クルーズ客船
ラプソディ・オブ・ザ・シーズ
(Rhapsody of the Seas)

総トン数 78,491トン
全  長 279m
全  幅 32.2m
乗客定員 2,435名
就  航 1997年
船  籍 バハマ
運航会社 ロイヤルカリビアン インターナショナル
特  徴 横浜初入港。
横浜市港湾局HPから転載
 2008年5月13日,アジアクルーズ最大のアミューズメントシップ「ラプソディ・オブ・ザ・シーズ」が横浜に初入港した。一週間前,大型船入航予定情報で確認した入港時の観音崎沖通過時刻は2008年5月12日(月)午前5時15分,横浜港客船入港情報の大桟橋着岸予定は午前8時とあった。

 ところが,季節外れのコースを辿る台風2号の影響で雲行きが怪しくなった。前日11日,念のため再確認したところ,横浜入港が一日遅れの13日(火)に変更されていた。テレビの天気予報によると入港当日は激しい雨と北風が吹く最悪のコンディションとか。ここ数日,真冬のような寒さが戻り,震え上がっていたが,更に追い打ちをかけるような台風の来襲。流石に今回の撮影は断念することにした。

 13日(火)午前6時起床,朝刊を取りに外へ出ると,小雨がぱらつき冷たい北風が吹いていたが,前日の予報ほど激しくない。未練がましく,再度「大型船入航予定情報」にアクセスしてみると,観音崎沖通過時刻が午前7時5分に変更されていた。これこそ天の恵み!朝食もそこそこに,北風の影響の少ない観音崎公園の展望園地へ車で出かけることにした。普段はバイクを愛用しているが,とてもバイクに乗れるようなコンディションではない。

 通過予定時刻の10分ほど前に展望園地へ到着。小雨とモヤで視界は悪いが,北風は観音崎の尾根が屏風になって遮ってくれる。待つことしばし,8時少し前,ようやく鋸山の付近に白い船影が姿を現した。ラプソディ・オブ・ザ・シーズだ!船影確認後,改めて辺りを見回して見たが,私以外は誰もいない。美しい彼女を独り占めしたような気分に浸った。 
展望園地
 

7:50

7:59

8:13

8:13
クワバラ,クワバラ
 
 8時30分頃帰宅,念のため,横浜港大桟橋国際客船ターミナルの着岸予定を再確認したところ,10時30分に変更されていた。直行すれば入港風景も撮れる可能性もあったが,天候を勘案,ノンビリ出かけることにした。

 普段,横浜港大桟橋へは浦賀〜上大岡〜関内〜大桟橋のルートで行くことにしているが,横浜市営地下鉄の関内駅から大桟橋までは徒歩で約20〜25分ほどかかる。荒天のこの日はルートを変更,浦賀から横浜まで京急で直行,横浜からは「みなとみらい線」で日本大通り駅迄行くことにした。日本大通り駅から大桟橋までは徒歩で10分足らず,歩く時間は関内駅下車と比べて約半分以下になる。

 10時10分頃,東横線・旧横浜駅地下にある「みなとみらい線・横浜駅」に到着。4年前に開業したこの路線を利用するのは今回が初めて。近代的な地下駅は何処か異国に行ったようなムードすらある。おのぼりさん気分で乗車。

 ラッシュアワーが過ぎているせいか空席がある。やれやれと席に座って辺りを見回すと,周囲は若い女性が多く,何故か私の方を凝視している人が数人いる。若い女性の視線が集中するとは,オレもまだ捨てたものではないな?と思いながら,入口ドアー付近を見てびっくり。「女性専用車」と注意書きがベタベタ張ってある。

 私は慌てふためき座席を離れたが,隣の車両に近い席に座っていたのが幸い,一目散に連絡路を通って一般車両へ移動した。近くの空席に座り,今,出てきたばかりのドアーを見ると,ピンク地に白抜きの文字で「この先女性専用車」と大書されていた。

 乗車する時,何故気がつかなかったのだろう?と思いながら,小さな白抜き文字を読むと「この車両は,平日の始発から10時00分まで,17時00分から終電までの下りで,女性専用車両となります。」とあった。私がこの車両に乗ったのは10時10分過ぎでルール違反にはならなかったが,もし,10時前に乗車していたら,「不法侵入罪?」か「痴漢行為?」で逮捕・拘束されることになったのだろうか?クワバラ,クワバラである。   

一般車両から女性専用車両への連絡路入口
赤レンガ地区
   
 とんだハプニングに冷や汗を掻いたが,なんとか日本大通り駅に到着。既に着岸時間を過ぎているため,赤レンガ倉庫方面から山下臨港線プロムナードを散策しながら,大桟橋へ行くことにした。

 駅を出ると県庁は目と鼻の先。曇り空ではあるが,前夜来の雨は上がり,北風もほとんど止んでいる。5〜6分でプロムナード付近に到着。再開発工事中の「象の鼻地区」の向こうに大桟橋が見える。驚いたことに,普段,「飛鳥U」「ふじ丸」「にっぽん丸」等の国内客船が使用している岸壁にラプソディ・オブ・ザ・シーズが接岸していた。これまで見た海外の客船は全て山下公園側の岸壁を使用していたのに。これも台風の影響なのだろうか?

 こちらの岸壁の場合は,赤レンガ倉庫側が撮影スポットになる。予定を変更して,赤レンガ地区から写真を撮ることにした。古い赤レンガ倉庫と白い船体,左手奥にベイブリッジが霞んで見える。山下公園側から見る風景と異なった雰囲気が楽しい。 
プロムナード 〜 大さん橋
  
 赤レンガ地区での撮影も一段落,山下臨港線プロムナードをゆっくり歩きながら大さん橋へ移動。途中,船尾側からラプソディ・オブ・ザ・シーズの写真を数枚撮影。側面からの写真は,私のカメラテクニックが下手なのか,いまいち迫力に欠け平凡だが,彼女の後ろ姿はなかなか美しく迫力がある。彼女はどちらかというとバックシャンのようだ。
 大さん橋を船首方向へ移動中,プロ?と思われる女性カメラマンが,国際客船ターミナルビルのガラスの壁面を撮影していた。何の変哲もないガラスの壁面,何を撮影しているのだろう?疑問に駆られ,カメラマンと同じアングルから壁面を眺めて見ると,ラプソディ・オブ・ザ・シーズの船体中央部が面白い姿で映っていた。プロともなると,凡人とは異なる感性があるのだろう。
 「ラプソディ・オブ・ザ・シーズ」を日本語では「海の狂詩曲」あるいは「海の幻想曲」とでも言うのだろうか?リストの「ハンガリー・ラプソディー」やガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を連想させる,ロマンチックな雰囲気のある名前だ。いつかこんな船で,世界一周でもしてみたいものだが。

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