ニホンマムシ
(日本蝮)


有隣目  クサリヘビ科
毒ヘビ
体 長 45〜70cm
 観音崎隧道のほぼ真上付近にツルカノコソウの小群落がある。そろそろ花の咲く頃と訪れてみると,付近は落ち葉や枯れ木のゴミ捨て場と化し,昨年と比べツルカノコソウの数は激減していた。

 幸い僅かに残ったツルカノコソウが開花していたので,写真を撮るため草むらに入りカメラを構えながらふと足元を見ると,ヘビがトグロを巻いていた。それもどうやらマムシのようで,大きさも特大である。

 怖いもの知らずの私も一瞬たじろぎ,逃げ腰になったが踏みとどまり,よく見るとまるで眠っているようで身動きしない。私の存在を知ってか知らずかあまりにも静かなので,カメラマン魂?に火がつき,恐る恐る1枚の写真を撮った。 
2005.4.15
 1枚写真を撮ってから,落ち着いてマムシを観察してみると,1本の枯れ枝が気になった。枯れ枝はマムシのトグロの真上にあるが,少し空間があって接触はしていない。枯れ枝は3m位はあるので,マムシから1m以上離れて取り除くことができる。マムシに気づかれないよう,恐る恐る静かに枯れ枝を持ち上げ,なんとか取り除くことに成功,2枚目の写真を撮った。 
 2枚目の写真を撮ってから再びマムシを見たが,依然として身動き一つしない。調子に乗った私は,マムシの口元あたりを隠している枯れた篠竹を取り除くことにした。ところが篠竹にほんの少しふれた瞬間,マムシが目を覚まし動き出した。幸い寝起きのためか動作も緩慢,私の反対方向へ逃げ出したのであわてて写真を撮ったが,あとで見ると尻尾が写っているだけだった。
 観音崎にはマムシが生息しているため,園内各所に”まむし注意!”の看板が立てられているが,公園内の園路や芝生の手入れが行き届いた広場等では,まず出会うことはないので,いたずらに恐れる必要はない。私は定年退職以来5年間,天気がよいと一週間に4〜5日観音崎を訪れているが,マムシに出会ったのはこれで2回目.。

 ところが,今回の私のように園路から外れ写真を撮ったり,アシタバやタラの芽等を山菜採りの気分で草むらや藪の中に入ると,マムシに出会う確率は非常に高くなるので,このような場所に立ち入らない方が賢明である。今回,私は幸い事なきを得たが,もしあのトグロに気づかず踏んづけていたらと考えるだけでゾッとする。
 生きた本物のマムシを見てみたい方にお薦めなのが,観音崎自然博物館の展示用ケースで飼育されているマムシで,どう猛なマムシを間近に観察することができる。怖い物見たさか?意外と子どもさんや女性に人気が高い。 
もし咬まれたら!
(観音崎自然博物館の案内板から転載)
 民間で言われている対応のほとんどは間違っています。下手をすると症状を悪化させることがあるので,傷口の付近を縛る,切って毒を出すなどは行ってはいけません。

 咬まれたら,ヘビの種類を確認し,(本州ではマムシ以外のヘビは大半が無毒です)毒ヘビならばそのヘビの血清のある病院で手当を受けることです。素人が血清をあつかうとアレルギー反応でショック死をすることがあるので,専門医に診てもらったほうがいいです。あわてずに行動することが大切です。

 一番大事なのは咬まれないことで,そのヘビの習性や生活の場などを知っておき,そういった場所に行かないことです。尚,観音崎から近い施設でマムシの血清を扱っているのは下記の通りです。
☆市立うわまち病院  横須賀市上町2-36  046-823-2630
☆横須賀共済病院 横須賀市米ヶ浜通1-16 046-822-2710
☆横須賀市救急医療センター 横須賀市三春町2-17 046-824-3001

爬虫類・哺乳類TOP  HOME