セイタカアワダチソウ
(背高泡立草)
キク科 多年草
草丈:1〜2m
観音崎・花の広場周辺の荒れ地でセイタカアワダチソウが咲き始めた。セイタカアワダチソウというと,空き地や荒れ地に咲く背の高い黄色い花を思い出し,同時に”ブタクサ”という名前と花粉症を連想,お花見どころではないと思われる方が多いと思う。 私も一年ほど前までは,セイタカアワダチソウ=ブタクサ→花粉症と信じていたが,いろいろと調べていく過程で,セイタカアワダチソウとブタクサはまったく別の植物で,花粉症の原因となるのはブタクサの花粉で,セイタカアワダチソウは濡れ衣であることが解った。 ところが身体の奥深くまで染みこんだ偏見とは恐ろしいもので,彼岸に買い求めた仏花にセイタカアワダチソウが含まれているのを見て,思わず花屋さんに抗議しかけ思いとどまったが,何故か釈然としなかった。 10〜30年くらい前はセイタカアワダチソウの全盛時代で,空き地という空き地は全てセイタカアワダチソウで埋め尽くされ,それまでそこに生えていたススキなどの在来植物は駆逐された感があった。 ところが最近,それらの場所にススキが復活。セイタカアワダチソウの姿をあまり見かけなくなったことに気づいた。セイタカアワダチソウはその根から他の植物の生育を妨げる毒を分泌,他の植物を駆逐してその場所を制圧し大繁殖するが,やがて土地の栄養分が枯渇すると共に,自分の毒で亡びてしまう運命のようである。観音崎公園・花の広場周辺の荒れ地はその過渡期にあり,セイタカアワダチソウとススキが共生。現在は共存共栄の状態にあると思われる。 これらのことを思い巡らせながら,セイタカアワダチソウを改めて眺めてみると,秋空にスクッと立った姿は凛々しくも美しい。しかしながら私より背の高い黄色い花に囲まれていると,何故か異国の地で背の高いご婦人に取り囲まれているような,居心地の悪さを感じるのは私の妄想であろうか? |
|
2003.10.2 | |
|
|