午年に因んで
「馬あれこれ」

 2026年(令和8年)/2014年(平成26年)の十二支は午。「午」は(ゴ,うま)と読み,「馬(うま)」を意味する。十二支の七番目。馬は古くから農耕などで活躍してきたことから,健康や豊作の象徴とされてきた。そこで観音崎とその周辺地域及び我が家にある「馬」に因んだあれこれを物色してみたところ,予想以上にいろいろなものが見つかった。特に馬に関する故事成語・ことわざの類の多さには驚かされた。古来,馬が人間と共に生き,愛されてきた動物の証と言えよう。
  
馬堀・淨林寺の馬頭観音
破 魔 矢
絵  馬
土  鈴
お年玉切手シート
植  物
海の生物
我が家のグッズ
馬に関する故事成語・ことわざの類
余談・・・新馬場・本覺寺の馬頭観音
馬堀・淨林寺の馬頭観音
 
 京急・馬堀海岸駅から徒歩で7〜8分,県道209号線が観音崎と防大方面に分岐する正面の場所に浄土宗・浄林寺がある。ご本尊は阿弥陀三尊だが,本堂には馬頭観世音菩薩(以下,馬頭観音と略)も祀られ,坂上には馬頭観音堂もある。

 普段は残念ながら馬頭観音を拝観できないが,浄林寺が三浦観音第20番札所で,2014年はたまたま12年に一度の「三浦三十三観音本開帳」にあたるため,2014年4月18日〜5月18日迄の一ヶ月間だけ拝観が許される。この機会に巡拝することをお勧めしたい。次回「本開帳」は2026年
 

馬頭観世音菩薩

タウンニュース横須賀版 NO.352  2014.4.11号から転載

浄林寺の御朱印
馬頭観音堂
 
 馬頭観音堂の境内には,お堂の観音様の原型とも思われる小さな観音像を中心に「馬頭観世音」と刻まれた石塔が12基奉納されていた。時代は江戸から昭和まであり,いずれも馬力屋さん等の馬に関連した職業の人が奉納したようだ。現在でも競馬の騎手やフアンが訪れることもあるという。昨年,横浜の有名な馬主が必勝祈願に訪れ,持ち馬がビッグレースで見事優勝したと聞いた。
 
破魔矢
 

西叶神社の説明板

鴨居・八幡神社の破魔矢
絵  馬
 
 神社や寺院の絵馬掛けに奉納されている絵馬の絵柄は,今年は干支が「午(馬)」のこともあって馬が多く見られるが,いつもの年は,その年の干支やその寺社に因んだ文字や絵が描かれている。それなのに何故「絵馬」というのだろう?

 奈良時代,寺社に祈願する人は神の乗り物としての生きた馬を奉納していたが,馬は高価で奉納された寺社の側でも世話が大変なため,次第に木や紙,土で作った馬の像で代用するようになり,平安時代には板に書いた馬の絵,更に室町時代になると馬だけでなく様々な絵が描かれるようになったという。……要旨:フリー百科事典・ウィキペディアから引用
 

西叶神社の説明板
西叶神社
 
東叶神社
 

源頼朝公の肖像画
鴨居・八幡神社
 

幼児向け紙の絵馬
土  鈴
 
お年玉切手シート
しのび駒
1966年(昭和41年)
飾り馬
1978年(昭和53年)
八幡馬
1990年(平成2年)
スゲ細工・稲馬/吉良の赤馬
2002年(平成14年)
琉球張子・チンチン馬/中山人形・土鈴春駒
2014年(平成26年)

植   物
 
アセビ(酔木)
 
 ツツジ科の常緑低木。和名の由来は,葉にアセボトキシンという毒素がアリ,馬が食べるとしびれを起こし,酔ったような状態になることからつけられた。アセビは万葉集にも登場する日本古来の植物。
    
オオバウマノスズクサ(大葉の鈴草)
 
