カタツムリ
(蝸牛)

別名 : デンデンムシ・デデムシ・マイマイ・カタツブリ

コロニー発見!
ミスジマイマイ
ニッポンマイマイ
ヒダリマキマイマイ
コベソマイマイ
ナミギセル
ナメクジ
くまのプーサンとカタツムリ
プーサン殿堂入り
コロニー発見!
 ♪でんでん虫虫カタツムリ〜〜♪ 以前は我が家の周辺でも,梅雨時にはカタツムリをよく見かけたものだが,最近はカタツムリの姿を見かけなくなった。さすがに観音崎の森の中では,今でも時折見ることはできるが,数は思いの外少ない。

 「アジサイとカタツムリ」梅雨時になると,新聞や雑誌等でよく見かける構図だが,私はこれまでこのような光景を,残念ながら自然の状態では見たことがない。今年も梅雨入り以来,念願の構図を夢に見ながら,小雨の日にもカサをさして探し回ったが,梅雨もそろそろ明けようかという今頃になっても,いまだにお目にかかることができないでいる。

 ところが雨上がりの後,滑りやすい足下に注意しながら観音崎を散策すると,天気の良い日に比べカタツムリを見かける機会が多いのに今更ながら気づき,数ヶ所カタツムリのコロニー?らしき場所も発見した。

 「アジサイの花とカタツムリ」の写真は半ばあきらめ,久しぶりにコロニー?のあるヤマグワの木を訪ねてみると,一本の木に沢山のカタツムリが生き生きと活動しているのが見えた。数えてみるとその数なん9匹,更に周辺の木にいるカタツムリを加えると,その数はザッと数えて20匹は軽く超える。これだけの数のカタツムリを一度に見たのは初めてなので感激したが,いつまでもこの平和なコロニーが続くことを願わずにはいられない。
2005.7.10
 上の写真には9匹のカタツムリが写っているが,判りにくい部分もあるので,3ブロックに分け拡大してみた。雨に濡れたヤマグワの木肌の上をカタツムリが生き生きと活動している様子がお判りいただけると思う。
 

2匹
 

5匹
 

2匹
ミスジマイマイ
 
 観音崎に棲むカタツムリのほとんどは正式名を「ミスジマイマイ」といい,関東地方に多く見られる種で,殻に三本の茶色い筋があるのが特徴。
 
ニッポンマイマイ
 
 これまで見たことのないカタツムリを見つけた。図鑑で調べると「ニッポンマイマイ」と言い,日本のカタツムリの中で,最初に学名がつけられた種とあった。観音崎では圧倒的にミスジマイマイが多いので,ミスジマイマイをカタツムリの本家と思っていたが,どうやらこちらがご本家?のようだ。
2005.7.30
 

「くまのプーさんとなかまたち」に写真掲載
ヒダリマキマイマイ
 
 ふれあいの池近くの雑草の中で,ミスジマイマイと異なる雰囲気のカタツムリを見かけた。殻の中心部が白く,殻の外周部にはミスジマイマイに似た1本の茶色い筋があるが,白い部分には茶色の筋がない。

 パソコンの画像を良く見ると更に決定的な違いがあった。殻の渦巻きがミスジマイマイの右巻きに対し,このカタツムリは左巻きである。図鑑で名前を調べてみると,ヒダリマキマイマイであることが判明した。

 日本にいるカタツムリの種類は500種以上と言われているが,右巻きがほとんどで,左巻きはなぜか5種類と1%の少数派だと言う。その意味では貴重な存在のようだ。
2005.8.27
 
 7月に20匹のカタツムリを見つけた場所へ行ってみた。その時は20匹全てがミスジマイマイと思っていたが,ヒョッとすると他の種のカタツムリが混じっているかもしれない?そんな疑問から,カタツムリを探してみたが,この日は好天で気温も高く,一匹のカタツムリも見つけることができなかった。

 あきらめて帰りかけたところで,ヤマグワの下に生えているヤツデの上に休眠状態のカタツムリを見つけた。ミスジマイマイとは異なる種のカタツムリで,殻の渦巻きは左巻きであるが,8月27日に見つけたヒダリマキマイマイとは雰囲気がいささか異なる。近くにあった池の水をそのヒダリマキマイマイにかけて様子を見ていると,しばらくして動き出したので,それを写真に撮り帰宅した。

