走水神社に隣接する曹洞宗・走水山大泉寺の駐車場と道路の境に,塀を兼ねた風情溢れる一画がある。そこにはポンプで水が循環している小さなせせらぎがあり,その半ばに水掛地蔵様と並んで,この辺りでは珍しい水琴窟が設置されている。 |
「水琴窟」と書かれた柱の上部には,竹筒を切断したような穴がある。水掛地蔵の頭に水をかけ,その穴に耳を当てると,筒の奥から単調だが,心に響く優しい水音が聞こえてくる。リズムやメロディーが有るようで無いような,つかの間,暑さを忘れさせてくれる涼しげな音だ。 |
水琴窟の傍らには「紫陽花と水琴行道」と書かれた石碑がある。その下部には「うるおしの水琴窟 聞こえましたか?今,あなたが流した水が奏でた音を・・・ 水琴窟は江戸時代後期(1800年頃)に作られ,しずくの風情を楽しんでいました。時代と共に消え去りましたが,近年,水音の芸術として見直されています。」と刻まれた黒御影石がはめ込まれている。 |
水琴窟の音の発信源は,筒の先にある甕(カメ)。底に小さな穴を開けた甕を伏せて埋め,水滴が甕の天井から落ちるように工夫,伏せ甕の底に溜まった水面に落ちる水滴の音が甕の空洞で共鳴し,琴の音に似た妙なる音を響かせることから,いつの頃からか水琴窟と呼ばれるようになった。…要旨:日本水琴窟フォーラムのHPから引用 |