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ガリバー観音崎に上陸?

 
 「第2回観音崎フェスタ」が,観音崎バス停近くの第2駐車場に特設されたイベント会場を中心に,「遊んで学べるオモシロまつり」のサブタイトルにふさわしい各種行事が開催された。

 ところが,朝から小雨がぱらつき,分厚い雨雲が垂れ込め,更には冷たい北風が吹き抜けるあいにくの天気で,行事が中止になるのでは?との重苦しい雰囲気が会場に漂い始めた。

 そこへ突然,赤いコートをまとった金髪の大男が,江戸時代からタイムスリップしてきたような役人風のサムライと共に現れた! 夢ではないかと目をこすりながら,2mは超えると思われるその大男を良く見ると,子供の頃絵本の「ガリバー旅行記」で見おぼえのあるガリバーそっくりである。
2004.10.30
  
 ガリバーがなぜ今頃観音崎に?驚き呆れる私を尻目に,ガリバーとサムライは会場へ訪れたお客さんと握手をしたり,サインをしたり,時には記念写真を撮ったりと,なかなかサービス精神旺盛な二人である。
  
  
 その後も二人は,オープニングセレモニーで子供達と一緒にくす玉を割ったり,輪踊りでは地元の踊り子さん達に混じり,見よう見まねで踊りを披露する等々愛嬌を振りまき,悪天候で沈みがちな会場の雰囲気を,明るく盛り上げてくれた。
  
  
 しばらくして,ガリバーは人々の輪から離れ,ポケットから何かを取り出した。なんと携帯電話である。ガリバーが携帯電話?誰と話をしているのだろう?私の頭はすっかり混乱してしまったが,何かほのぼのとした気持ちで会場を後にした。
  
 翌朝,読売新聞の横須賀版を見ると「観音崎にガリバー!?」の記事が載っていた。それを読むと,観音崎にガリバー登場の経緯が解りやすく書かれていた。

 30日開かれた横須賀市の「観音崎フェスタ」で,「ガリバー旅行記」のガリバーが観音崎に上陸していたとの解釈を基に,米海軍横須賀基地の軍人がガリバーに扮して登場,話題を呼んだ。

 英国の小説家スウィフトが著した同旅行記では,ガリバーは小人国,巨人の国に続き,1709年に日本の「ザモスキ」という小さな港町に上陸した。場所の説明から三浦半島らしいうえ,「ザモスキ」の発音が「カンノンザキ」に似ているという。ガリバーのモデルは三浦按針との説もあり,郷土史家の間では「ガリバー観音崎上陸説」がささやかれていた。

 その解釈に従うと,2009年は上陸から三百年にあたり,観光協会,町内会などによる実行委員会が「ガリバーで地域の活性化を」とフェスタの目玉に据えることにした。

 ガリバー役を務めたのは,身長203センチと同基地で最も長身のカール・キングさん(42)。雨の中,市民に記念撮影やサインに応じて盛り上げ,キングさんは「光栄です。来年も出たい。」と話していた。
 

2004年10月31日(日曜日)
読売新聞・朝刊・横須賀版
 スウィフトは「ガリバー旅行記」を1726年に出版したが,その第3編でガリバーが日本のザモスキ(Xamoschi)に上陸,ここから江戸に上がり将軍に拝謁した後,長崎から祖国のイギリスへ帰ったことになっている。
  
  

Xamoschi ザモスキ  X→K,m→nn,c→a,h→k に置き換えると
Kannosaki  カンノサキ→ カンノンザキ が観音崎上陸説の根拠のようです。
中学英語教科書に登場!
 
 「タウンニュース・横須賀版」2011年6月10日(金)号によれば,「ガリバー観音崎に上陸」の逸話が,来春から全国で使用される中学2年生の英語教科書に登場することになったという。ガリバーと観音崎のつながりをてこにした街おこしに取り組む市民グループ「よこすか未来塾」の皆さんも大喜びされているようだ。
2011.6.12
 

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