 ウマノスズクサ科のつる性多年草。和名の由来は,葉の形が馬に似ていて,実が馬の首にかける鈴に似ていることからつけられた。観音崎に生えているのはウマノスズクサより葉が大きいので,オオバウマノスズクサと呼ばれている。ウマノスズクサの葉や茎はジャコウアゲハの幼虫の食草となる。 
  

ジャコウアゲハの成虫
ウマゴヤシ(肥)
 
 ウマゴヤシ(馬肥)はクローバーの俗称で,マメ科の越年草。江戸時代に牧草用として南ヨーロッパから渡来した帰化植物。飼料として馬に与えると良く肥えることからついた名前。
    
ウマノアシガタ(の足形)
 
 キンポウゲ科の多年草。和名の由来は根生葉を馬の蹄に見立てたものと言われるが,葉の形は実際には似ていないというのが,衆目の一致するところ。個々の葉ではなくロゼットの形状を指すという見解や,「鳥の足形」が誤って「馬の足形」と伝わってしまったという説がある。……フリー百科事典・ウィキペディアから引用

 ウマノアシガタにはキンポウゲ(金鳳花)の別名がある。黄色い花弁に光沢があり,陽が当たると金色に輝いて見える花を見ているとキンポウゲの方が,この花に相応しいような気がする。

2011.5.5
ウマノミツバ(の三葉)
 
 セリ科の多年草。食用になるミツバに似ているが,葉に香りがなく食用にならないので,馬に食べさせる程度という意味で名付けられた。
   
コマツナギ(繋ぎ)
 
 マメ科の落葉小低木。高さは50〜90cm程度だが,茎や根が丈夫なので,馬の手綱を繋いだことからこの名前がつけられた。下の写真は観音崎で11年前撮影したものだが,数年前に行われた急傾斜地の崩壊防止工事のため消滅してしまった。現在は別の場所で,高さ10cm程のコマツナギが生えているのを確認しているが,小さすぎるためとても馬を繋ぐことはできそうもない。
  
センニンソウ(仙人草)
別名:ウマクワズ(馬食わず)
 
 キンポウゲ科のつる性多年草 別名は全草が有毒植物で馬や牛が絶対に口にしないことに由来する。観音崎では8〜10月頃海岸部を中心にあちこちでお目にかかることができる。十字架のような純白の花をつけ,群生した花に近づくと微かな芳香を放つ。
  
海の生物
 
ウマヅラハギ(面剥)
 
 カワハギ科の海水魚。カワハギに似ているが,体型が細長く顔が馬のように長いことが名前の由来。私が10年くらい前まで海釣りを趣味にしていた時,カワハギは滅多に釣れなかったが,ウマヅラハギは比較的簡単に釣れた。地元の人達はウマヅラハギを釣り上げても馬鹿にして,海に投げ返していたので私もそれに習っていた。

 それもあって,ウマヅラハギの写真は一枚も手元になく,やむを得ずカワハギの写真を面長にして代用させていただくが,改めてウマヅラハギについて調べたところ,「味はほぼカワハギと同じで,肝が大きく美味」と書いているサイトも多いのには驚かされた。
   
ウミウマ(海
 
 和名はタツノオトシゴ(竜の落とし子)だが,別名はウミウマ(海馬),ウマノコ(馬の子),ウマノカオ(馬の顔),リュウノコマ(竜の駒),ウマヒキ(馬引き),リュウグウノコマ(竜宮の駒),ウマウオ(馬魚)等々,馬にちなんだ名前が多い。また,中国ではハイマー(海馬),英語ではシーホース(Sea Horce)と呼ばれている。
   
バフンウニ(糞雲丹)
 
 形や色が馬糞に似ていることからこの名があるが,味は美味しいらしい。観音崎周辺の磯でもバフンウニを見かけるが,小粒なものがほとんどなので,食べたことは無い。
   
バテイラ(蹄螺)
 
