イソヒヨドリ
(磯鵯)
スズメ目 ヒタキ科 留鳥
全長:約25.5cm
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鴨居港岸壁の古タイヤ製防舷材の上に,一羽のイソヒヨドリのオスが留まっていた。写真を撮ろうとしたが,逆光のため思うような写真が撮れない。順光側に回り込むため,恐る恐る足音を忍ばせ,4〜5m離れた場所を岸壁伝いに移動してみた。野鳥の多くは,人の気配を感じただけで飛び去ってしまうものだが,このイソヒヨドリは私の存在を無視するかのように,ほとんど動こうともしない。 | |
2005.3.7 | |
順光側から見るイソヒヨドリのオスは実に美しい。5mほど離れた場所からカメラを向けたが,飛び去るどころか,愛らしい瞳で私を見つめ,いろいろなポーズをしてくれる。 | |
しばらくするとイソヒヨドリは古タイヤから岸壁へ飛び移り,ピョンピョンと私に向かって近づいてきた。これには私の方がすっかり面食らってしまったが,間近で見るイソヒヨドリのオスは,単に”美しい”という言葉だけでは片づけられない微妙な配色・色彩がある。 その美しさに見とれながらも何枚かの写真を撮ったところへ,犬を連れ岸壁を散歩するお年寄りが現れたためどこかへ飛び去ってしまった。 3月も半ば過ぎるとイソヒヨドリの求愛シーズンとなる。オスの鳴き声はウグイスやオオルリに勝るとも劣らない美しさがあり,3年前,観音崎大橋の上で聞いた,まるで天上の音楽のようなラブソングを,私はいまだに忘れることができない。その頃このオスに再会できたら,どんな鳴き声を私に聞かせてくれるだろう! |
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観音崎京急ホテル下の磯でイソヒヨドリのメスを見かけた。メスはオスに比べると地味な感じで,写真にとってもあまり見栄えがしないため,カメラを構えずただ漠然と眺めていた。近くを人が通ると一瞬飛び立つが,すぐ近くに舞い降りる。 それを何回か繰り返しているうちに,舞い降りた瞬間,その姿を見失うことが多いことに気づいた。何故だろう?老眼のせいだろうか?新聞はメガネなしでは読めなくなったが,遠目は今でも健在な筈だ? 念のため数枚の写真を撮り,パソコンに取り込んだ画像を見て,その理由がわかったような気がした。岩の上にいる時,砂浜にいる時,二つの画像を見比べると,羽の色合いが明らかに異なる。周辺の色模様に同化しているように見える。イソヒヨドリのメスは羽の色を変化することができるのだろうか?単に,光の関係でそのように見えるだけかもしれないが,その同化ぶりは実に見事だ。 |
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2007.1.22 | |
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観音崎大橋をバイクで走行中,鳥の美しい鳴き声を聞いた。ウグイスやメジロとは明らかに違う,私が初めて耳にする鳴き声だ。バイクを止めて,鳴き声の主を捜すと,橋の欄干の上に二羽のイソヒヨドリが留まっていた。オスがメスに求愛のラブソングを歌っているらしい。 懸命に囀るオスに対して,メスは横を向いて振り向こうともしない。オスが囀りながらメスに近づこうとすると,メスはその分横へ移動してしまうため,オスとメスとの距離は一向に縮まらない。より鮮明な写真を撮ろうと私が少し動いた途端,二羽のイソヒヨドリは飛び去ってしまった。 |
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2002.3.19 | |
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家の近くのコンビニへ買い物に出かけたところ,どこからかツツピーコー,ヒリョーヒリリーと美しいイソヒヨドリ独特の美しい囀りが聞こえてきた。イソヒヨドリの名前が示すように,観音崎の磯で見かけることが多いが,周辺の市街地でもしばしば姿を見かける。 声の主を探すと,コンビニの前にある自動車整備工場の屋根のてっぺんに一羽のオスを見つけた。美しい鳴き声にしばらく聞き惚れていたところ,チチー?と短いメスらしき鳴き声が聞こえた。その声を聞いた途端,オスの様子が一変,声を一段と張り上げ,美しさを誇示するかのように羽を広げはばたいた。 メスは何処?と,オスの目線の先を見ると,道路を隔てたケーブルの上に,まるでオスにお尻を向けるかのように留まっていた。私はその姿を見て,2年前,観音崎大橋の欄干の上で,熱心にラブコールしていたオスのことを思い出した。 どうやらメスは多少気があっても,簡単にはオスのラブコールには応えてくれないようで,しばらくしてメスはどこかへ飛び去ってしまい,オスは慌ててその後を追いかけ飛び立ったが,果たしてめでたくゴールインできることやら気がかりである。 イソヒヨドリは全長約25.5cmの留鳥で,野山に棲む全長約27.5cmのヒヨドリと比較して,見た目も若干小振りである。しかしながら,オスの体色と鳴き声は,ピーヨ,ピーヨとただ騒々しいだけのヒヨドリに比べ,段違いに美しい。食べ物は昆虫・フナムシ・カニなどで,海岸沿いの園路を歩いていると出会う機会が多いのも,その食性にあるようだ。 |
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2004.4.12 | |
素知らぬ顔の♀ |
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大潮で干上がった腰越の磯へ行くと,ツツピーコー,ヒリョーヒリリーとイソヒヨドリのオスの鳴き声が聞こえてきた。ところがいつもの美声と比べるとどこか雰囲気が違う。 鳴き声の主を探すと,20m位離れた岩の上で1羽のオスがしきりに囀っている。デジカメでズームアップして見ると,なにやらイソメのような虫を口にくわえてメスにプロポーズしているようだ。イソヒヨドリのプロポーズはこれまで何回か目にしてきたが,このような姿は初めてである。 虫をくわえているためいつもほどの美声ではないが,虫を落とすことなく囀る健気な姿は感動ものである。ところがメスは一向に姿を現さない。オスはそれでもしばらく囀っていたが,やがて諦めたのか,何処かへ飛び去ってしまった。 |
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2004.5.7 | |
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工場の屋根の上にイソヒヨドリのオスが止まっているのを見つけ取り敢えず写真を撮った。更にズームアップして撮ろうとした瞬間,私の気配を察したのか,飛びたってしまった。慌ててシャッターを押し,帰宅後,画面を見たところ,運良くイソヒヨドリが飛翔する姿が残されていた。 | |
2011.5.14 | |