アサギマダラ
(浅黄斑蝶)


チョウ目  タテハチョウ科
前ばね長さ:55〜60mm


出会い
観音崎で羽化?
これも観音崎で羽化?
飛翔写真−1
飛翔写真−2
ツワブキ
トネアザミ
長旅の疲れ?
渡りチョウ
出会い
 
 観音崎公園・戦没船員の碑付近で優雅なチョウに出会った。一見したところ羽の紋様はゴマダラチョウに似ているが,飛び方がまるで違う。フワリフワリと言った感じで羽を動かし,時には羽ばたきを止め,空中を滑空するような飛び方もする。アサギマダラでは?と直感した。

 何とか写真をものにしたいと思ったが,いかに優雅なチョウでも,デジカメのシヤッタースピードで飛翔写真を撮ることは難しい。そのチョウのあとを追いかけること約30m,ようやく崖の斜面に舞い降りたところを,10倍ズームにして撮影した。

 家へ帰りパソコンに取りこんだピンボケ気味の画像と,昆虫図鑑の写真を比べてみると,それは紛れもなくアサギマダラであった。アサギマダラはその優雅な飛翔や姿から一見か弱げに見えるが,季節により移動する距離は約1,000kmにも及ぶケースもあり,結構たくましく人気のあるチョウのようである。
2003.10.2
  
観音崎で羽化?
 
 ゴールデンウイーク初日,磯遊びやバーベキューで人出の多い公園の海岸部は避け,ふれあいの森の端にある果実の森へ出かけ,フワリフワリと優雅に飛ぶアサギマダラを見かけた。

 アサギマダラの行く先を目で追っていると,やがて園路から30m位離れた崖下の木に舞い降りた。目を凝らしてその付近を探すと,イヌビワと思われる葉の上にそれらしきチョウを見つけ,傾斜地を恐る恐る滑り降りながら30cmほどの距離まで接近することができた。

 間近に見るアサギマダラは羽化して間もない感じで,警戒心も薄くしばらくはじっとしていたが,私が軽く咳ををしたため飛び立ってしまった。その飛び方はフワリフワリと優雅であったが,昨年10月に見たアサギマダラの飛翔と比べると,どことなくぎこちなく滑空する姿は見られなかった。
2004.4.29
                                     
これも観音崎で羽化?
 
 東京湾海上交通センターから観音埼灯台へ通じる道を歩いていると,毎年ウバユリが生える付近のアジサイの葉の上に,アサギマダラが留まっているのを見つけた。私から1mほど離れているが光線の具合と言い,絶好のシャッターチャンスである。4月29日に見かけたものと比べると,遙かにアサギマダラの特徴を備えていてより美しいが,まだ全体に初々しい雰囲気なので,これも観音崎で羽化?

 胸をワクワクさせながら4回目のシャッターを押したところで,アサギマダラは飛び立ってしまった。フワリフワリと実に優雅な飛翔である。なんとか飛翔する姿を写真に撮りたいものとシャッターチャンスを狙ったが,なかなかフレームの中に収まってくれない。シャッターを押す間もないままに,アサギマダラは森の中へ悠然と姿を消してしまった。
2004.5.13
 
飛翔写真−1
 
 ふれあいの森を歩いていると,目の前に突然一頭のチョウがフワリフワリと優雅に現れた。特徴ある飛び方からアサギマダラと直感デジカメを構えたが,なかなかカメラのフレームの中におさまってくれない。そうこうする内に,アサギマダラは6〜7mの高さに舞い上がり,やがて暗い森の中へ消えてしまった。

 その間私はむやみ矢鱈とシャッターを押して30枚近くの写真を撮ったが,あとでパソコンに取り込んだ画像を見ると,僅かに1枚だけアサギマダラの姿が写っていた。その貴重な1枚が下の写真で,奇跡的にもまるで空中に静止しているように見える。  
2005.6.1
 
