観 音 崎 慕 情

 観音崎にご当地ソングがあるのをご存知ですか?

 私はつい最近までその存在を知らなかったが,2002年11月中旬開催された,私の住む団地の文化展で,観音崎のいろいろな写真と共にこの詩が展示されて居るのを見て,初めてそれを知った。

 私がそれを眺めながら写真に撮ったのを,たまたま居合わせた作詞の中西貞雄先生がご覧になり,声をかけられ,この歌が1986年にカラオケ同好会の仲間と歌うために作られたことを教えていただいた。なかなかロマンチックな詩で,私は厚かましくもその場で,ホームページへの掲載をお願いしたところ,快くご承諾いたき掲載の運びとなった。


この写真は,中西先生が作成されたものです。
「観音崎慕情」の楽譜掲載
 
 2003年6月,歌詞をご覧になった横浜の歌謡愛唱会のアコーディオン奏者・福田安弘氏から「仲間と歌いたいので楽譜を入手できないか?」とのメールを頂いた。中西先生経由小宮先生にお願いしたところ,楽譜と共に「観音崎慕情」のテープを頂戴。福田さん宛郵送すると共に,小宮先生のご了解を得て楽譜も掲載できるようになった。
 

神奈川公会堂ホールでの演奏実現!
 
 2005年9月末,横浜の歌謡愛唱会のテノ−ル歌手・小泉勝男氏からメールを頂いた。
 略……とても素敵な曲で、何とかして自分で歌いたいと思い、趣味としている歌の発表の場で演奏したく、準備を進めておりますが、肝心の作者(詩・曲の)に了解を得ておりませんでしたので、作者の中西様と小宮様に了解を頂きたいと思いましたが、連絡先がわかりません。 そこで、失礼かとは思いますが、kamosuzu様がご存知と思い、このメールを差し上げました。……略

 早速,一年前に亡くなられた作詞の中西先生の奥様にこのことをお話ししたところ,ご承諾と共に小宮先生の連絡先を教えていただいた。小宮先生のお宅は我が家からなんと10分足らず。バイクを飛ばしお訪ねしてお話しすると,殊の外喜ばれご快諾いただき,その上,楽譜や「観音崎慕情」「小宮佐地子作曲集」のテープまで頂戴。そしてついに2005年10月30日(日)コンサートでの演奏が実現した。
 
懐かしき青春歌謡が今甦る

 出  演   テノール独唱   アコーディオン   ピアノ
         小泉 勝男     福田 安弘     橋本 麻子

 
 賛助出演     小泉 礼子 ・ 福田美知子 ・ 皆川 貴子

演 奏 曲 名
懐かしの青春歌謡
(伴奏:アコーディオン)
「自転車旅行」「うるわしの虹」「さざん花の花」
「思い出は雲に似て」「南の薔薇」「ピレネーの山の男」
「青春日記」「観音崎慕情」「よこはま詩集」
「あの尾根遠く」
アコーディオン演奏 「ゆうやけこやけ変奏曲」
アコーディオンと
 
ピアノのアンサンブル
「クーフシュタイナー」「ヴィオレッタに捧げし歌
懐かしの青春歌謡
(伴奏:ピアノ)
「わすれ雪」「秋の月
ナポリ民謡 カンツォーネから「海に来たれ」「さらばナポリ」
「アル・ディ・ラ」
皆様ご一緒に! 「赤とんぼ」「里の秋」「四季の歌」「リンゴの歌」
「高校三年生」
 会場の神奈川公会堂ホールは,50代後半から70代の元若者でほぼ満席の大盛況,今年還暦を迎え,赤いステージ衣装が似合う小泉勝男さんの美しいテノール独唱,アコーディオン伴奏の福田安弘さんとのコンビネーションも抜群で,懐かしい青春歌謡が次々と熱唱された。

 「歌とアコーディオンに寄せて」と題するコンサートは平成13年に第一回がスタート。年一回のピッチで開催され,今年は第五回目で節目の年にあたり,新趣向として小泉さんの独唱に続き,皆川貴子さんとのデュエットによる「観音崎慕情」が披露された。

 お二人のハーモニーによる「観音崎慕情」はことのほか美しく,特別に撮影許可を頂いたステージ写真を危うく撮り忘れそうになるほどで,改めてこの歌の素晴らしさに魅了された。終曲後,横須賀・鴨居から遠路ご主人とお越し頂いた作曲の小宮佐地子先生がステージ上の小泉さんから会場の皆様に紹介されると,暖かい拍手が会場から沸き上がりました。「よこはま愛唱会」の方々によって甦ったこの素晴らしい歌が,地元横須賀でも末永く歌い継がれていくことを期待したい。
歌の誕生
 
 横須賀・鴨居の臨海団地に住む,歌好きの主婦が集まって生まれた「臨海さざなみコーラス」の代表を務めていた小宮佐地子さんが作曲,メンバーのご主人中西貞雄さんが作詞を担当して1986年に誕生。その年,浦賀公民館で開催されたコンサートで発表されました。
文・写真 : 「広報よこすか」1986年11月号から転載 
 

発表を前に意欲的な練習が続く
博物館の新館記念式典で演奏
 
 1989年5月観音崎自然博物館の「保存会発足十周年・新館移転記念」式典で臨海団地の「スーリール・アンサンブル」のメンバーにより「観音崎慕情」が,新館のエントランスホールで演奏された。
 

写真 : 小宮先生提供
 観音崎自然博物館は1953年6月に観音崎観光(株)により創設され,世界で初めてマダイの養殖に成功する等の輝かし業績を残したが,経営不振のため1978年には閉鎖が検討された。閉鎖の危機に直面した1978年4月,地元有志による署名活動が行われ「観音崎自然博物館を守る会」が発足。翌年,1979年1月に「社団法人観音崎自然博物館保存会」が設立された。

 それから10年後の1989年5月,多くの方々のご尽力により新館がオープン。同館は素晴らしい海洋博物館となり,多くの学生や一般の見学・研究に好適の施設となったが,資金面では苦しく,保存会の会長他幹部は募金活動を続けていた。その実情を知った小宮さんは「観音崎慕情」のカセットテープの収益金を同館に献金された。
豊田清修氏著 「思い出の歌謡物語」から要旨引用
 

たたら浜園地にあった旧館

新 館
世間は広いようで狭い!
 
 演奏の了解のご返事をしてから数日後,刷り上がったばかりと思われるコンサートの案内状と招待状が郵送されてきた。その案内状を家内に見せると「賛助出演の皆川貴子さんは私の知ってる人と同姓同名だわ!」と声を上げた。家内の知っている皆川さんは同じ団地で,我が家から歩いて数分の場所に住まわれ,家内と同じコーラスグループ「横須賀女声合唱団」で活躍されている。

 まさか?とは思いながらも,翌日,家内は案内状を持ってコーラスの練習に出かけた。帰宅後,「同姓同名どころか同一人だったわ!」と驚いたような顔で言った。これは後で判ったことだが,皆川さんは横浜生まれの横浜育ち,同じく今回賛助出演された小泉さんと福田さんの奥様とは幼なじみで長いおつきあいとのことで,「世間は広いようで狭い」を実感した。 
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