 パソコンに取り込んだ画像を8月27日の画像と比較してみると,直感通り明らかに種類が異なるようだ。日本には左巻きのカタツムリは5種類しかいないと言われているが,これで2種類を発見したことになる。はたして観音崎には何種類の左巻きのカタツムリが生息しているのだろうか?
2005.9.16
 
 

「くまのプーさんとなかまたち」に写真掲載
 可愛らしいシロバナマンテマの花を見つけた。写真を撮ろうとカメラを近づけたところ,花の上に何やら小さいものが載っているのに気づいた。カタツムリだ!シロバナマンテマは花径8〜10mmほどの花なので,カタツムリの殻径はせいぜい6〜7mm。これまで見た最小のカタツムリだ。

 帰宅後,画像を拡大して驚いた。渦がなんと左巻きだ。新種発見?図鑑やネットであれこれ調べてみたが,埒があかない。“かたつむりスーパーデラックス”というサイトの画像掲示板に投稿,教えを請うたところ
「ヒダリマキマイマイの幼貝です。ちっちゃいですね。あと二、三年で成貝になりますよ。」とのご返事を頂いた。残念ながら,新種ではなかったようだ。
2008.5.16
 
 
 花の広場の片隅で,これまで出会ったタイプと異なるヒダリマキマイマイを見つけた。日本には左巻きのカタツムリは5種類だけと聞いているが,これで3種類を観音崎で見つけたことになる。
2009.9.7
   
 
コベソマイマイ
 
 このところカタツムリが面白い。私はつい最近までカタツムリと言えば十把一絡げ,どれもこれも同じで個体差はあっても,それほど種類が多いと思っていなかった。ところがニッポンマイマイ発見後,カタツムリをみるたびに気をつけて観察したところ,左巻きのヒダリマキマイマイを発見,ますますカタツムリが興味深い存在になってきた。

 2005年9月4日観音崎公園の第2駐車場付近で,一見ヒダリマキマイマイに似たカタツムリを見つけたが,良く見ると右巻きで茶褐色の縞模様がある。家に帰り写真と図鑑を見比べてみたが,それらしきカタツムリが見当たらない。

 そこで「カタツムリ」をキーワードにネットで検索してみたところ,そのトップに表示されたNACS-J自然しらべ2004カタツムリをさがそう」が専門的で信頼できそうだったので,サイトを運営する(財)日本自然保護協会(NACS-J)へメールで問い合わせてみた。
 
 問い合わせの結果,カタツムリの名前は「多分コベソマイマイ」とのご返事であったが,メールでの対応が丁寧で,今後の参考となる部分も多いので,メールでの交信をご紹介します。

 kamosuzu→NACS-J
 初めまして。私は横須賀市在住のkamosuzuと申します。昨日,観音崎公園で見慣れないカタツムリを見つけ,写真に撮り,図鑑等であれこれ名前を調べてみましたが,それらしきカタツムリが見当たらず名前が判りません。つきましては写真を添付いたしましたので,お手数ですが,名前をご教示方よろしくお願いします。


 NACS-J→kamosuzu
 かわいらしいカタツムリのメール、ありがとうございました。自然しらべ2004〜カタツムリをさがそう〜をご覧になってメールをくださったと思いますが、サイトでご説明したとおり、種類が多く同定が難しい生き物です。

 また、厳密に種名をお知りになりたいのか、何の仲間か程度でもよい、のかどちらをご希望でしょうか。(厳密な種名が必要な場合は、殻を持参して博物館の専門家に尋ねられることをおすすめします。)ある程度でもよろしければ、お返事ができますが、協力研究者にお聞きするため、少々お時間をいただけますか。

 なお、カタツムリでは、殻の幅と高さが重要なポイントになることが多いです。サイズは測っておられますか…?殻を横から撮った写真もあるとよいのですが。(カタツムリを調べる場合は、10円玉など、スケール代わりになるものを一緒に写しておくと便利です。

 kamosuzu→NACS-J
 早速,ご丁寧なご返事ありがとうございます。私は個人で「観音崎の自然&あれこれ」というサイトを運営しています。最近,カタツムリに興味を持ち,カタツムリのページもアップしました。

