観音崎ふれあいの森の一角で,これまで見たことのない白い花に出会った。近づいて良く見ると,その白い花はヤツデやその仲間のカミヤツデにどこか似ているが,葉の感じがあきらかに異なる。最初に見かけた大きな木の近くに,同じような花をつけた少し小さな木があり,その幹にあるトゲを見て,それがタラノキであることに私はようやく気づいた。 春に見られるタラノキの新芽タラノメは山菜の王様と呼ばれ,天ぷらやごま和えにすると美味で人気の高い山菜である。春,タラノキの傍を通るたびに,私は美味しそうなタラノメを眺めて,摘み取りたい誘惑をこらえ,ため息をつきながら通り過ぎるのが常であるが,花に気づいたのは恥ずかしながら今回が初めてである。 そんなタラノキも最近は立ち枯れが目立つ。観音崎公園内は動植物の採集が禁止されているが,それを知ってか知らずか,タラノメを山菜採りの気分で摘み取る人が後を絶たないためで,一番芽・二番芽・三番芽と芽を出すたびに摘み取られ,成長できずに枯死してしまう。 人間の手の届かない高さ以上に成長したタラノキはなんとか無事であるが,手の届く高さのタラノキはほぼ全滅に近い状態である。 |
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2004.9.17 | |
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タラノキの花を見て,私はヤツデやカミヤツデの花を連想したが,樹形や葉のつき方もどこか似ている。同じ仲間の植物では?と直感,植物図鑑で調べたところ,これらは全てウコギ科の仲間であることが判明,我が直感も満更ではないと一人悦に入っている。 | |
タラノキ |
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ヤツデ |
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カミヤツデ |