洋上風力発電船
ふくしま未来

 2013年6月28日(金)15時30分頃,大きな風車を乗せた浮体構造物が,4隻のタグボートに曳航されて観音崎沖を通過した。その様子を観音崎近くにお住まいの宮本朱美さんが撮影,メールで写真を送って頂いた。

 写真の主は洋上風力発電船「ふくしま未来」。恥ずかしながら迂闊にも,私はこのような設備が観音崎の対岸,千葉県市原市の三井造船千葉事業所で建造されていることや,この日,福島に向けて曳航されていくことも知らなかった。

 改めて本船について調べて見ると,洋上風力発電は,東京電力福島第一原発事故からの復興策の目玉として,政府が後押しして世界初の事業化を目指していることがわかった。

 福島第一原発事故後,日本の原発54基の内,現在稼働しているのは関西電力大飯原発3,4号機の2基のみ。「脱原発!」が声高に叫ばれているが,原発に代わるエネルギー源の決め手は残念ながら今のところ存在しない。

 「ふくしま未来」はあくまでも実証実験設備。実用化に至るまでには,紆余曲折が予想されるが,日本は四方を海に囲まれ,排他的経済水域は世界で6位と広い。東日本大震災の復興策の一つとして一日も早い実用化が期待される。

(c)宮本朱美
2013年6月26日 読売新聞・朝刊
2013年7月2日 読売新聞・朝刊

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