ホウロクシギ
(焙烙鷸)
チドリ目 シギ科 旅鳥
全長:約61.5cm
走水水源地へ花見に行った帰途,馬堀海岸と走水海岸の中間付近の磯で,潮干狩りをしている人たちを見かけた。走水海水浴場内での潮干狩りは有料だが,この付近は無料なので,春の大潮時には大勢の人が潮干狩りに訪れる。 朝の味噌汁分くらいは捕れるのだろうか?何気なく眺めていると,その人達の近くでエサをついばんでいる見かけない鳥がいるのに気づいた。二年前,たたら浜で見かけたチュウシャクシギに似ていると思ったが,クチバシがそれよりだいぶ長いように感じられる。 私のいる場所から30mほど離れていたが,取りあえずズームアップして数枚の写真を撮った。鳥と近くにいる人との距離はせいぜい7〜8m。人をあまり恐れていないように感じられたので,接近させて貰うことにしたが,急接近すると逃げられてしまう危険性もあり,徐々に接近しながら,その都度,数枚の写真を撮った。 写真を撮りながら観察していると,人をそれほど恐れてはいないが警戒はしているようだ。近くにいる人とは常に7〜8mの距離を保っている。人が接近してくるとその分離れるが,飛び立とうとはしないでせっせと何かを啄んでいる。 |
2007.4.5 |
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徐々に接近しながら写真を撮り,ついには7〜8mの距離に最接近した。これ以上接近することは逃げられてしまう心配もあり,その必要もない。私のデジカメでも充分鮮明な画像が期待できる距離だ。岩の上に腰を据えて,長くて下方に湾曲したクチバシを持つ珍しい鳥を,いろいろな角度から撮影させて貰った。 気づくと15分ほどの間に写真の枚数は100枚を超えていたが,それでも鳥は飛び立とうとせず,せっせとエサを啄んでいる。やがて少し疲れたのか,波打ち際で,まるで温泉にでも入っているような姿で寝そべってしまった。飛翔写真も撮りたいと思ったが,当分飛び立ちそうもないのでその場を後にした。 帰宅後,野鳥図鑑であれこれ見比べてみると,チュウシャクシギよりクチバシの長いダイシャクシギに似ているが,腹の部分がそれほど白くない。どうやら近似種のホウロクシギと思われる。 ホウロクシギは日本に渡来するシギではダイシャクシギと並んで最大級。世界に約21,000羽いると推定されているが,生息環境の悪化に伴い個体数が減少,環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されている。 オーストラリアなどで越冬して,夏にシベリヤやカムチャッカ,中国東北部で繁殖。日本には春と秋の渡りの途中立ち寄る旅鳥だが,仲間とはぐれ余程お腹を空かしていたのだろう。 |
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お腹を空かしたホウロクシギは,長いクチバシで何やらせっせと啄んでいたが,肉眼では何を食べているのか判らない。その瞬間を何枚か写真に撮り,帰宅後,写真を拡大してみたところ,その中にカニをくわえているものが一枚見つかった。ホウロクシギはカニが好物のようだが,丸飲みにはしないで,カニの手足をその長いクチバシで削ぎ落とし,胴体だけを食べる習性があると言われている。 |
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