レンガ構築物
レ ン ガ の 積 み 方

 レンガの積み方には色々あるが,観音崎と周辺地域に現存するレンガ構築物は,フランス積(正式名:フランドル積)・イギリス積・長手積のいずれかの方法で造られている。

 幕府とフランス・明治政府とイギリスとの関係を反映して,幕末から明治初期に造られた物はフランス積,それ以降それも明治20年代以降に造られたものはイギリス積が多い。

 明治以降は一時期コンクリートに押され,レンガは建築材として影が薄い存在だったが,近年は自然との調和・美観上の関係から再評価され復活。昭和40年代以降造られたものは何故か長手積が採用されている。特に最近のものは,コンクリート製の構造物の壁に,装飾用にレンガ風のタイルが貼られているケースが多く見られる。
 
 当初フランス積で造られた物が,後日その一部がイギリス積で改修され,フランス積とイギリス積が混在するケースや,フランス積と長手積,イギリス積と長手積が混在するケースもあり,レンガの積み方を見ながら構築物を眺めると,その時代の背景を垣間見ることができて結構楽しいものがある。フランス積・イギリス積・長手積の積み方の特徴については,下の写真をじっくり眺めていただければ,その違いがお解り頂けると思う。
 
フランス積のドック壁
(正式名:フランドル積)
 
 
イギリス積の弾薬庫壁
 
 
イギリス積と長手積の混在
(走水水源地の貯水池)
 

※全体はフランス積,後日丸窓と入口部分を長手積で閉鎖
 
長手積の観音崎隧道入口壁
 

※コンクリートの上にレンガ風タイルが貼られている

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