ツルソバ
(蔓蕎麦)

タデ科  つる性多年草本

  
 観音崎公園 たたら浜園地でツルソバが見頃を迎えた。県道から向かって右側の南向き斜面を覆いつくすように白い花が咲いていて,近づくとホンワカとした花の香りが漂ってくる。ジャスミンやスイカズラほどの芳香ではないが,どこか素朴な感じの香りである。

 白い花がソバ(蕎麦)の花に似ていることからツルソバと名づけられた。その実は黒っぽく食べられるが酸味があり,食用のソバ粉が採れるわけではない。ツルソバは関東以南の暖地の海岸に自生するが,観音崎ではたたら浜園地以外では見かけない。10月下旬頃から咲き始め,12月末くらいまで咲いている。 
2005.11.11
   

ツルソバの実
本物のソバ
 
 ツルソバの写真を見ながら本物のソバの花と比べてみたくなった。信州方面へ旅した時,白いソバの花を見かけたことはあるが,三浦半島では見た記憶がない。ところが先日,比較的自然が残っている横須賀しょうぶ園の周辺を散策した折,垣根のない農家の庭先に,観賞用として植えたと思われる白いソバの花を見つけた。写真を撮りながら花を良く見ると,雄しべ雌しべの先がピンク色をしていて,少し離れてみると花全体が淡いピンク色に見える。なかなか愛らしい花だ。
2005.11.4
ヒメツルソバ
   
 ツルソバに似た植物にヒメツルソバがある。金平糖のような形をしたヒメツルソバの花は,確かにツルソバがツボミの時の状態に似ている。ツルソバに比べ花や葉が小形のためヒメツルソバと名づけられたようだが,色はピンクで全体の雰囲気はそれほど似ているとは思えない。

 ヒメツルソバはインド北部からヒマラヤ辺りが原産地。明治の中頃,園芸植物として輸入されたものが野生化。乾燥に強く繁殖力が旺盛な植物のようで,近年,観音崎周辺の住宅地のあちこちで見かけるようになった。花期は長く,ほぼ一年中咲いている。

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