走水神社

包丁供養祭

包丁塚
   
 包丁塚は走水の住人であった大伴黒主(尊が命名)が,日本武尊にハマグリの料理を献上して喜ばれた故事から,包丁への感謝と鳥獣魚介類の供養のため,昭和41年11月(1966年)神奈川県調理師協会が発起人となり,調理業界をはじめ一般の方々の浄財により建立されました。以来毎年,供養祭が行われています。当初は年により開催日が異なり一定しませんでしたが2012年以来は5月5日に定着しています。但し確定とは限りませんので,お出かけの折は念のためご確認下さい。
  
包丁供養祭
  

2006.11.28
  
四條流 包丁式
  
 包丁供養祭では神職による祭事執行の後,四條流による包丁式が行われる。平安時代から伝わる伝統的な儀式で,右手に包丁,左手に真魚箸(まなばし)を持ち,まな板の上の鯉に手を触れることなく見事にさばく。料理人は自身の六根清浄と天下太平・五穀豊穣等を祈念しつつ,鯉や鯛などの魚,鴨や雁などの鳥を料理すると言う。
余   談
 四條流による包丁式を初めて見た時,私には予備知識が全くなかった。何やら古めかしい装束をした人が,神妙な顔で包丁と鉄の長い箸だけを巧みに使い,手を触れることなく鯉を切り刻み,まな板の上に並べる。包丁さばきの見事さを見せる,ただそれだけのショーかと思った。

 ところが,並べ終わったまな板の上の鯉を眺めて,なにやら「傘」か「命」とも読み取れる固まりがあるのに気づいた。包丁式終了後,たまたま社務所前に人待ち顔で佇んでいた料理人をお見かけし,厚かましくも尋ねてみた。「先ほどのまな板の上の鯉の切り身は,文字のように見えたのですが,なんと書かれていたのでしょう?」料理人は微笑みながら長命の鯉と書きました。」と答えられた。

 後で調べてわかったことだが,鯉の切り型には「長命の鯉」の他に「長久の鯉」「龍門の鯉」「登龍の鯉」等々,40種以上の切り型があるとか。古式豊かな包丁式は一見の価値がある。

上記写真の文字は私が推理してあてはめたものです。
間違っていましたらご一報下さい。

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