キジバト
(雉鳩)
別名:ヤマバト(山鳩)
ハト目 ハト科 留鳥
全長:約33cm

| 前夜来の大雨で,我が家の隣の空き地に小さな水溜まりができた。そこでスズメが一羽,羽虫でも落としているのだろうか?気持ち良さそうに水浴びをしていた。何げなくそれを眺めていると,キジバトが一羽あらわれて,スズメの様子をジッと見つめていた。 | |
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| スズメの気持ち良さそうな姿に刺激されたのか,キジバトが右や左に羽を広げて,ウオーミングアップのような仕草をしたかと思うと,身体全体を浅い水溜まりにつけて,ブルブルと身体を震わせた。そのあまりにも激しい動きにスズメはビックリ仰天,飛び上がって,何処かへ飛び去ってしまった。 | |
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| 残されたキジバトは,一羽悠然と水浴びを楽しんでいたが,突然,尻を私の方に向け,頭部を水の中に突っ込んだ。見る間に全身の三分の二くらいが水没,足をバタバタ苦しそうにもがき始めた。 | |
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| こんな浅い水溜まりで溺れるはずもないのに?と思いながらも,私はカメラ片手に隣の空き地へ駆けつけた。そこで見たキジバトの姿に私は唖然とさせられた。溺れているように見えたのは目の錯覚で,まるで手品の種明かしでも見ているような姿がそこにあった。 | |
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| キジバトの名前の由来は,羽縁が赤褐色で,ウロコ状に見える模様が,キジのメスの上面に似ていることからきているが,ヤマバトの別名もある。鳴き声は“デデポッポー・デデポッポー”とのどかな感じで,鳴き声からはヤマバトの名がふさわしい気がする。 ヤマバトと呼ばれるのは,かって市街地には少なく,山里で繁殖,冬に市街地へ訪れる漂鳥だったからだが,今では都心でも見られるほど,ポピュラーな野鳥で,観音崎公園内は勿論,周辺の住宅地でも見かけることが多い。 |
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![]() 2007.2.19 |
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| 市街地の公園や駅前広場,神社仏閣の庭園等で見かけるドバトは,人懐こく群れていることが多いが,キジバトは人を恐れないものの,人とある程度の距離を保ち,一羽かつがいでいることが多く,群れているのは見たことがない。 観音崎公園内で見かけるキジバトもほとんどがつがいで,その仲の良さは鳥ながらヤキモチを焼きたくなるような雰囲気がある。仲の良い夫婦をオシドリ夫婦というが,オシドリは動物園へでも行かないとお目にかかる機会もないので,キジバト夫婦あるいはヤマバト夫婦と呼んだ方が,若い人には解りやすいような気がする。 |
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![]() 2007.7.9 |
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![]() 2007.3.7 |
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| 繁殖期になると,つがいでケーブルの上に留まり,オスがメスにプロポーズする姿を時々見かける。まずは揃って身だしなみの羽繕い?それが終わると,オスの求愛行動が始まる。 横を向いて素知らぬ顔をきめこむメスに,オスは頭をコックリコックリ上げ下げ“ククルククー・ククルククー”と鳴きながら,懇願するようにメスへにじり寄る。メスがプロポーズを受け入れ,オスの方に顔を向け微笑み返す?と,めでたく求愛成立となる。 ところが,メスが何か気に入らないことがあると,プイと横を向いたまま,時には飛び去ってしまうこともある。一羽取り残されたオスの姿はなんとも気の毒で,我が身につまされる思いだ。 |
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![]() 2006.10.9 |
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| キジバトとドバトはほぼ同じ大きさをしているが,見分け方は比較的簡単だ。キジバトはほとんど一羽か二羽で行動するのに対して,伝書バトが野生化したドバトは,群れで行動することが多い。外見上の特徴的な違いは,キジバトの首にある青と白の縞模様,ドバトにはこの縞模様がないので一目で見分けることができる。 また,キジバトはオス・メスに関わらずどれも似たような模様や色合いをしているが,ドバトはそれぞれ個性的で,少しずつ模様や色合いが異なっているのが面白い。 |
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![]() キジバト |
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![]() ドバト(カワラバト) |