センダン
(栴檀)


センダン科  落葉高木
樹高:約7〜20m


 観音崎公園・花の広場の管理事務所近くの階段登り口付近に,3本のセンダンの木が生えている。そのセンダンの花が見頃を迎えた。薄紫色の可愛らしい花をビッシリとつけ,青空に美しく映え,遠目には藤の花のようにも見える。これから6月上旬くらいまでが見頃。
2007.5.28
 夏が終わる頃,センダンの青い実が目立つようになる。徐々に黄色く色づき,秋も深まり全ての葉が落ち,冬になってもセンダンの実は,しっかりと枝にしがみついている。野鳥も食べないところを見るとあまり美味しい実ではないらしい。古来,果実は鎮痛・整腸の民間薬として用いられていたので,野鳥にとっては毒性があり,本能的に敬遠しているのかもしれない。
   

2003.9.5

2003.10.15

2006.1.8
余   談
  
 センダンに初めて出会ったのは5年前の5月,フィールドレンジャーの先輩からこれがセンダン(栴檀)の木だと教えられた。それから1年後,私が一人で10数人のグループをご案内した時,たまたまセンダンが花盛りだった。

 私は訳知り顔に「栴檀は双葉より芳し」と言う諺がありますが,これがそのセンダンですと得意気に説明した。説明しながら,花や葉の香りを嗅いでみたが,それらしき香りが全くしない。ほとんどの人が私同様,香りを感じないと言う。

 ところが,一人二人,芳しい匂いがするという人が現れた。私は鼻をクンクンさせ花や葉を必死に嗅いでみたが,それらしき香りを全く感じない。他の数人も同様だという。結局,香りを感じない人は老化現象で?嗅覚が麻痺して鈍感なのだろうということにされてしまった。

 フィールドレンジャーステーションへ戻り,この話を植物に詳しい先輩に話をしたところ,大笑いされてしまった。結論としては,香りがしないと答えた方が正しいようだ。「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は,本当は白檀(ビャクダン)のことをいい,白檀には栴檀の異称もあるため,混同して間違えている人も多いと聞いた。それならいっそのこと「白檀は双葉より芳し」とすれば,混乱しないですむのだが?

 因みに,講談社の日本語大辞典によれば『「栴檀は双葉より芳し」の意味は,栴檀は発芽した頃から芳香を放つことから,すぐれた人物は,幼いときから他と違ってすぐれている。』の例えとある。

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