 添付写真のカタツムリもそのページに追加する予定ですので,厳密でなくても結構ですが,ある程度の種名をご教示下さい。尚,サイズは測っていませんが,殻の幅:約30mm,高さ:約20mm程度でした。

写真も今回送信した角度のものだけで,残念ながら,追加データは何もありません。今後珍しい種を見つけた時は,貴「データの取り方」を参考にしたいと思います。お手数をおかけして恐縮ですが,よろしくお願いします。


 NACS-J→kamosuzu
 研究者の方(自然しらべに協力していただいた、C博物館の学芸員・Kさん)から、お返事いただきました。(調査の合間だったようで、素早い返事。よかったです!)

 Kです。
 写真拝見いたしました。神奈川だと
多分コベソマイマイだと思います。生きたカタツムリだと少し難しいかとも思いますが、横からのカットもあると同定に便利です。今回は、きちっと書いていただきましたが、必ず見つけた場所(地名)が必要です。取り急ぎまして、ご返事のみにて失礼いたします。

 カタツムリは、殻のもようで「これに似ている」と判断しがちなので、サイトをご覧になった方が、写真を頼りに間違った判断をされないよう、くれぐれも「多分」という扱いでお願いいたします。カタツムリを通じて、身近な自然に目をむけてくれる人が増えることを期待しております!
ナミギセル
 
 カタツムリは陸の巻き貝だが,観音崎ではカタツムリの他に,ナミギセルという小さな巻き貝の仲間を時々見かける。ナミギセルは殻高約3cmの小さな貝で,仲間は全て左巻きだと言うから面白い。
 
ナメクジ
 
 ふれあいの森の中で大きなナメクジを見つけた。体長が約5cm位あり,茶色い筋や全体が肌色がかっていたので新種発見か?と思い写真に撮り帰宅したが,あれこれ調べた結果は,ごくありふれたナメクジのようでガッカリ。

 ところが,あれこれ調べると良いこともあるもので,ナメクジはカタツムリと同じ巻き貝の仲間で,殻が退化したものだとわかった。海の生物で言えばウミウシのような存在らしい。写真を拡大してみると,尾に近い部分が異様な形をしている。この辺りに退化した殻が埋もれているのだろうか?

 カタツムリはフランス語でエスカルゴ。エスカルゴの中には食用になる種もあると聞く。ナメクジも食べられるのだろうか?下手物好きの私としては放っておくわけにもいかず調査を続行。結論としては,生食はナメクジが寄生虫を媒介する危険性があり絶対禁物。どうしても食べたい場合は,塩水を煮沸した中に入れて,充分に過熱したものであれば食べられることがわかった。流石の私もそこまでして食べる気にはなれない。
2010.10.29
 
   
くまのプーさんとカタツムリ
 本ページに掲載したヒダリマキマイマイとニッポンマイマイの写真が「くまのプーさんとなかまたち」という河出書房新社発行の幼児向け雑誌2006年5−6月号の58〜59ページに掲載されました。「くまのプーさん」は1926年,原作がイギリスで誕生。約30年後にアニメ化され,今秋,原作デビューから80年を迎える。今では世界中で親しまれ日本でもお馴染みのキャラクターです。

 その記念すべき年に,私の撮ったカタツムリの写真が,プーさんと同じページに掲載されたことは,私にとってはまるで夢のような話です。初版から80年を記念して,全国の高島屋では「CLASSIC POOH COLLECTION」コーナーが開設されているとのこと。三歳になる孫を連れて横浜まで行ってこようかなどと考えています。 
 
 

(注)オオケマイマイの写真は千葉圭介氏が撮影されたものです。
プーさん殿堂入り
 
 ディズニーキャラクターのくまのプーさんが11日,米ハリウッドの殿堂入りした(AP)。今年,生誕80年を迎えたプーさんは,英国の作家ミルンによって生み出され,1966年に初めてディズニー映画に登場した。
2006.4.12

2006.4.12発行 読売新聞夕刊から転載

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