 和名は馬の蹄(ひづめ)に似ていることに由来する。馬蹄螺の他に馬貝・馬の爪貝・船貝・爪貝・唐人笠等の異称がある。観音崎周辺地域ではシッタカ(尻高)と呼ばれている。
 
 
我が家の馬グッズ
 
将棋の駒
 
坂本龍馬像
 
司馬遼太郎の著書
 
 我が家の本棚はバラエティーに富んでいる。サザエさんや手塚治虫の漫画と並んで,司馬遼太郎の著書が数多く納まっている。20数年前,司馬遼太郎に魅せられて,朝晩の通勤電車の中や寝床に入ってから,睡眠薬代わりに愛読した名残で,下の写真の他にも「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「菜の花の沖」等もあったはずだが,いつの間にやら何処かへ埋もれてしまったようだ。

 司馬遼太郎の本名は福田定一(ふくだていいち)。ペンネームの由来は中国前漢時代の歴史家で,「史記」の著者司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)から来ている。司馬氏は中国の氏の一つ,司馬は元々軍事を司る官職のことで,この司馬の職にあった者の子孫が司馬の氏を使うことが多い。……要旨:フリー百科事典・ウィキペディアから引用

 これは筆者の推測だが,中国前漢時代以前の戦いにおいては,馬が重要な役割を果たしていたと思われる。その馬を司る,すなわち管理することが司馬氏の職務だったのだろう。司馬遼太郎は自分がどんなに頑張っても司馬遷に遼(はるか)に及ばないからこのペンネームをつけたと謙遜しているが,司馬遷をより遼(はるか)に優れた歴史書を後世に残したいと願ってつけたのかもしれない。
 
馬頭琴のCD
 
 箱根ガラスの森美術館へ行った時のこと,イベントとして馬頭琴のコンサートが開催された。馬頭琴がモンゴルの民族楽器であることは知っていたが,その演奏を聴くのは初めて。これは後で知ったことだが,馬頭琴は「草原のチェロ」と呼ばれる弦楽器。但し,弦の本数はチェロの4本に対して2本と少ない。

 その音色は「草原のチェロ」と呼ばれるだけあって低音の響きが素晴らしく,モンゴルの大草原を吹き渡る風のような趣がある。どこか哀愁を帯びた調べは郷愁を誘い,音楽無知な私もすっかり魅了されてしまい,演奏者・賽音吉雅(SENJIYA)さんのサイン入りCDまで購入してしまった。
2016.5.18
  
   
  
 
開運石鹸
 





 馬に関する故事成語・ことわざの類
 
 馬に関する故事成語・ことわざの類は,辞典やサイトを検索してみると驚くほど数多くあるが,あまり馴染みのないものも多い。そこでここでは筆者が知っていたものと比較的馴染みやすそうなものに限定してご紹介したい。それでもご覧のような結果で,特に「馬鹿」の多さには驚き呆れた。バカバカしくなって途中で何度か止めようかと思ったが,なんとか思いとどまった。

 【馬】について日本語大辞典では次のように語釈している。
 奇蹄目ウマ科ウマ属 体高160cm内外,体重300〜700kg。性質は温和。馬車用種のほか競走用のサラブレッド種,乗用のアラブ種などがある。かっては農耕馬や軍用馬として使われていたが,現在ではほとんど使用されていない。尚,一部の地方では食用になる種もある。

 【午】について日本語大辞典では次のように語釈している。
 @十二支の第七。 A昔の時刻名。今の12時,およびその前後の2時間。「正午」「午前・午睡・午後」 B昔の方位で,南。「子午線」
 
