モンキアゲハ
(紋黄揚羽)

チョウ目  アゲハチョウ科
前ばね長さ  春型50〜60mm
 夏型65〜80mm
見られる時期  5〜9月




チョウの数え方
ハナゾノツクバネウツギを吸密
モンキアゲハの吸水
ヒガンバナを吸蜜
ハマカンゾウを吸蜜
夏は暑い?
海水を吸水するの?
チョウの数え方
 晩酌をしながら「クイズ・ミリオネア」という,みのもんたさん司会のクイズ番組を見ていたら,”チョウの数え方”という四択問題が出題された。 さて,正解はどれでしょう?
1.一匹,二匹  2.一頭,二頭  3.一枚,二枚  4.一ヒラ,二ヒラ
 

2002.7.23
 (クイズの答)
 クイズの解説によれば,チョウは「1頭,2頭,3頭……」と数えるのが正解だそうだ。勿論?私は知らなかった。牛や馬などの動物を“頭”で数えるのは当然だが,チョウを“頭”と数えることには違和感がある。

 何故,チョウを“頭”で数えるのだろう?その理由は英語の“head”に起因するそうだ。イギリスの動物園では飼育している生物の個体数を,種類に関係なく“head”で数える習慣があり,それを明治時代の昆虫学者達が“head”=“頭”と直訳して日本語に定着したと言われている。
ハナゾノツクバネウツギを吸密
 ハナゾノツクバネウツギ(別名:アベリア)の花の上を,2頭のアゲハチョウが飛んでいた。1頭はメス,もう1頭はオスのようで,吸蜜するメスを追いかけるように,オスは吸蜜もせずに飛んでいる。

 観音崎で一番大型のアゲハチョウ“モンキアゲハ”だ。1頭でヒラリヒラリと優雅に飛ぶ姿は良く見かけるが,2頭で飛ぶのは珍しく,ワクワクしながら2頭のモンキアゲハを写真に収めた。
2003.7.25
モンキアゲハの吸水
 観音崎公園・花の広場のオタマジャクシ池のほとりを歩いていると,池の中央辺りから黒いチョウが飛び立った。後ろバネに丸く白っぽい紋がある。モンキアゲハだ!私の足音に驚いて飛び立ったようだが,飛び去ることなく池の周辺を,フワリフワリと飛び回っている。

 私が動かずにジッとしていると,モンキアゲハは安心したのか,池の中央付近に再び舞い降りた。池は水深が浅いため半ば干上がり,水草や水苔類が大量に発生している。

 モンキアゲハは日本で最大級のアゲハチョウで,観音崎には幼虫の食草となるカラスザンショウが沢山自生しているため,モンキアゲハも多数棲息している。昨年,一昨年は原因は不明だが,発生数が極端に少なく心配したが,今年はフワリフワリ林間を飛翔する姿を多数見かけるので,一安心している。
2006.5.19
 池のほぼ中央部に舞い降りたモンキアゲハは,しばらくして羽を閉じた。羽を閉じると白い紋は前バネにほとんど隠れて見えなくなる。このようなシャッターチャンスは滅多にないことなので,慌てて数枚の写真を撮った。

 別の角度からの写真を撮るため移動しながら,横目でモンキアゲハを眺めると,私の動きに反応するかのように,羽を動かし飛び立とうとする。モンキアゲハには気の毒だったが,どのように反応するか,辺りに人がいないのを幸い,動いたり,立ち止まったり,いろいろ試してみた。

 その結果,モンキアゲハは背後の動きに対してはやや鈍感で,横及び斜め前方の動きに対して敏感に反応することが分かった。どうやら眼球の構造上そのように反応するようだ。 
 私は調子に乗って,モンキアゲハが驚いて飛び去らない程度に,池の周辺をウロチョロしながら数十枚の写真を撮ったが,その内,私の存在を無視するかのように,全く動かなくなってしまった。

 私の馬鹿げた行動にあきれ果て,付き合いきれずに休憩時間に入ったかと横へ廻ってみると,一心不乱に吸水している姿が目に入った。この日は最高気温が22.3度,ほぼ無風,夏日に近い気象条件だったため,吸水して体温を下げていたようだ。
ヒガンバナを吸蜜
 見頃を迎えたヒガンバナの写真を撮りに観音崎公園の花の広場へ出かけた。花の広場周辺ではあちらこちらにヒガンバナの小群落が見られるが,通称オタマジャクシ池の周辺が特に数が多い。

 ほぼ満開に近づいたヒガンバナにカメラを向けると,モンキアゲハが吸蜜している姿が目についた。あちらに一頭,こちらに一頭。ザッと数えて,ほぼ10頭が吸蜜している。ところが不思議なことにモンキアゲハ以外のチョウの姿は一頭もいない。見頃の花には必ず姿を見せるアオスジアゲハも見当たらない。何故だろう?
2006.9.22
 
 
 
 
 
ハマカンゾウを吸蜜
 観音崎公園・草地ビオトープで1頭のモンキアゲハがハマカンゾウを吸蜜しているのを見つけた。羽を全開して,名前の由来である白い紋様がクッキリと美しい。抜き足差し足近づいて,先ずは5〜6m離れたところから写真を1枚。そして徐々に1m位近づくたびに写真を撮ったが動く気配が無い。普通,モンキアゲハに限らずチョウ達の多くは,1m位まで近づくと,羽を開けたり閉じたり警戒心をあらわにするが,そのような様子も無い。

 よほどお腹が空いているのだろうか?そして遂に花の傍まで到着。調子に乗ってカメラをモンキアゲハの真上まで持っていったが微動だにしない。ヒョッとして死んでいるのでは? 心配になり顔を近づけのぞき込んで見ると口吻をしっかりと花の奥まで伸ばし吸蜜しているようだ。それでも心配になり,手を伸ばし羽を触って生死を確認してみようと思ったがそれも気の毒なので,触らずにその場を後にした。
2020.7.3
 
夏は暑い?
  
 走水神社近くの細道で,モンキアゲハが3頭,路上に滲み出た地下水を吸水していた。ここ数日,30°を越す真夏日が続き,流石のモンキアゲハも応えているようだ。まるで,ウチワかセンスのように,羽を小刻みに震わせ,吸水しながら体温を下げているようだ。
2008.7.14
海水を吸水するの?
  
 観音崎園地の磯で浦賀水道を行き交う船の写真を撮っていると,目の前の波打ち際に1頭のモンキアゲハが舞い降りた。何をするのだろう?不思議に思い眺めていると吸水をしているように見える。そこに水たまりは無いが海水が滲んでいるようだ。

 真夏,観音崎公園内を散歩すると池や水たまり,地下水がにじみ出ているような場所で,モンキアゲハが集団で吸水している姿をよく見かけるが,それらの水は全て真水。私はこれまで海辺で,モンキアゲハを時折見かけることはあったが,吸水している姿を見るのは初めて。本当に海水を吸水しているのだろうか?
2022.7.8
  
 
 
 

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