 
飛翔写真−2
 
 噴水広場の東屋のある休憩所近くで,フワリフワリとゆっくり羽ばたき,スーと滑空しながら飛ぶなチョウに出会った。アサギマダラだ!美しい飛翔を見せつけるように,私の周辺を飛び回る優雅な姿に,私は見とれながらもデジカメのシャッターを押し続けた。相変わらずデジカメのシャッタースピードは遅い。
2005.10.25
 
 
 
 
 10数枚の写真を撮ったところで,アサギマダラはトネアザミの花に舞い降りた。秋も深まり花の少なくなった観音崎では,トネアザミはセイタカアワダチソウと並んで貴重な吸密源だ。

 より鮮明な画像を撮ろうと,抜き足差し足で私が1〜2mの距離に接近するとアサギマダラは飛び立ってしまう。しかしながら,遠くへ飛び去ることはなく,7〜8m先へ舞い降りる。これを何回か繰り返しながら,これまでにないアングルの画像を撮ることができた。
 
 
 
ツワブキ
    
 暖地と言われる観音崎でも,立冬を過ぎると大型のアゲハチョウ類は姿を消し,小型のシジミチョウ類を時々見かける程度になる。ところが,三日連続してアサギマダラに出会った。アサギマダラはアゲハチョウ類より若干小型のチョウだが,春に北上,秋に南下を繰り返す「渡り」をするチョウとして知られている。

 出会った初日はふれあいの森のロッジ付近,二日目は観音崎京急ニュータウン入口近くのトンネル付近,三日目は走水・御所ヶ崎であったが,先の2回は写真を撮り損なった。三日目に出会ったアサギマダラは,フワリフワリと独特の飛び方をしながら私の目の前を横切り,日蔭に咲いているツワブキの花に留まり吸蜜した。私が目撃した3ヶ所は,それぞれ約1,000m位離れているが,目撃した3頭のアサギマダラが別々なのか同一なのかは判らない。
2006.11.10
 
トネアザミ
 
 渡りの時期になったのか,このところ観音崎周辺でアサギマダラを見かけることが多くなった。噴水広場で見かけたアサギマダラは,よほどお腹がすいていたのか,私をあまり気にする気配もなく,一心不乱にトネアザミの花を吸蜜していた。

 アサギマダラはヒヨドリバナ系の花が好きと言われているが,近くにヒヨドリバナが咲いているにも関わらず,そちらには目もくれず,トネアザミの花を吸蜜していた。私はこれまでアサギマダラの写真を数多く撮っているので見直してみたところ,そのほとんどがトネアザミかツワブキの花で,何故か?ヒヨドリバナは一枚もなかった。
2014.9.29
 
長旅の疲れ?
 
 三軒家園地近くの傾斜地のツワブキにアサギマダラが留まっていた。旅の疲れを癒すかのように,花の蜜を一心不乱に吸っている。私が近づいても逃げようともしない。一見したところ,春先のように美しい姿をしていたが,よく見ると尾部や触角の一部が欠損したり,曲がったりして,長旅の厳しさを物語っていた。生まれ故郷の南の島へ無事渡ることを祈らずにはいられない。
2012.11.15
  
   
   
渡りチョウ
 
 読売新聞夕刊の16面にアサギマダラに関する興味深い記事が載っていた。アサギマダラはツバメやホトトギスの渡り鳥のように,渡りをするチョウとして知られているが,今年8月から3ヶ月間で2,246kmも移動していることが確認されたという。

 アサギマダラは観音崎でも4月下旬から11月上旬頃まで時折お目にかかることができる。私はつい先日,11/8〜10日にかけて三日連続でお目にかかったが,南の島へ帰る途中だったか,観音崎で越冬するつもりなのかは定かではない。

 私がこれまで一番早い時期にお目にかかったのは2004.4.29で,それがはたして,南の島から北上してきたものか,観音崎で羽化したものかは判らなかったが,その羽が瑞々しく美しかったことは記憶に残っている。
2006.11.27
  

2006.11.27読売新聞夕刊から転載

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