馬が合う 気が合う。
馬から落ちて落馬する 表現の重複した,おかしな言い方のたとえ。
馬には乗ってみよ
人には添うてみよ
馬は,乗ってみなければその善し悪しはわからないし,人も,一緒に暮らしてみなければその本当の人柄はわからない。何事も,実際に経験した上で判断せよ,と言う教え。
馬の籠抜け 窮屈なこと,無理なことのたとえ。また無理を承知で行うことを言う。
馬耳東風(ばじとうふう) 人の意見や批評などを聞き流すこと。「馬の耳に念仏」と同意。
馬の耳に念仏 いくら言って聞かせても感じないで,わからないさま。
馬は馬連れ,牛は牛連れ 似たもの同士が,一緒になることのたとえ。
馬を牛に乗り換える 良いほうをすてて,悪い方につくことのたとえ。 
馬の背を分ける 夕立が一地域だけで,隣の地域には降らないさまを言う。 
鯨飲馬食 クジラのようにガブガブと飲み,馬のようにたくさん食べること。
馬脚を露わす 隠していたことがばれる。本性が出る。
馬齢を重ねる 無駄に年をとる。
馬子にも衣装 つまらない人間でも,外見が整うと,立派に見えることのたとえ。
天高く馬肥ゆる秋 気候がおだやかで過ごしやすく,食欲が増し,秋の爽やかさ,豊かさを称える言葉。
生き馬の目を抜く 人を出し抜いて,すばしこく利益を得ようとする,
油断のならない例え。
桂馬の高上り 身分不相応な地位について,
かえって苦しみ失敗することのたとえ。
犬馬の労 犬馬がよく主人に仕えることから,
人に尽くした自分の労苦を謙遜して言う語。
下馬評 (下馬先で主人を待つ間,供人達がするうわさや評判から)
世間の評判。
人間万事塞翁が馬 人間の運命のはかり知れないことのたとえ。
正直者が馬鹿を見る 悪賢い者がじょうずに立ち回り,利益をあげているのに対し,正直なものが規則を守った結果,損をする。
尻馬に乗る 深く考えずに,他人の言動に同調して行動することのたとえ。
竹馬の友 幼友だち。
天馬空を行く 遮るものがなく,また,なにものにもとらわれずに,勢いよく突き進む。自由自在・自由奔放に,活躍・着想する。
泣いて馬謖(ばしょく)を斬る 情として忍びないが,規律のためにやむを得ず罰する。
馬車馬のよう 脇目も振らずに励むことのたとえ。
子午線 「子」は北。「午」は南。 @観測者の天頂と,天球の南北両極を通過する大円。天の子午線。 A観測地点と地球の両極を通過する大円。地球の子午線。経線。 
馬を鹿に通す 「鹿を馬と言う」と同意。矛盾を,強引におし通すたとえ。人を,馬鹿にしてだますたとえ。
馬鹿 愚かなこと・人・さま・あほう。役にたたないこと・さま。
つまらないこと。
馬鹿と鋏は使いよう はさみが使い方次第でよくれるように,愚かな者も使い方いかんでは役に立つ。
馬鹿な子ほど可愛い 親にしてみれば,賢い子よりも愚かな子の方がふびんさがつのって,かえって可愛く感じられる。
馬鹿にする たいしたことではない,と見くびる。さげすむ。
馬鹿に付ける薬は無い 愚か者を治す方法はない。馬鹿は死ななきゃ治らない。
馬鹿にならない うかつに無視したり,軽んじたりできない。
馬鹿になる 本来の機能が失われて,役に立たなくなる。
ねじなどが利かなくなる。
馬鹿の一つ覚え 一つだけ覚えたのを得意がって,何かにつけて振り回すこと。
馬鹿の大足 大きな足は馬鹿のしるしであるという俗説から,足の大きな人をからかって言う言葉。 
馬鹿の大食い 愚か者に限って大食いをすると言うこと。
食事の作法をわきまえない。
馬鹿も休み休み言え 馬鹿なことばかりを口にするな。
つまらないことをいつまでもしゃべるな。
馬鹿を言え 馬鹿なことを口にするな。相手の意見を強く否定する時に言う。
馬鹿を見る 自分にとってばかばかしいことになる。つまらない経験をする。
損な目にあう。
馬鹿当り 当たりぐあいがたいへんよいこと。特に興業や商品の売れ行きが,とびぬけた成績をあげること。 
馬鹿くさい つまらない
馬鹿げる つまらなく見える。
馬鹿騒ぎ 度を過ごして大騒ぎすること。どんちゃん騒ぎ。
親馬鹿子馬鹿 わが子かわいさのあまり,親はこの愚かさを見抜けず,子は親の愛情に甘えて愚かなまねをするということ。
親馬鹿ちゃんりん(宿屋の風鈴) 親馬鹿をからかい,あざけって言う言葉。
火事場の馬鹿力 火事の時のように切迫した状況に置かれると,普段なら考えられないような凄い力を発揮すると言うたとえ。
先生と言われる程の馬鹿でなし おべんちゃらを言ったりからかったりする相手に対して,自分はそう簡単にのせられはしない,馬鹿にはされない,と言う気持ちで言う語。
(注)上記の故事成語・ことわざの類及び説明文は大半を日本語大辞典から引用
余談・・・新馬場・本覺寺の馬頭観音
 
