ハンゲショウ
(半夏生)

ドクダミ科 多年草
白化時期 6〜7月
草 丈 50〜100cm




 ふれあいの池の水辺で,ハンゲショウが化粧?を始めていた。ハンゲショウは漢字で半夏生と書き,夏至から数えて11日目に当たる日を,雑節の一つで半夏生と呼び,毎年7月2日前後が半夏生になる。尚,入梅・八十八夜・土用等も雑節の一つである

 水辺に生えるこのドクダミ科の多年草は,この頃になると茎の上部の葉が白くなることから半夏生と呼ばれると,国語辞典や大部分のHPで紹介されているが,葉の一部だけが白く変わるので半化粧とする説もある。

 ネットで「ハンゲショウ」をキーワードに検索,幾つかのページを拾い読みしたところ,横須賀と関係の深い作曲家,故團伊玖磨さんの随筆の話が面白かったので,その一部をご紹介したい。

 ……それにしても,半夏生の名はどうも半化粧の方が感じが出る。……その先端の二,三枚の葉を白化させているのを見ていると,花魁か芸者か知らないが,玄人筋の女が鏡台の前で厚化粧に取りかかっている最中に,用を思い立ってふと立ち上がったような姿に見えてならない。…… 

 私も團伊玖磨説に同感であるが,それにしても,ハンゲショウを題材にして,これだけの随筆をものにするとは,さすが日本を代表する作曲家だけのことはあると,妙なところで感心している音楽の分からない私である。

 そこで一句!  呼び鈴に 出るに出られぬ ハンゲショウ   十茶
              (チョット待ってと マスクを探し)

 白化したハンゲショウの葉は,花が散って夏の終わりが近づく頃には,再び緑に戻るとのことで,その変化する様子をお届けしたいと思う。  
2003.6.19

2003.6.19
  

2003.6.19
  

2003.6.25
 夏至から11日目に当たる7月2日,カレンダーを見ると確かに半夏生とある。私はこの歳になるまで,恥ずかしながら入梅・八十八夜・土用等の雑節は知っていたが,半夏生はハンゲショウを題材にするつい最近まで知らなかった。

 半夏生の日のハンゲショウはどんな具合であろうかと,興味津々ふれあいの池を訪ねてみると,ご覧のようにお化粧もだいぶ仕上がったようで,緑色の部分とのコントラストが,妙に美しく艶めかしく感じたのは團伊玖磨さんの随筆のせいであろう。

2003.7.2
 半夏生から二週間が過ぎた7月17日,その後のハンゲショウの様子が気になり,久しぶりにふれあいの池へ出かけてみると,私の写真の対象としていた株が見当たらない。おそらく誰かが持ち去ったものと思われるが,本当に残念なことである。

 やむを得ず辺りを見回し,代役を物色してみたが,大半のハンゲショウは花が終わり,お化粧落としが始まるか,既に終わるかして,6月19日頃の状態に戻っていた。そのころの写真と比べて異なるのは,花のツボミが実に変化しただけで,葉の状態はほぼ元に戻っているから不思議である。

2003.7.17
 半夏生から約一ヶ月が経過した8月5日,ハンゲショウはお化粧の名残が若干残っているものの,ほぼ元の状態に戻っていた。ハンゲショウは何故,半夏生の前後,白く化粧するのか?私には未だにその訳が解らない。

2003.8.5
2005.6.28
 
 3週間ぶりに観音崎公園・ふれあいの池を訪れると,ハンゲショウのお化粧がだいぶ進んでいるのに驚かされた。3週間前はその気配もなかったが,7月2日(土)の半夏生を前にして,お化粧はほぼ仕上がった感がある。今年は昨年に比べて数も多く,お化粧ののりも良いのか?辺りに艶めかしい雰囲気さえ漂っていると感じるのは,私の気のせいであろうか?
  
  

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