ルリタテハ
(瑠璃立羽蝶)



チョウ目  タテハチョウ科
前ばね長さ:30〜40mm


 
 昨年,ふれあいの池付近で,不思議な飛び方をするチョウを見かけた。上下・左右・ときには斜めに,まるでコウモリかUFOのようにめまぐるしく飛ぶその姿を,なかば呆れながら眺めていると,30mほど先の地面に着地した。

 抜き足差し足で5〜6m位まで近づき,数枚の写真を撮り,帰宅後,図鑑で名前を調べてみると,美しい青い紋様の入ったそのチョウは「ルリタテハ」と言うことがわかった。「ルリ」は漢字で「瑠璃」と書き,七宝の一つ,濃い青色の宝石のこと。

 その美しいチョウのことを思い出し,昨年見かけたふれあいの池付近へ行ってみると,運良く特徴ある飛び方のルリタテハに出会った。しばらく観察していると,ルリタテハにもテリトリーがあるらしく,しばらくある範囲を飛び回ったあと,特定の場所に舞い戻り着地することが分かった。

 そこで,ルリタテハが飛び回っている間に,着地点の近くに移動,カメラを構えて微動もせずに立ってみた。するとルリタテハは私を木石と見たか,身体をかすめるようにして,50cmほど先の橋の欄干の上に留まった。胸をわくわくドキドキさせながら20数枚の写真を撮ることができた。
2003.6.9
 
 
 
 
保護色?
 
 いつもヒカゲチョウで賑わっているクヌギの木に,あまり見かけないチョウが樹液を吸っていた。羽は保護色なのか,クヌギの木肌に良く似た紋様・色合いをしている。しばらく眺めていると羽を少し広げた。ルリタテハだった。慌ててカメラを構えシャッターチャンスを待ったが,なかなか思うようには羽を広げてくれない。

 ルリタテハは時々羽を広げるが,広げているのはほんの一瞬,すぐに羽を閉じてしまう。デジカメのシャッタースピードではそれに対応できず,何回か失敗を繰り返し,ようやく半開きの写真を一枚撮ることができた。
2003.9.16
  
幼虫発見!
   
 ツボミがふくらみ始めた我が家のホトトギスの葉に,見なれぬ毛虫を2匹みつけた。見ると毛虫の回りのホトトギスの葉は,ほとんどが丸坊主にされている。先ずは写真に撮り,昆虫図鑑のチョウやガの幼虫とあれこれ見比べてみたところ,どうやらルリタテハの幼虫と判明した。

 図鑑によればルリタテハの食草はホトトギス。間違いなくルリタテハの幼虫のようだ。ホトトギスは家内が咲くのを楽しみにしている花。一大事発生!あわててルリタテハの幼虫と成虫の写真を家内に見せて,2匹の幼虫の命乞いをした。毛虫嫌いの彼女も,美しい成虫の写真を見て,なんとか羽化するまで,目をつぶって貰うことになった。 
2005.9.18
    
成虫のまま越冬!
 
 観音崎公園の花の広場を歩いていると,UFOのような独特の飛び方をするチョウに出会った。ルリタテハだ!。目で追いかけていると,20mほど先の園路の縁石に舞い降りた。

 ルリタテハはそれ程珍しいチョウではないが,この時期見るのは初めて。これまで撮り貯めたルリタテハの写真は7〜10月の間に撮影したものがほとんど,唯一例外は,4月末に撮影したものだった。

 目の前のルリタテハは,成虫のまま越冬したと見え,羽全体が少し傷んでいるようにも見える。たまたまこの日は天候も良く,暖かい日差しに羽を広げ,日光浴をしているようだった。
2006.2.22
  
サナギ
  
 改めて図鑑を調べてみると,ルリタテハは成虫で越冬するとのコメントがあり,いささか拍子抜けしたが,思わぬ副産物があった。昨年7月末,我が家のホトトギスに見なれないサナギをみつけ,なんのサナギか判らないままになっていたものが,ルリタテハのサナギと判明したのだ。下の写真ではハッキリしないが,金色の筋のようなものが入った美しいサナギだった。
  

2005.7.24
ミツマタとルリタテハ
  
 観音崎公園・ふれあいの森のロッジ脇で,ミツマタが花盛り。満開のミツマタの写真を撮ろうとカメラを構えていると,二頭のチョウが現れた。ミツマタの花の周りを忙しげに飛び回り,時々花にとまっては吸蜜している。ルリタテハだった。厳しい冬を成虫のまま越冬し,ようやく訪れた春を謳歌しているようだ。
2006.3.8
    
 
  
 
ルリタテハのシルエット
 
 居間の白いカーテンになにやら黒い影が映っていた。近づいて良く見るとチョウのシルエットだった。薄い白地のカーテンの外側にあるガラス戸に逆さになって止まっているその姿は,拡大されて大きなシルエットになりカーテンに映っている。ルリタテハだ!と直感した。

 珍しい光景に先ずは室内から写真を撮り,カメラを持って室外へ。遠目に見るチョウには美しいブルーのサークルがある。紛れもなくルリタテハだった。記念写真を撮ろうと欲を出し,少し近づいた途端,気配を察知したか,あっと言う間に飛び去ってしまった。残念無念! 
2015.10.30
 

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