 我が家の菩提寺は京急・品川駅から数えて二つ目「新馬場駅」のすぐ隣にある。新馬場駅は以前,目黒川を挟んで北馬場駅と南馬場駅に別れていたが,1975年統合されて新馬場駅となった。江戸時代,北馬場と南馬場一帯は東海道の品川宿で,幕府の命により,公用の旅人に対して一日当たり馬百匹,人足百人を無償で提供する義務があり,それに従事する馬小屋があったため付けられた地名という。

新馬場駅北口(旧北馬場側)

新馬場駅南口(旧南馬場側)

駅のホームは目黒川を跨いでいる
 菩提寺は旧南馬場駅,現在は新馬場駅の南口の隣にある。昨年暮,菩提寺に墓参の折,駅構内の広告看板に,駅から徒歩で3〜4分くらいの本覺寺という寺院に「馬頭観音」が祀られているとあるのを見かけた。

 新年の干支は午(馬)。これもなにかのご縁と墓参の帰途立ち寄ってみた。我が家の菩提寺は日蓮宗だが,本覺寺は天台宗の立派な寺院だった。私は無神論者では無いが,宗教・宗派にほとんどこだわりを持っていないので,境内に入り参拝させていただくことにした。

 馬頭観音はおそらく小さなお堂に祀られているのだろう?一人で勝手に境内をウロチョロ探してみたが,それらしきお堂は見あたらない。その内,お寺さんの飼い犬がワンワン大きな声で吠えだした。あまりに吠え続けるので閉口していると,寺務所からご住職らしき人が現れ,私を咎めもせず犬をなだめだした。

 私が恐る恐る来意を告げると,ご住職は鉄筋三階建ての建物を指さし,そこが馬頭観音堂だと言われた。筆者の想像とは異なり,あまりに立派なので驚いたが,中に入って写真を撮って良いものかお尋ねした所,筆者を怪しげな者と思って吠え続ける犬をなだめながら,快くご承諾いただいた。

 建物内に入ってすぐ目の前,大きなガラスで仕切られているが,体色の赤い観音様を中心に黄金色に輝く仏像が数体並んでいた。ところが馬頭観音らしき像が何処にも見あたらない。建物を出て,未だに吠え続ける犬をなだめているご住職に馬頭観音の場所を再確認した。ご住職は微笑みながら,馬頭はお堂正面の体色の赤い観音様の頭上にあると言われた。 
  
 筆者は再び観音堂に入り,改めて体色の赤い観音像を見ると,確かに頭上に馬頭がついていた。恥ずかしながら,筆者は馬頭観音には全く無知で,馬の顔をした観音様と思い込んでいたのだから,我ながらなんとも救いがたい。
  
 馬頭観音には,「馬頭観音菩薩」「馬頭観世音菩薩」「馬頭明王」など様々な呼称があり,衆生の無知・煩悩を排除し,諸悪を毀壊する菩薩。他の観音が女性的で穏やかな表情で表されるのに対し,馬頭観音のみは,不動明王に似て,目尻をつり上げ,怒髪天をつき,牙を剥きだした忿怒相をしている。このため「馬頭明王」とも称し,菩薩部ではなく明王部に分類されることもある。像容は前述のような忿怒相で体色は赤,頭上に馬頭をいただいているのが特徴。……要旨:フリー百科事典・ウィキペディアから引用
 

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