セグロカモメ
(背黒鴎)


チドリ目 カモメ科 冬鳥
全長約60cm

 鴨居港に突き出た岸壁を歩いていると,釣り船のマストの横棒の上に,大きなカモメがちょこんと留まっていた。カモメの3m位離れた場所には,釣り船のオヤジさんが何か作業中にも関わらず,その手許を興味深く見つめるような仕草で,のんびりと留まっている。

 私が近づいてカメラを構えても,一向に動じる気配はない。野鳥の多くは一部の例外を除くと警戒心が強く,遠くからカメラを構えただけでも飛去ってしまうものだが,このカモメはよほど人に馴れていると見える。

 さらに近づいてみると,そのカモメは大きさ色合いからセグロカモメのようで,私が5m位まで接近しカメラを構えても動こうともしなかったが,オヤジさんが作業の関係で,セグロカモメに手が届きそうな場所に移動したため,横棒から飛び立ち近くの海面へ着水した。

 観音崎で沖合を見ていると,時折,漁船や釣り船の周辺を,カモメが飛び交っていることがある。これは,釣り上げた小魚や外道を,漁師や釣り客が海へリリースするのを,おこぼれ頂戴と狙っている光景で,そそっかしいカモメになると,釣り上げる途中の針がついたサカナに飛びつき,サカナの代わりにカモメが釣れるという,落語のような話もあると聞く。どうやらこのセグロカモメはオヤジさんと顔なじみのようだ。

 セグロカモメは観音崎やその周辺の漁港等でも時々見かけるが,何故か一羽でいることが多い。同じカモメの仲間のユリカモメやウミネコは集団で行動するが,セグロカモメは絶対数が少ないのか,性格的なものか分からないが単独行動が多い。 
2005.1.5
訂正! セグロカモメ → ウミネコ
 
 2006年10月以来,「冬近し!」のタイトルで掲載してきたセグロカモメの下段写真について,野鳥に詳しいボランティアの先輩からウミネコではないかとのご指摘を頂いた。改めて永岡書店発行の「野鳥ガイドブック」で確認したところご指摘の通りと判明,ここにお詫びして訂正させて頂きます。
2015.11.17
 
冬近し!
 
 鴨居の浜の波打ち際に, セグロカモメ → ウミネコが一羽佇んでいた。足下を洗う波を気にする素振りもなく,獲物を探す様子もなく,ただボーっとして沖合を眺めているように見える。セグロカモメは冬鳥。恐らくシベリアやサハリン辺りから飛来したばかりなのだろう。明後日は11月,本格的な冬の訪れも近いようだ。
2006.10.29
相違点
   
 
セグロカモメ ウミネコ
冬鳥 留鳥
脚は淡紅色,黄色の下嘴の先端に赤色班 脚は黄色,上下嘴の先端に黒と赤の班
   
 
幼 鳥

2019.11.8

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