が尖った三角形
丸みがあって可愛い? キレていて凶暴な雰囲気

 整理した比較表を眺めながら,今回撮影したヘビの写真と以前撮影したマムシの写真を見比べてみると,どうやらアオダイショウの幼蛇というのが正解のようだ。背中の模様が一列で,体形が細長く,尻尾はなだらかに細長くなっている。明らかにアオダイショウの幼蛇の条件を備えている。これで一安心。家内にこのことを告げると顔に安堵の色が浮かんだ。

 因みに頭・顔・目については今回写真が撮れなかったので確認できないが,トングで幼蛇を掴んだ時,鎌首をもたげ牙をむいて私を睨んだ形相は,穏やかで可愛らしいとされるアオダイショウのそれではなく,マムシのように凶暴であった。それにしても,アオダイショウの幼蛇は何故マムシに似ているのだろう。一説によれば,幼蛇に斑紋があるのはマムシの擬態で,外敵から逃れるための戦略?のようだ。
  

2005.4.15

2005.4.15
これまで出会ったアオダイショウ
 
 観音崎公園やその周辺地域では,豊かな自然が残されていることもあって,アオダイショウに出会う機会が多い。アオダイショウは無毒で攻撃的な蛇ではないが,突然目の前に現れると流石にドキリとするが,性格が温和なこともあってか,その目は愛くるしく憎めない顔をしている。

2002.5.19

2002.5.19

2002.5.24

2002.7.23

2009.12.4

2011.6.21

2012.6.5

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