ジュズダマ
(数珠玉)


イネ科  多年草
草丈:約1m

 熟して黒くなった果実が,数珠に似ていることから,ジュズダマと呼ばれるイネ科の多年草。以前は荒れ地や道端でよく見かけたものだが,最近は空き地が少なくなり,舗装道路が増えた関係で,あまり見られなくなり,私の記憶からも消え去ろうとしていた。

 ところが8月の初め,札幌のかわちさんから掲示板に”ふれあいの水辺などにジュズダマは生えていますか?懐かしいので見てみたいです。”との書込があり,改めて自宅の周辺や観音崎の公園内を探してみたが,簡単には見つからない。

 それ以来,観音崎へ出かけるたびに,目を皿のようにして探していたところ8月21日,花の広場の荒れ地で,ようやく一本のジュズダマを見つけ,さらにその周辺で計6本を発見した。

 現在ジュズダマは,写真のように緑色をしているが,秋になり熟して黒くなった時点で採集,博物館や公園協会の関係者と相談の上,来春適地と思われる荒れ地で増殖出来ればと考えている。

 増殖して果実が沢山採れるようになったら,糸でつないで数珠を作る遊びを,子ども達に教えてみたいと思うが,はたして現代っ子は喜んでくれるであろうか?
2003.8.21
  
  
ジュズダマ遊び
 
 ジュズダマ遊びについては,ご年輩の方の多くは昔を懐かしく思い出されると思うが,お若い方や都会育ちの方にはピンとこないかもしれない。そこでインターネットで調べてみると”昔遊び”というサイトに可愛いイラスト入りでジュズダマ遊びが紹介されていた。

 ジュズダマで作ろう!
 ネックレス:http://www.success1.co.jp/mukasi/no.05/ote.html
 お 手 玉:http://www.success1.co.jp/mukasi/no.05/ote2.html 
  

2003.9.22
 

2003.10.7
 浦賀のmtskさんからメールと写真を頂戴した。
 
 初めまして。時々ホームページ拝見しています。本当に最近ジュズダマ見ないですね。昨年浦賀駅の北側の道端で見つけた実を庭に蒔いたのを思い出したので、探して見ましたら、なんと一本ありました。写真送ります。

 mtskさんがジュズダマの実を庭に蒔いたこと,このページがきっかけでそれを思い出し,写真に撮ってメールしていただいたこと,私は嬉しくなって,mtskさんにこのページに写真とメールを掲載することをお願いした。

 早速のお返事有り難うございます。今,本家のジュズダマの写真撮りに来ました。天候不順のためか、あまり成長していません。名前は、mtskで良いです。これからもよろしくお願いします。

 mtskさんの写真を見ると,お庭のジュズダマは栄養が良いせいかまるでトウモロコシのように,太く頼もしい気がします。いくつ実を蒔いたのでしょうか?私も今年は実を採集して先ずは我が家の庭で栽培してみたいと思っています。

 それにしても,mtskさんのようにジュズダマを忘れずにいてくれた人がいたことを心強く思います。カラフルな園芸植物がもてはやされる昨今ですが,ジュズダマのような日本古来の植物を保護増殖する必要性を痛感します。

 神奈川県公園協会と観音崎自然博物館では,これまでも協力して海岸植物の保護・復元・増殖活動や,ふれあいの池周辺のビオトープに見られるように,半夏生・ガマ・ミソハギ等々の水辺植物の復元活動を行っているが,ジュズダマ等の山野草の分野では気がかりなことが多々ある。

 春の七草・秋の七草・万葉集に登場する草花等々,広大な観音崎公園の一角に日本古来の植物を復元・保護・増殖する園地が出来たらと,夢が広がる昨今です。
2003.8.31
 

mtskさん宅のジュズダマ

本家のジュズダマ
 先日掲示板にmtskさんからジュズダマに関する書き込みをいただいた。一年前の2003年8月21日ジュズダマのページをアップしたことを思い出し,観音崎の近況報告をさせていただこうと思う。

 昨年,ジュズダマを探し回った時点では群生地は見つからず,近い将来絶滅してしまうのではと心配になったが,その後観音崎へ行くたびに気にかけていると,一般の人はあまり立ち入りしない荒れ地3ヶ所で大きな群生地を発見した。

 それらの場所はそれぞれ離れているがいずれも国有地で,当面開発の恐れはないので,観音崎のジュズダマはしばらく安泰と思われる。しかしながら,比較的手入れの行き届いている公園内の園地や園路沿いでは,皮肉なことにジュズダマはほとんど見当たらない。

 唯一例外は,ふれあいの森・果実の森から防衛大学方面へ通じる坂道にある小群落で,その場所のジュズダマは公園協会も意識して残していると思われる。

 台風一過,ようやく強風もおさまり,夏の日差しが戻った2004年9月1日現地へ出かけてみると,群落は昨年より一回り大きくなった感じで,生き生きとしてビッシリと実をつけていたので一安心である。 
  
      
     

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